subspecific epithet(サブスピシフィク エピセトゥ)は、「亜種の形容語」を意味する学術的国際共通語(英語名)[3][7]であり、植物学や細菌学で用いられる[7]。日本語では、植物学で「亜種小名」[3][7]、細菌学で「亜種形容語」[7]というほか、「亜種名」ともいうが[7]、学術的国際共通語ではここに列記した全ての用語は明確に区別されている[3][7]。
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日本の学術用語「亜種」は、[ ja:〈分類学上の〉亜 (= la: sub-) +〈分類学上の〉種 (= la: species) ]という語構成になっており、つまりは、リンネ式分類階級上の「種」の下に位置付けられることを含意している。 日本の学術用語「亜種名(あしゅめい)」は、「亜種の名」の意味で、上述した subspecies name を指すほか、subspecific name にも subspecific epithet にも用いられる。 日本の学術用語「亜種小名(あしゅしょうめい)」は、「亜種の小名」の意味で、動物学では subspecific name を、植物学では subspecific epithet を指す。 日本の学術用語「亜種形容語(あしゅけいようご)」は、「亜種の形容語」の意味で、細菌学における subspecific epithet を指す。 日本の学術用語「基亜種(きあしゅ)」は、「新種記載を行う際に、その生物を定義するための記述の拠り所となった亜種」の意味で、タイプの一種。原亜種、原名亜種、名義タイプ亜種とも呼ばれる。これらの名称には「基」や「原」とつくため、分化の元となった亜種と解釈されがちであるが、原種という意味ではなく、俗にタイプ標本として提出された個体の亜種のことと解釈される。正確には種に複数の亜種がいるときに、その種が学会に発表されたときにその種のタイプ標本として提出され、かつ新種記載のとき拠り所とされた個体が属する亜種のことを指す。一般に基亜種はその種の亜種のうち最も古くに記載された亜種が採用されるが、新種記載時に複数の亜種が同時に発表されたときは、一般にその種なかで最も分布域が広いまたは個体数が多い亜種が選ばれる。このため、種が発表されたのちに複数の亜種が確認された場合、基亜種が他の亜種より世間一般的に知られていないことがある。基亜種の亜種小名は種小名と同一となる。 亜種の学名は、リンネの二語名法(二名法)を基に考案された三語名法(三名法)に則ったもので[8]、属名・種形容語(細菌以外で用いる種小名、細菌で用いる種形容語)・亜種形容語(細菌以外で用いる亜種小名、細菌で用いる亜種形容語)の3語で構成される[4]。ただ、厳密には、三語名法というのは、「種形容語の後に続けて亜種形容語を記す、変則的二語名法」であるというのが、学会の見解である[8]。 特定の亜種を学名として記述する際は、略号を種形容語(広義)と亜種形容語(広義)の間に置くのが基本形である。 ただし、動物学では亜種形容語(広義)の後にそれぞれの記載者名を記し、最後にその名の記載年を記すのが最も正確な学名である。
亜種名
亜種小名
亜種形容語
基亜種
学名の記述
三語名法
例:我々(現生人類)を亜種のレベルまで分類できると考える学説(我々をHomo sapiens
略号の用法
例:Cryptotaenia canadensis subsp. japonica(標準和名〈以下同様〉:ミツバ)
例:Oncorhynchus masou subsp. rhodurus(ビワマス)
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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