交響曲第1番_(ブラームス)
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楽器編成

木管

フルート: 2

オーボエ: 2

クラリネット: 2(楽章順に、B管、A管、B管、B管)

ファゴット: 2、コントラファゴット(第3楽章以外): 1


金管

ホルン: 4(C管Es管各2、E管2、Es管H管各2、C管Es管各2)

トランペット: 2(C管、E管、H管、C管)

トロンボーン: 3(アルト、テノール、バス各1)(第4楽章のみ)


打楽器

ティンパニ


弦五部

第1ヴァイオリン

第2ヴァイオリン

ヴィオラ

チェロ

コントラバス(4弦)

ピッコロを欠きホルンが増強された点を除けば、ベートーヴェンの交響曲第5番と編成がほとんど一致する。また、第4楽章でのみトロンボーンが使用される点でも類似している。楽器の扱い方の点でも、たとえばベルリオーズの幻想交響曲で見られるような、あからさまな特殊奏法は要求されていない。一方、ホルンとトランペットについては、当時すでにヴァルヴ式楽器のものが普及した中で、ナチュラル管時代、あるいはヴァルヴ管への過渡期を想起させるような楽譜の書き方になっている。
演奏時間

約45分[5]
構成

交響曲の定石通り4つの楽章で構成されているが、舞曲メヌエットまたはスケルツォ)に相当する楽章を欠いている。また、楽章の調の構成は、5度の関係を基本とした古典的なものではなく、3度関係の調となっている(ハ短調 - ホ長調 - 変イ長調 - ハ長調)。

全曲を通して、「C-C♯-D」の半音階進行が曲を統一するモティーフとして重要な役割を果たしている。
第1楽章 Un poco sostenuto - Allegro

序奏部の冒頭主部(提示部)の冒頭
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映像外部リンク
第1楽章
Un poco sostenuto - Allegro
1st Movement
- マルクス・シュテンツ指揮ハレ管弦楽団による演奏。ハレ管弦楽団公式YouTube。

ハ短調、序奏付きのソナタ形式(提示部反復指定あり)、6/8拍子(9/8拍子)。

ティンパニを中心に、コントラファゴット、コントラバスという低音楽器がC音を8分音符で連打する力強いオスティナートの上に、ヴァイオリン、チェロの上向する半音階的な旋律と木管とホルン、ヴィオラの副旋律が交錯する序奏で始まる。(この序奏は主部よりあとに追加されたものである) 主旋律に含まれる半音階進行は、楽章の至る所に姿を現す。序奏冒頭部はティンパニ・ロールに載ってもう一度現われ、寂しげな木管の調べを経てアレグロの主部に入る。提示部には繰り返し記号があり、かつては繰り返して演奏されることはあまりなかったが、近年は繰り返しが行われる例も増えている。ソナタ形式の型通りに進行した後、終結部でも、「運命」のモットーの動機がティンパニと低音のホルンによるC音の連打に支えられ、ハ長調で静かに終結する。
第2楽章 Andante sostenuto

第2楽章の冒頭部第2楽章Musopenより

映像外部リンク
第2楽章
Andante sostenuto
2nd Movement
- マルクス・シュテンツ指揮ハレ管弦楽団による演奏。ハレ管弦楽団公式YouTube。

ホ長調複合三部形式、3/4拍子。

緩徐楽章。オーボエ、第1ヴァイオリン、ホルンによる印象的なソロ演奏がある。構成は基本A-B-Aの三部で、Aはさらにa-b-cに分けられるので複合三部形式である。aは主に弦で奏でられる落ち着いた中に翳りのあるもの。bはaの主題を引き継いだものでオーボエのソロによって歌われる。cは冒頭に上昇の動機を持った動きのあるもので短調の色彩を加え、これがやはりオーボエのソロによる物寂しい嬰ハ短調のトリオBを導く。Bの中で低弦とフルートに第3楽章主題の断片が現れる。Aの再現部は単なるリピートではなく、ソナタ形式の再現部のように変奏され、よりドラマチックに、また長大化している。bはここでは第1ヴァイオリンのソロをメインに、オーボエのソロとホルンのソロにより奏される。続いてホルンのソロが主旋律を、第1ヴァイオリンのソロが装飾的に彩る。cはほとんどコーダで、冒頭の上昇の動機こそ控えめに現れるもののその先は歌われることはなく、曲は第1ヴァイオリンのソロが澄み切った嬰トの高音を伸ばす中、静かに結ばれる。

この楽章にはカールスルーエで初演されたときの初稿版があり、かなり曲の構成が異なる。これにはギュンター・ノイホルトやチャールズ・マッケラスらの指揮による録音があり、楽譜はヘンレ社の付録として見ることができる。
第3楽章 Un poco allegretto e grazioso

第3楽章の冒頭部第3楽章Musopenより

変イ長調複合三部形式、2/4拍子。

間奏曲ふうの短い楽章。古典的な交響曲の形式にのっとれば、ここにはメヌエットスケルツォが置かれるべきだが、ブラームスは4つの交響曲のすべてにおいて典型的な三拍子舞曲の第3楽章を置かなかった(第4番においてようやく本格的なスケルツォが登場するが、やはり二拍子である)。とはいえ「グラツィオーソ(優雅に)」という楽想指示には、メヌエット的な性格の楽章であるという作曲者の意図が現れている。


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