五大湖周辺は北アメリカ有数の工業地帯であり、湖岸には五大湖・セントローレンス水路の港湾都市が多数発達している。また、全般的に夏に冷涼であることから、避暑地・保養都市も点在する。五大湖沿岸はアメリカ合衆国最大の都市的地域のひとつとなっており、オンタリオ湖南岸のロチェスターから、エリー湖南岸のバッファロー、エリー、クリーブランド、トレド、そしてデトロイトと、人口10万人以上の規模の都市が連続して存在する。ミシガン湖の南西岸には五大湖岸最大の都市であるシカゴが存在し、ゲーリーなどのシカゴ都市圏に含まれる都市や、シカゴ都市圏と半ば連続した都市圏を形成するミルウォーキーといった大都市が集中している。五大湖岸の重要性はカナダにおいてはさらに高く、エリー湖北岸からオンタリオ湖北岸を通りセントローレンス川の河口までの線は、カナダの人口の実に半分以上が集中する一大産業地帯となっている。カナダの五大湖岸最大の都市はトロントであるが、トロントは同時にカナダ最大の都市でもある。オンタリオ湖北東端にあるキングストンからオシャワ、トロント、ハミルトン、エリー湖西端にありデトロイトと隣接するウィンザーなどの都市がこの地域に点在している。また、この二つの大都市列は湖を挟んで隣接しており、アメリカ・カナダ両国間に移動の障害が存在しないことから、事実上大都市圏として一体化しており[7][8]、五大湖メガロポリスと呼ばれる人口集中地帯を形成している。
一方、人口の集中するエリー湖、オンタリオ湖、ミシガン湖南部と異なり、ヒューロン湖、スペリオル湖、ミシガン湖北部には目立った都市は数えるほどしかなく、人口密度も非常に低い。
五大湖岸に存在する100万都市はシカゴとトロントの2つであり、このほかデトロイト、ミルウォーキー、クリーブランド、バッファローはかなりの大きさの都市圏を持つ。
以下に列挙するのは五大湖岸にある著名な都市である。
スペリオル湖
ダルース(ミネソタ州) - 五大湖の西端に位置し、五大湖・セントローレンス水路における水上交通の起点となる港湾都市で、メサビ鉄山からの鉄鉱石の積出港。隣接するウィスコンシン州スペリオル市とともにスペリオル湖岸最大の都市圏(人口約27万人)を形成する。
サンダーベイ(オンタリオ州) - 市域人口ではダルースをしのぎ、スペリオル湖岸で最大である。
スー・セント・マリー(オンタリオ州およびミシガン州にある双子都市) - スー・セント・マリー運河の閘門で知られる。
マーケット(ミシガン州) - ミシガン州北西部、アッパー半島の最大都市。もとは鉄鉱石の鉱業都市・港湾都市であったが、近年では避暑やスキーなどリゾート地としても賑わう。
ミシガン湖
シカゴ(イリノイ州) - ミシガン湖南端に位置する。五大湖水運の南端にあたり、ミシシッピ川水系運輸との結節点である。アメリカ第3の都市で五大湖周辺では最大の都市。
ミルウォーキー(ウィスコンシン州) - 醸造業で知られる。ミシガン湖畔ではシカゴに次ぐ大都市である。
グリーンベイ(ウィスコンシン州)
ゲーリー(インディアナ州)
トラバースシティ(ミシガン州) - ミシガン州北部の保養都市。
ヒューロン湖
ヒューロン湖岸は人口の密度が低く、目立った保養・観光都市もない。人口数千人?3万人ほどの小都市・町村がほとんどである。
サーニア(オンタリオ州) - ヒューロン湖南端に位置する。ヒューロン湖周辺では最大の都市であるがそれでもその人口は7万人ほどに過ぎない。
エリー湖
デトロイト(ミシガン州) - 世界の自動車産業の中心を長く担ってきた工業都市である。
ウィンザー(オンタリオ州) - デトロイトの対岸に位置する国境の町。
トリード(オハイオ州)
サンダスキー(オハイオ州) - シダーポイントをはじめ、数多くのテーマパークを抱えるエリー湖岸きってのリゾート地。
クリーブランド(オハイオ州)
エリー(ペンシルベニア州)
バッファロー(ニューヨーク州)