京都市
[Wikipedia|▼Menu]
概要産寧坂重要伝統的建造物群保存地区の景観。法観寺後部には小さく京都タワーが見える。

市域は令制国で言えば山城国葛野郡愛宕郡紀伊郡の全域、山城国宇治郡乙訓郡久世郡綴喜郡丹波国桑田郡の一部に及んでいる[* 1]

京都府で最も人口が多い都市であり、府の人口の56.9%を占める(2024年4月1日)。都道府県全体の人口の過半数を占める都市は、東京23区を除けば全国で京都市のみである。都市圏としては、京都府・滋賀県などに広がる京都都市圏[3] および京滋の中核であるとともに、大阪市を中心とした京阪神大都市圏(近畿大都市圏)の一角を担う。都市雇用圏の基準では、京都都市圏の人口は280万人で京都府より多く、東京都市圏大阪都市圏名古屋都市圏に次ぐ日本第4位の規模である[* 2]。内陸の市町村としては数少ない政令指定都市であり、北海道札幌市(人口195万人)に次いで人口が多い。

794年延暦13年)に日本の首都になった平安京を基礎とする都市で、1869年明治2年)に明治天皇東京行幸東京奠都)するまでの約1080年にわたって皇室および公家が集住したため「千年の都」との雅称で呼ばれる。現代でも京都市では双京構想を掲げている(首都に関する議論は「日本の首都」を参照)。平安時代室町時代室町幕府期には日本の政治が執り行われた中心地であり、鎌倉時代戦国時代安土桃山時代江戸時代幕末期などにおいても、日本の政治の中心の一つとして大きな役割を果たした。

平安時代から江戸時代前期までは日本最大の都市であり、その市街地は「京中」、鎌倉時代以降は「洛中」と呼ばれ、都市としては「京」「京の都」「京都」と呼ばれた。江戸時代には三都江戸大坂・京)、明治期には三市東京市大阪市・京都市)、大正期以降は六大都市(東京市・横浜市名古屋市・京都市・大阪市・神戸市)の各々の一角を占め、第二次世界大戦後には政令指定都市になった。このような中で都市生活者向けの商工業が発達し、特に国内流通が活発化した江戸時代には、全国に製品を出荷する工業都市となる一方、数々の技術者を各地のの要請に従って派遣した。その伝統は現在も伝統工芸として残っているのみならず、京セラ島津製作所オムロンニデック(旧 日本電産)など先端技術を持つ企業をはじめ、任天堂ワコールなど業界トップクラスの本社が集まるなど、現代産業を支えている地域の一つである。日本初の水力発電所である蹴上発電所を備えた琵琶湖疏水や、日本初の電車営業を行なった京都電気鉄道(後の京都市電、現在は廃止)を開業させるなど、明治以降の近代化にも積極的であった。

第二次世界大戦の戦災被害を免れた神社仏閣、古い史跡、町並みが数多く存在し、宗教貴族武家・庶民などの様々な歴史的文化や祭りが残る。その特徴により文化庁が設置され[4]、文化首都を標榜する[5]。国内外の観光客が訪れる観光都市として国際観光文化都市に指定されている。旧市街地を中心に建物の高さ規制や広告表示の制限がなされ、古い街並みが保全されている。さらに、旧帝国大学京都大学をはじめとする多数の大学が集積し、国内外から学生や研究者が集まる日本有数の学生街学園都市ともなっている[* 3] 京都盆地の北部、大文字山より市街地を望む
地理京都市中心部の四条河原町四条大橋

京都府の南部に位置する内陸都市で、市内を賀茂川(途中で高野川と合流して鴨川と名前を変える)、桂川宇治川などが流れる。政令指定都市および日本の百万都市では唯一、盆地に位置している。森林が市域の4分の3を占め[6]、市内には日本で最も高い木が生える[7]

平安京の名残で街路が東西南北に直交する碁盤の目状の街並みが特徴である。北から南にかけて一条通から十条通が東西方向に走っている。市内中心部は四条通付近である。四条河原町四条通河原町通の交差点付近)は市内で最大の繁華街であり、歓楽街祇園ビジネス街四条烏丸と隣接している。四条通一帯は「田の字地区」と呼ばれ、概ね中心市街地にあたる。西日本屈指のターミナル駅である京都駅は市街地南部の七条通八条通の間に位置しており、四条河原町や四条烏丸などの市内中心部からは離れている。金閣寺清水寺などの観光地は中心市街地の外縁部に点在していることが多い。景観保護の観点から建物の高さや看板広告などに規制が設けられているが、観光名所から一歩出ると看板と高さ以外は他地域と大差ないコンクリートビルが立ち並ぶエリアが多い。

高さ規制により大都市でありながらタワーマンションは存在しないが、高さ制限により住宅戸数が制限されていることやオーバーツーリズムを引き起こすほどの観光客の増加により、利便性が高い中心部は地価が上昇し、ファミリー層の転出要因の一つであると指摘されている[8]2021年には人口減少数が全国ワーストを記録した[9]。そのため京都市は一部地域で高さ制限を緩和する等の対策を打っている[10]

滋賀県の県庁所在地である大津市に隣接しており、都道府県庁間は京都府と滋賀県が全国で最も短い[11]琵琶湖線東海道本線)の京都駅大津駅は2駅10分の近さであり、京都市外から市内への通勤者は大津市が最も多い。
地形
山岳
主な山


愛宕山

嵐山

沓掛山


稲荷山


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:419 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef