交響曲第7番_(ブルックナー)
[Wikipedia|▼Menu]
その後、指揮者ヘルマン・レヴィの推薦より1885年12月、バイエルン国王ルートヴィヒ2世に献呈された。

楽譜は1885年に出版された。この初版は「グートマン版」、「改訂版」などとも呼ばれる。

日本初演は1933年10月21日、クラウス・プリングスハイム指揮の東京音楽学校管弦楽団により、奏楽堂で行われた。
楽器編成

フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット3、トロンボーン3、ワグナーチューバ4(テノール2とバス2)、コントラバス・チューバティンパニシンバルトライアングル弦五部。ただしハース版では原則シンバル・トライアングルは使われないがアド・リブとして載っている。
演奏時間

約65分(各20分、23分、10分、12分)だが、60分を切る演奏や70分を超える演奏も珍しくない。

前半の第1?2楽章だけで全体の3分の2を占める。
楽曲の構成
第1楽章 アレグロ・モデラート

音楽・音声外部リンク
第1楽章
Allegro moderato
Wienerklassik Orchester
- Hermine Pack指揮。Wienerklassik Orchester公式Youtube。
International Academy Orchestra Hundisburg Castle - ヨハネス・クルンプ指揮。指揮者自身の公式Youtube。

ホ長調、2/2拍子(2分の2拍子)。ソナタ形式で、三つの主題を持つ。

全体的に美しく明るい曲である。ティンパニの使用が極力抑えられていて、登場するのは再現部の最後とコーダのみである。この第1楽章の第1主題の発生に関しては、ブルックナー自身が「夢の中で友人が『ブルックナーさんこの主題を使って幸運を掴んでください』と明示され、慌てて起き上がって、主題を書き留めた」と言う逸話が伝わっている。

ブルックナー特有の“原始霧”で曲が開始される。弦楽器群の弱音のトレモロの上に、チェロが第1主題を奏し、続いてオーケストラの高音楽器に引き継がれていく。この第1主題は2オクターブにまたがる広い音域を持ち、曲の冒頭から伸びやかな雰囲気が広がっていく。

第2主題はオーボエとクラリネットの木管楽器群から始まって、徐々に他の楽器に引き継がれ、第1主題よりはかなり長い。

全合奏の後に第3主題が始まる。最初はロ短調から始まり、めまぐるしい転調を繰り返す。

そうして展開部に入るが、ここは比較的短く、三つの主題がそれぞれ展開されていく。第185小節(スコア練習記号I)からチェロで演奏される旋律(第2主題の反行型)も印象的で、このモチーフが次の交響曲第8番で第4楽章の第2主題に取り入れられることになる。

間もなく第1主題がハ短調で、下降音型の形を取って全合奏により戻ってくる。やがて元のホ長調に戻り、通常の再現部に入る。

比較的短く切り詰められた再現部の後、コーダはホ音の上に組み立てられ、第1主題に基づいて締めくくられる。
第2楽章 アダージョ

音楽・音声外部リンク
第2楽章 Adagio ・ 第3楽章 Scherzo
Wienerklassik Orchester (II)
- Hermine Pack指揮。Wienerklassik Orchester公式Youtube。
International Academy Orchestra Hundisburg Castle (II) - ヨハネス・クルンプ指揮。指揮者自身の公式Youtube。
       ────────
Wienerklassik Orchester (III) - Hermine Pack指揮。Wienerklassik Orchester公式Youtube。
International Academy Orchestra Hundisburg Castle (III) - ヨハネス・クルンプ指揮。指揮者自身の公式Youtube。

嬰ハ短調、4/4拍子(4分の4拍子)。“Sehr feierlich und sehr langsam”(非常に荘厳に、そして非常にゆっくりと)。 A - B1 - A - B2 - A のロンド形式

主要主題は嬰ハ短調で、Bは1回目が嬰ヘ長調で登場する。(モデラート、第37小節から)

主要主題の1回目の再現は、再び“Tempo I. Sehr langsam”(元の速さで、非常にゆっくりと)の指示に戻り、第77小節から始まるが、今度は早いペースで転調を繰り返しながら進行する。

Bの2回目は変イ長調で、第133小節から始まり、再びモデラートのテンポになる。ここはすぐに終わり、主要主題の2回目の再現が、第157小節から始まる。

6連音符の上に乗せられた主題は、ついに第177小節でクライマックスを迎える(ハース版以外の版では、ここで打楽器も加わる)。そして第184小節(スコア練習記号X)から、ワーグナーのための「葬送音楽」が開始され、4本のワグナーチューバが厳粛な音楽を奏でる。最後は主要主題が、異名同音で同主調の変ニ長調で奏され、消えるように静かに締めくくられる。
第3楽章 スケルツォ

イ短調、3/4拍子(4分の3拍子)。“Sehr Schnell”(非常に速く)の速度標語がある。A - B - A の三部形式

前の第2楽章の哀切な緊張感から解放され、ブルックナーのスケルツォらしい野性的な雰囲気にあふれている。

中間部(B)はヘ長調で、のどかな曲想である。
第4楽章 フィナーレ


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:29 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef