交通事故
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

人口10万人あたりでは、岡山の3.94人が最多で、最少は東京の0.94人だった[39]
発生件数

国内の自動車保有台数の増加により交通事故も比例して増加し、2004年には95万2709件を記録した。その後、国内の自動車保有台数は8000万台程度で安定し、2024年1月時点では自動車保有台数が約8,302.5万台と最も多くなっているが、事故発生件数は2023年で30万7,930件と2022年(30万839件)より増加している。なお、自動車保有台数が約3518万台と現在の半分以下だった1979年の47万1,573件以降で、2022年に次いで2番目に少ない件数である[25]
負傷者数

事故発生件数と連動して1990年代より増加し、1999年から2007年までは連続して年間負傷者数100万人を突破し、2004年には118万3,616人を記録した。その後、事故発生件数と共に減少傾向にあり、2023年の負傷者数は36万5,595人となっている[25]。なお、2023年は2019年コロナウイルス感染症対策の行動制限緩和により外出する際、車を使う機会が増えたことで、2022年(35万6,601人)より増加している。
歴史

第二次世界大戦以前
1926年(大正15年、昭和元年)、東京都だけでも交通事故による死者約230人、負傷者9800余人を記録した[40]

戦後 ? 1960年代 第一次交通戦争の始まり
戦後の高度経済成長期に自動車保有率の上昇と呼応して交通事故が増加し、1959年には年間交通事故死者数が1万人を突破する事態となった。戦争でもなく膨大な数の人が犠牲となることから「交通戦争(第一次交通戦争)」と比喩される事となった。特に1970年は、自動車保有台数が1652万台程度で、交通事故により年間1万6765人(1年以内死者数では約2万2千人)が死亡し、史上最多の年となった。交通事故発生件数も、1969年には第一次交通戦争の終了までで最も多い72万880件となった。

1970年代 第一次交通戦争の終了 交通事故対策の始まりによる事故発生件数、死者数の減少
警察道路管理者などが教育と対策に取り組んだこと、シートベルトの普及等の自動車の安全性が向上したこと、道路の拡幅や歩車分離、横断歩道や交差点における信号機の設置・拡充といった道路整備等の交通環境の改善が進められたこと、さらには自動車保有台数もオイルショックによる不況もあって頭打ちとなったこと等で、事故率、死亡率が減少し、事故件数、死者数ともいったん減少した。交通事故死者数は、1976年には再び1万人を割り、1979年には第一次交通戦争の開始から最も少ない8048人となった。交通事故発生件数も、1977年には第一次交通戦争の開始から最も少ない46万649件となった。

1980年代 ? 1990年代 第二次交通戦争の始まり 事故率の下げ止まりと自動車保有台数の増加による事故件数、死者数の増加
1980年代に入り、第一次交通戦争から始まった安全対策が普及しきったことから、減少し続けてていた交通事故発生率が下げ止まった。自動車保有台数、走行距離を加味した交通事故率の指標である死傷事故率[注釈 3]は、1970年には300(件/億台キロ)を超える水準だったが、1980年には120(件/億台キロ)程度まで下がった。しかし、その後2010年頃まで約30年間にも渡り、事故率は約120?100(件/億台キロ)の範囲で横ばいとなってしまった[41]。そのため、1970年代後半から事故率は下がらないのに折からのバブル経済もあって自動車保有台数が増加したため再び交通事故が増加し始め、それに伴い死者数は1988年に再び1万人を超え、「第二次交通戦争」とも言われる状況となった。1992年には第一次交通戦争が終了して以降では最多となる1万1452人となった。事故発生件数も、同年には72万4678件となっている。

