京都御所
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現在の造営は、徳川13代将軍・家定が、孝明天皇の勅命を受け、老中阿部正弘に命じて再建される。安政2年(1855年)11月23日に再建がなり、これが安政度の造営といわれる。

慶応元年(1865年)?慶応2年(1866年)2月以降、現在の形となった。

現在は京都御所の元であった土御門東洞院(4,363坪)の約8倍である。

(現在の京都御所の敷地)

総面積 3万3400坪(110,413.2u)

南北東側446m、西側450m、東西北側244.5m、南側248.5m

京の都は、延暦13年(794年)10月22日、第50代・桓武天皇により、奈良県平城京から京都府長岡京、そして平安京へとを移されたのが始まりである[11]

1869年明治2年)の東京奠都と同時に明治天皇東幸した。1877年明治10年)、東京の皇居に移っていた明治天皇が京都還幸の際、東幸後10年も経たたずにして施設及び周辺の環境の荒廃が進んでいた京都御所の様子を嘆き、『京都御所を保存し旧観を維持すべし』と宮内省(当時)に命じた[12]。その翌年にも明治天皇は京都御所を巡覧し、保存の方策として『将来わが朝の大礼は京都にて挙行せん』との叡慮を示して、1883年(明治16年)には京都を即位式大嘗会の地と定める勅令を発している[13]旧皇室典範第11条の規定はこれを承けて制定に至った。

京都御所の殿舎や建築物は、その後に明治から大正にかけ、内侍所(賢所:1855年造営の橿原神宮へ移築され国重要文化財指定[14])及び神嘉殿(橿原神宮移築後焼失[15][16])や対屋(女官宿舎)などの建物が撤去された。1945年昭和20年)には、総建築面積の半数近くが建物疎開(空襲による類焼防止)の名のもとに解体された。併せて殿舎と殿舎を繋ぐ廊下にあった杉戸絵等は現在は宮内庁京都事務所が保管管理している[17]戦後には、1954年(昭和29年)には、近隣で打ち上げられた花火が飛来して小御所(一部襖絵現存[18])が焼失している。その後1970年代前半にかけて、焼失した小御所や戦時中に解体された渡廊下などの一部が復元され、現在に至っている。仙洞御所庭園と醒花亭(京都市

京都御所に隣接して京都大宮御所京都仙洞御所がある。京都大宮御所は、後水尾天皇の中宮の東福門院のために造進されたのに始まり、現在の建物は英照皇太后孝明天皇女御)のために造営され、慶応3年(1867年)に完成したものである。現在は天皇皇后京都府への行幸啓(旅行)の際の宿泊や国賓の宿泊に使用されている。京都仙洞御所は後水尾上皇の退位後の住まいとして造られたものだが、現在は庭園と茶室を残すのみである。

現在は京都御所、京都大宮御所と京都仙洞御所は国有財産で、宮内庁が管轄する「皇室用財産」に分類されており、これらの周囲の国民公園である京都御苑環境省が管理している。京都市民は京都御苑も含めて、単に「御所」(ごしょ)と呼ぶ事が多い。小堀遠州の代表作と知られる特別名勝・二の丸庭園から国宝・二の丸御殿を望む。世界遺産元離宮二条城

併せて、京都御所の南西の裏鬼門に当たる敷地には近世徳川将軍家(現在は徳川宗家)の上洛時の居城で近代皇室離宮であった正式名称「元離宮二条城」が存在する[19][20]京都御所の北西から築地塀や門等を眺める。門は清所門がまず視界に入る。

京都御所に現存する主な建物としては、筋塀という名称である格式高い築地塀や「穴門」:あなもんが全12か所、京都御所の正門である建礼門などの「皇居六門」をはじめとして宜秋門(ぎしゅうもん)にある番所(ばんしょ)、紫宸殿(ししんでん、ししいでん)、回廊(かいろう)、回廊の南正面に承明門(しょうめいもん)、東面に日華門(にっかもん)、西面に月華門(げっかもん)、宜陽殿(ぎしゅうでん)、清涼殿(せいりょうでん)、御車寄(おくるまよせ)、諸大夫の間(しょだいぶのま)、御学問所(おがくもんじょ)、八景の間(はっけいのま)、御常御殿(おつねごてん)、御三間(おみま)、申口(もうしぐち)、迎春(こうしゅん)、御湯殿(おゆでん)、御涼所(おすずみしょ)、聴雪(ちょうせつ)、錦台(にしきだい)、物見台(ものみだい)、泉殿(いずみでん)、御花御殿(おはなごてん)、御新建(ごしんたて)、参内殿(さんないでん)、長橋局(ながはしつぼね)、奏者所(そうしゃどころ)、皇后宮御常御殿(こうごうぐうおつねごてん)、地震殿(じしんでん)、黒戸(くろど)、若宮・姫宮両御殿(わかみや・ひめみやりょうごてん)、玄輝門(げんきもん)・飛香舎(ひぎょうしゃ)、御馬見所(おうまみどころ)、東山文庫(ひがしやまぶんこ)などがある。その他として近世幕末にかけて作庭された御池庭や御内庭などの日本庭園灯籠・樹木と築地塀を囲む清流の溝や京都御所の生活用井戸などが点在し今に遺る。


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