交流電流
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高調波 - 交流信号の周波数成分のうち、基本波を除いたもの。交流信号では高調波のそれぞれの周波数は基本波の周波数の自然数倍になる。純粋な正弦波には含まれない。

歪率 - 高調波の電力の総和を基本波の電力で割ったもの。正弦波では歪率はゼロとなる。

交流の利用
交流発電

交流発電では、一般に正弦波を発生させる[注 2]

発電所船舶あるいは大型航空機[注 3][2] などの発電機は交流発電機を用いる。必要な電力量が多い場合、発電機は通常三相交流発電機を利用する。自動車の電装オルタネーターは単相である。
交流送電

発電所で発電された電力は、送電のために特別高圧変圧器変電され交流送電される。交流は変圧が容易であるため、遠方へ簡単に送電できるという特長がある。一方で、直流送電には無効電力がないなど大規模な電力を長距離に送電する場合に利点があり、海底や地中での送電ケーブルでの送電では、整流器インバータを使用した直流送電が利用される。

交流の配電で用いられる電気方式は三相4線式三相3線式単相3線式などがある。

電力会社が供給する交流の商用電源の周波数は国によって違い、60Hzまたは50Hzである。日本では歴史的経緯から同一国内に2種類の周波数が混在しており、概ね本州中央部を境に西が60Hz、東が50Hzを採用する。詳しくは商用電源周波数を参照のこと。
交流機器

交流モーターには整流器が通常は不要である。しかし単相交流誘導モーターにはコンデンサー(コンデンサ)が必要である。
蓄電

交流は常に極性が変わるため、化学変化を利用して一方向へ電気を送ることで放電蓄電を行う電池に用いることはできず、交流のまま電気を貯めておくことができない。全ての電池の出力直流であることはもちろん、二次電池充電にも交流電源はそのまま使えず、整流が必要となる。

整流せずに交流機器のみで電力の出し入れを行う場合は、揚水発電フライホイール・バッテリーなど、一旦位置エネルギー運動エネルギーに置き換える必要がある。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ ボルトアンペアをかけたもので、ワットに等しいが、皮相電力を表すことを示すために区別して用いられる。
^ 発電ではないが、無停電電源装置には停電時に矩形波を発生させるものもある。
^ レシプロ機などの小型機は今も直流発電機ダイナモ)を使用する。また昭和初期までの古い船舶、1960年代までの自動車も直流発電機であった。なお、一定の周波数で発電することが非常に重要な航空機などは、発電用エンジンの回転数変化の影響をなくすために定速駆動制御装置 (CSD : constant speed-drive unit) などによって規定の周波数を維持しなければならない。

出典^ a b 日本国語大辞典,世界大百科事典内言及, ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,デジタル大辞泉,百科事典マイペディア,世界大百科事典 第2版,日本大百科全書(ニッポニカ),精選版. “交流とは”. コトバンク. 2021年3月16日閲覧。
^定速駆動制御装置 - 日本航空・航空実用辞典 > 電気系統(更新日不明/2017年3月8日閲覧)

参考文献

飯島重孝; 西尾和憲『電気回路入門』(1版)槇書店、1990年。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 4-8375-0541-4。 

電気学会編 編『電気回路論 改訂版』(41版)オーム社、1993年。 

関連項目

直流

力率 - インピーダンス - アドミタンス


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