人口地理学(じんこうちりがく、英語: population geography)は、人口現象の地理的分布や移動から地域構造
を理解することを目標とする、人文地理学の一分野である[1]。人口地理学の研究対象は、大きく、人口分布(人口規模の空間的パターン)、人口構造の空間的パターン、人口変動の空間的パターン、人口移動で分類することができる[2]。 人口分布は、人口規模の空間的パターンのことである[2]。
人口分布
人口構造には、生物学的な分類(性別・年齢など)による人口構造と、文化・経済・社会的な指標に基づく人口構造が存在する[6]。
主なものとして、性別構造や年齢構造が挙げられる[7]。性比による性別構造の分析のほか、年少人口
、生産年齢人口、高齢人口の割合などを踏まえて年齢構造の分析が行われる[7]。人口変動とは、人口規模や人口構造の変化のことを意味し、出生、死亡、人口移動により引き起こされる[2]。出生率や死亡率の地域差などが研究対象となる[7]。
人口移動詳細は「人口移動」を参照
人口移動は、地域人口の変化に大きな影響を与える事象であり[8]、人口地理学の主要な研究テーマの1つである[9]。国内人口移動では、例えば都市・農村間での人口移動が研究対象となる[9]。 人口地理学では、人口学でも扱われる性別や年齢に限らず、宗教や職業など文化的な側面や社会・経済的な側面の地域差も考察対象とする[10]。また、香川 (1995)では、人口地理学は人口学と比べて空間認識力が高いこと、市町村以下のミクロスケールでの地域分析力が高いことが指摘されている[11]。
人口学と比較した特徴
脚注^ 日本地誌研究所 1989, p. 320.
^ a b c 井上 2013, p. 562.
^ a b 小笠原 1999, p. 2.
^ 小笠原 1999, pp. 4?5.
^ 井上 2013, pp. 562?563.
^ 小笠原 1999, p. 97.
^ a b c 井上 2013, p. 564.
^ 小笠原 1999, p. 61.
^ a b 井上 2013, p. 565.
^ 大関 1998, p. 627.