1990年代 ? 2000年代 第二次交通戦争の終了 交通事故死者数の減少による第二次交通戦争の終了、交通事故件数の増加
第二次交通戦争では自動車保有台数の増加と共に、交通事故犠牲者は自動車の乗員が主なものとなり、1990年代には乗車中死者数は歩行者死者数の約1.7倍にまで増加したが、1990年代に自動車アセスメントが開始され、エアバッグ衝撃吸収ボディ、プリテンショナー(衝突時締付け)機能つきシートベルトなどといった車両側の安全装備の向上の取り組みが行われ、2008年から歩行者の死者数を下回っている。また、厳罰化等により飲酒運転等の危険運転も減少し、死者数の減少に繋がった。死者数は1996年に再び1万人を割り、2004年には7425人にまで減少し第二次交通戦争と言われる状況は終了した。一方で事故辺りの死亡率は減少したにもかかわらず、事故発生率自体は減少しなかったため、事故発生件数は逆に増加し、同年には史上最多となる95万2709件となった。

2010年代 ? 交通事故率そのものの減少による交通事故発生件数の減少、交通事故死者数の減少
2012年から約30年間にわたり、約160?120(件/億キロ)の範囲で横ばいだった死傷事故率は、120(件/億キロ)を切り、交通事故発生率が減少し始めた。2016年にはおよそ85.3(件/億キロ)程度まで減少した[42]。それに伴い、交通事故発生件数、交通事故死者数共に減少を続けている。約30年間にわたり横ばいだった交通事故発生率が減少し始めた要因は、第二次交通戦争時はエアバッグのような事故が起きた際に被害を軽減するパッシブセーフティが安全対策として普及したのに対して、2010年代に入り事故そのものを未然に予防するアクティブセーフティが普及しだした事が挙げられる。2010年頃から横滑り防止装置衝突被害軽減ブレーキなどが普及しだしており、2014年には自動車アセスメントに予防安全性能アセスメントが追加されている。2016年には年間交通事故による死亡者数が1949年の67年ぶりに3000人レベルにまで減少して、飲酒運転の取り締まりと交通安全文化の普及で交通事故死亡者が最も多かった時期に比べると4分の1の水準に減少した。さらに全交通事故の発生件数も2015年より7.1%減の49万9232件だった[43]。 2017年度には自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)などの事故を減らす技術の普及で事故率が下がったという理由で、自賠責保険料が引き下げされている[44]。2019年4月の東池袋自動車暴走死傷事故を契機に、高齢者の免許返納の動きが加速した[45][46]2021年4月8日には、1日ごとの交通事故の統計を取り始めた1968年以降初の交通事故死者数が0となってる。更に、その日は死亡事故が無く、前日の交通事故を理由としたけがによる死亡も無かった[47][48]
交通事故が多い産業

傾向として、運輸業や卸売業など、業務に車を使用する産業で事故が起きやすい。

営業販売中の場合、卸売業の事業所の33.1%、道路旅客運送業の事業所の34.7%で交通事故が発生している(全体では、13.5%)

配送作業中の場合、道路貨物運送業の事業所の53.3%、卸売業の事業所の20.6%で交通事故が発生している(全体では、13.8%)

出典:「労働安全衛生基本調査(2000年)」(厚生労働省[49]
交通事故が多い都道府県

警察庁「令和5年中の交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等について」[25]
東京都 31,385件

大阪府 25,951件

愛知県 24,547件

神奈川県 21,870件

福岡県 20,173件

静岡県 18,662件

埼玉県 17,002件

兵庫県 16,281件

千葉県 13,564件

群馬県 10,038件

なお、人口10万人当たり交通事故発生件数は以下の通りである 。
群馬県 524.7件

静岡県 521.0件

福岡県 394.3件

佐賀県 392.5件

宮崎県 331.6件

愛知県 327.5件

香川県 325.6件

兵庫県 301.4件

大阪府 295.5件

徳島県 282.2件

交通事故が多い高速道路

警察庁交通局「平成25年度中の交通事故の発生状況」より

首都高速道路 1,361件

阪神高速道路 1,131件

東名高速道路 746件

九州自動車道 488件

名神高速道路 475件

東北縦貫自動車道 473件

山陽自動車道 445件

近畿自動車道(東名阪) 403件

中央自動車道 376件

中国縦貫自動車道 312件


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:111 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef