京都市
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地理京都市中心部の四条河原町四条大橋

京都府の南部に位置する内陸都市で、市内を賀茂川(途中で高野川と合流して鴨川と名前を変える)、桂川宇治川などが流れる。政令指定都市および日本の百万都市では唯一、盆地に位置している。森林が市域の4分の3を占め[6]、市内には日本で最も高い木が生える[7]

平安京の名残で街路が東西南北に直交する碁盤の目状の街並みが特徴である。北から南にかけて一条通から十条通が東西方向に走っている。市内中心部は四条通付近である。四条河原町四条通河原町通の交差点付近)は市内で最大の繁華街であり、歓楽街祇園ビジネス街四条烏丸と隣接している。四条通一帯は「田の字地区」と呼ばれ、概ね中心市街地にあたる。西日本屈指のターミナル駅である京都駅は市街地南部の七条通八条通の間に位置しており、四条河原町や四条烏丸などの市内中心部からは離れている。金閣寺清水寺などの観光地は中心市街地の外縁部に点在していることが多い。景観保護の観点から建物の高さや看板広告などに規制が設けられているが、観光名所から一歩出ると看板と高さ以外は他地域と大差ないコンクリートビルが立ち並ぶエリアが多い。

高さ規制により大都市でありながらタワーマンションは存在しないが、高さ制限により住宅戸数が制限されていることやオーバーツーリズムを引き起こすほどの観光客の増加により、利便性が高い中心部は地価が上昇し、ファミリー層の転出要因の一つであると指摘されている[8]2021年には人口減少数が全国ワーストを記録した[9]。そのため京都市は一部地域で高さ制限を緩和する等の対策を打っている[10]

滋賀県の県庁所在地である大津市に隣接しており、都道府県庁間は京都府と滋賀県が全国で最も短い[11]琵琶湖線東海道本線)の京都駅大津駅は2駅10分の近さであり、京都市外から市内への通勤者は大津市が最も多い。
地形
山岳
主な山


愛宕山

嵐山

沓掛山


稲荷山

大岩山

大枝山

小倉山

小塩山

北山

桟敷ヶ岳


衣笠山

鞍馬山

高雄山

双ヶ丘

東山

華頂山

清水山音羽山

大文字山如意ヶ嶽

比叡山

吉田山


船岡山

遍照寺山

三国岳

皆子山

河川
主な川


鴨川

桂川

高野川

白川

堀川

高瀬川

西高瀬川

宇治川

湖沼
主な池


大沢池

巨椋池(干拓事業により消滅)

宝ヶ池

広沢池

深泥池


大文字山五山送り火

の季節の鴨川

宝ヶ池

気候

京都市
雨温図説明

123456789101112
  53 92  65 102  106 144  117 209  151 2515  200 2819  224 3224  154 3425  179 2921  143 2314  74 178  57 124
気温(°C)
総降水量(mm)
出典:気象庁

インペリアル換算
123456789101112
  2.1 4835  2.6 5035  4.2 5740  4.6 6849  6 7758  7.9 8367  8.8 9074  6.1 9376  7 8569  5.6 7458  2.9 6347  2.3 5338
気温(°F)
総降水量(in)

京都盆地(山城盆地)に位置しているため、太平洋側気候日本海側気候瀬戸内海式気候内陸性気候のそれぞれを併せ持ち、、昼と夜とで温度差が大きい。「京の底冷え」と言われるように冬の寒さは厳しい印象があるが、主要都市や関西の中でも取り立てて低温ではなく、京都地方気象台(中京区西ノ京笠殿町)のある中心街はヒートアイランド現象が顕著になり、かつてのような底冷えにはならない。最寒月(1月)の平均気温は4.8℃、平年最低気温は1.5℃であり、関西では大阪市、神戸市、和歌山市よりは低いものの、奈良市や大津市よりは高い。ただし市内でも郊外は中心部に比べて寒さは厳しく、特に同じ盆地内でも北の方ほど寒く、市内中心部では降雪がなくても左京区岩倉や大原、北区原谷などでは積雪や氷点下となっていることがある。北部の山間部(旧京北町など)は日本海側気候の影響もあり、冬季の1.0mm以上の降水日数が京都市街地の2倍以上となり、雪の日も市街地より多くて寒さが厳しい。市街地では積雪しても数cm程度のことが多い。2015年元日から1月3日にかけては大雪に見舞われ、61年ぶりとなる22cmの積雪を記録した。市中心部より南にある伏見区ではさらに雪が少ない。夏は暑さが大変厳しい。特に日中の気温が非常に上がり易く、39℃台の記録も多数ある。2018年7月19日には過去最高気温に並ぶ39.8℃を記録した。熱帯夜日数は27.2日となっており、名古屋市(25.6日)より若干多いが大阪市(41.5日)や神戸市(46.8日)よりは少ない。

同じ京都市内といえども、北部の山間部と南部の市街地では分けて考える必要がある。市街地に限れば、年間を通して大阪市よりやや気温が低く雨量は多く、名古屋市とは気温は同程度で雨量はやや少ない、という程度の気候である。ただ、市街地(市中心部)も丹波高地の影響を受けて太平洋側気候と日本海側気候の境目で他の近畿地方の主要都市よりも不安定で、夏は大気の不安定さや湿った空気、冬は日本海からの雨雲や雪雲などで曇りがちで、特に夏場は瀬戸内海からの風と伊勢湾からの風、若狭湾からの風がぶつかる影響で頻繁に夕立になる事が多い。京都人はこれらの夕立を「丹波太郎」「山城治郎」と呼んでいる。京都の夏季(5、6、7、8、9月)における平均雷日数は15.9日で、奈良の17.2日や豊岡兵庫県)の16.9日と比べると少ないものの、彦根滋賀県)の14.6日より多い。


京都市(京都地方気象台)の気候
月1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年
最高気温記録 °C (°F)19.9
(67.8)22.9
(73.2)25.7
(78.3)30.7
(87.3)34.9
(94.8)37.2
(99)39.8
(103.6)39.8
(103.6)38.1
(100.6)33.6
(92.5)26.9
(80.4)22.8
(73)39.8
(103.6)
平均最高気温 °C (°F)9.1
(48.4)10.0
(50)14.1
(57.4)20.1
(68.2)25.1
(77.2)28.1
(82.6)32.0
(89.6)33.7
(92.7)29.2
(84.6)23.4
(74.1)17.3
(63.1)11.6
(52.9)21.1
(70)
日平均気温 °C (°F)4.8
(40.6)5.4
(41.7)8.8
(47.8)14.4
(57.9)19.5
(67.1)23.3
(73.9)27.3
(81.1)28.5
(83.3)24.4
(75.9)18.4
(65.1)12.5
(54.5)7.2
(45)16.2
(61.2)
平均最低気温 °C (°F)1.5
(34.7)1.6
(34.9)4.3
(39.7)9.2
(48.6)14.5
(58.1)19.2
(66.6)23.6
(74.5)24.7
(76.5)20.7
(69.3)14.4
(57.9)8.4
(47.1)3.5
(38.3)12.1
(53.8)
最低気温記録 °C (°F)?11.9
(10.6)?11.6
(11.1)?8.2
(17.2)?4.4
(24.1)?0.3
(31.5)4.9
(40.8)10.6
(51.1)11.8
(53.2)7.8
(46)0.2
(32.4)?4.4
(24.1)?9.4
(15.1)?11.9
(10.6)
降水量 mm (inch)53.3
(2.098)65.1
(2.563)106.2
(4.181)117.0
(4.606)151.4
(5.961)199.7
(7.862)223.6
(8.803)153.8
(6.055)178.5
(7.028)143.2
(5.638)73.9
(2.909)57.3
(2.256)1,522.9
(59.957)
降雪量 cm (inch)5
(2)7
(2.8)1
(0.4)0
(0)0
(0)0
(0)0
(0)0
(0)0
(0)0
(0)0
(0)2
(0.8)15
(5.9)
平均降水日数 (?1.0mm)6.47.39.59.49.711.511.68.39.88.26.36.6104.6
平均降雪日数 (?0cm)16.314.26.80.400000006.944.5
湿度67656159606669666768686865
平均月間日照時間123.5122.2155.4177.3182.4133.1142.7182.7142.7156.0140.7134.41,794.1
出典:気象庁 (平均値:1991年-2020年[12]、極値:1880年-現在[13])

京北の気候
月1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年
降水量 mm (inch)102.3
(4.028)98.8
(3.89)117.5
(4.626)107.6
(4.236)140.8
(5.543)176.1
(6.933)218.8
(8.614)162.6
(6.402)197.1
(7.76)147.6
(5.811)86.1
(3.39)93.1
(3.665)1,648.2
(64.89)
平均降水日数 (?1.0 mm)15.314.713.711.510.912.112.69.211.110.210.213.4144.9
出典:気象庁 (平均値:1991年-2020年)[14]



地域平安京復元模型写真(平安京創生館

市の隣接地域の編入と面積の推移[15]年面積編入地域
1889年29.77km2
1902年31.28km2葛野郡の一部
1918年60.43km2葛野郡・愛宕郡紀伊郡の一部
1931年288.65km2伏見市・紀伊郡と葛野郡・宇治郡の一部
1948年325.31km2葛野郡
1949年535.16km2愛宕郡
1950年549.79km2乙訓郡の一部
1957年577.56km2北桑田郡久世郡の一部
1959年606.67km2乙訓郡の一部
2005年827.90km2北桑田郡京北町
2014年827.83km2(地図電子化により面積改訂)

地域名

平安京は、平安中期の漢文学においてしばしば「洛陽」「長安城」「洛城」として現れる。いずれも「平安城」に代わる文学上の雅称と考えられる。のちにが西の長安を首都、東の洛陽副都としたのを意識し、朱雀大路の西(右京)を長安、東(左京)を洛陽と称したとする認識が生まれた[* 4]。その後、低湿地であった右京南部が寂れ、市街地が左京に偏っていっため、洛陽すなわち「洛」が京都の代名詞となっていった。

たとえば、近世に多く描かれた屏風絵に京都の中心部と郊外を表した「洛中洛外図」というものがある。現在でも京都市内の地域名として以下のようなものがある。行政や観光ガイドでもよく使われるが厳密な区分はない。

洛中(らくちゅう)- 上京中京下京の各区の辺りの呼び方

洛外(らくがい)- 洛中の周縁の地域

洛東(らくとう)、東山(ひがしやま)- 左京区銀閣寺辺りから東山区まで(洛東の場合は山科区を包む。東山の場合は含まない)。

洛北(らくほく)、北山(きたやま)- 北区上賀茂から北大路通辺りまで

洛西(らくさい)、西山(にしやま)- 右京区南部から西京区、乙訓辺り。嵐山など。

洛南(らくなん)- JR京都線・琵琶湖線(東海道本線)あるいは九条通以南から伏見辺りまで。宇治まで含むこともある。

上記が大まかな地域名であるのに対して、行政区よりも細かい地域単位として、明治時代に導入された小学校区(学区)による地域名も、生活に密着した地域単位として使われる(詳細は京都の元学区を参照のこと)。

政令指定都市では唯一「住居表示に関する法律[* 5]に基づく住居表示を採用しておらず[16]、市中心部の町では近世からの形と名称が継承されており、周縁部においては京都市への編入前の旧町村名や大字小字が町名に用いられている[17](例:旧田中村字門前→左京区田中門前町)。

詳細はbody:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper{margin-top:0.3em}body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper>ul,body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper>ol{margin-top:0}body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper--small-font{font-size:90%}


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