五輪塔
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餓鬼草紙(東京国立博物館本)に描かれた五輪塔(左下)

東大寺(伴墓)五輪塔(伝重源墓塔)

五輪塔の意義モダンな現代の五輪塔(京都型からの変形)

仏教で言う塔(仏塔)とは、ストゥーパ(卒塔婆)として仏舎利と同じような意義を持っている。しかし、小規模な五輪塔や宝篋印塔、多宝塔(石造)は当初から供養塔や供養墓として作られたのであろう。中世の一部五輪塔には、地輪内部に遺骨等を納めたものが現存する。また、供養塔・供養墓としての五輪塔は全国各地に存在し、集落の裏山の森林内に、中世のばらばらになった五輪塔が累々と転がっていたり埋もれていたりすることも稀ではない。現在多くの墓地で見られるような四角い墓は、江戸中期頃からの造立であるが、現在でも多くの墓地や寺院で一般的に五輪塔は見ることができる。覚鑁は経典の記述に基づき、五輪を人の五体になぞらえた図を残している(下図参照)。これが入定の姿と解されて墓塔や供養塔として多用されたものと考えられる。
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出典検索?: "五輪塔" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2017年12月)
「五輪九字明秘密釈」の挿絵に五輪塔を合成

覚鑁著作の『五輪九字明秘密釈』とは、「五輪」つまりア・バ・ラ・カ・キャ(胎蔵界の大日如来の真言)と 「九字」つまりオン・ア・ミリ・タ・テイ・セイ・カ・ラ・ウーン(阿弥陀仏の真言)との 「明」つまり真言についての「秘密釈」つまり密教的解釈という意味である。

『五輪九字明秘密釈』には胎蔵界曼荼羅の解釈から阿弥陀仏極楽浄土と大日如来の密厳浄土は本質的には同じものであり、釈迦弥勒菩薩毘廬遮那仏など他の仏やそれぞれの浄土も本質的には同じものであり、往生と即身成仏も本質的には同じものと書かれている。それは五輪塔が宗派を超えて成仏できる仏塔であることを意味する。

五輪塔の円形=水輪は胎蔵界の大日如来のを表し、三角形=火輪は金剛界の大日如来の印を表している。これは五輪塔が五大に加え空海が『即身成仏儀』に書いた識大をも併せ持つ六大の意味を持つということである。識大とは仏と一体になることを意味し、成仏することを意味する。2つの印を結ぶということはまた、五輪塔が金剛界と胎蔵界の2つの曼荼羅を併せ持つ立体曼荼羅であることをも意味する。

また、五輪塔は成仏するための3つの行い密教の三密を併せ持つ。三密には身密、口密、意密がある
身密=手に印を結ぶ。五輪塔は胎蔵界と金剛界の大日如来の印を結ぶ。

口密=口で「真言」「陀羅尼」をとなえる。五輪塔に真言を彫ることにより、死者が真言をとなえる形になる。

意密=心を集中して「三摩地」の境地に入らせる(座禅をすること)。

五輪塔は、方形=地輪が人が脚を組む形、円形=水輪、三角形=火輪が印を結び、半月形=風輪が顔、宝珠形=空輪が頭と、人が座禅をする形をとっている。これは『大日経疏秘密曼荼羅品』や『尊勝仏頂脩瑜伽法軌儀』の記述を図解したものと考えられる(「金剛輪臍已下」「大悲水輪臍中」「智火輪心上」「風輪眉上」「大空輪頂上」)。

『五輪九字明秘密釈』により宗派を超え、幾重にも成仏の形を持つのが五輪塔の構造や概念と言える(参考資料 小畠広充監修編著『日本人のお墓』)。なお、この著がしばしば五輪塔の起源であるかのように引用されるが、上に述べたようにこの著以前に五輪塔は出現しており、その普及に大いに寄与したと言えても起源とするのは適切でない。
宗派と五輪塔
真言宗

真言宗においては、五輪塔が密教思想から出たところから容易に察せられるように、墓塔として五輪塔を建てることは一般的である。
浄土真宗

浄土真宗では、「五輪塔」やそれを簡略化し薄板で作った「卒塔婆」は用いないとされる。浄土真宗では、先祖供養の教義概念が無いためである[4]。浄土真宗の宗祖とされる親鸞は、「閉願せば、(遺骸を)鴨川にいれて魚にあたうべし」と遺言したと伝えられている[5]が、実際には、弟子たちにより埋葬され、簡素な墓石を東山・大谷に建てられた。その墓石の形状は、西本願寺蔵・専修寺蔵の「御絵伝」には笠塔婆型で、比叡山の横川にある源信の墓を模したものと考えられる[6][7]。しかし、高野山奥の院親鸞墓所にある親鸞供養塔は五輪塔であり、しかも鎌倉期にしか見られない三角五輪塔である。
恵信尼

親鸞の妻である恵信尼のものとされる墓も五輪塔である。恵信尼は生前、『恵信尼消息』第8通に「五重に候う塔」を作ったと記し、1956年新潟県上越市板倉町米増にある「比丘尼墓」と呼ばれてきた五輪塔がそれであると同定された[8]1963年に整備され、2005年に「ゑしんの里記念館」建設にあわせて設備が一新された[8]
時宗


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