二項係数
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下降階乗冪で書けば ( n k ) = { n k _ / k ! if    k ≤ n 2 n n − k _ / ( n − k ) ! if    k > n 2 {\displaystyle {\binom {n}{k}}={\begin{cases}n^{\underline {k}}/k!&{\text{if }}\ k\leq {\frac {n}{2}}\\n^{\underline {n-k}}/(n-k)!&{\text{if }}\ k>{\frac {n}{2}}\end{cases}}}

と書ける。
一般化および二項級数

乗法表示を用いれば、n を任意の数 α(負の整数、実数、複素数、……)あるいは任意の整数が可逆となるような可換環の元に取り換えて、 ( α k ) = α k _ k ! = α ( α − 1 ) ( α − 2 ) ⋯ ( α − k + 1 ) k ( k − 1 ) ( k − 2 ) ⋯ 1 {\displaystyle {\binom {\alpha }{k}}={\frac {\alpha ^{\underline {k}}}{k!}}={\frac {\alpha (\alpha -1)(\alpha -2)\cdots (\alpha -k+1)}{k(k-1)(k-2)\cdots 1}}}

により二項係数の定義を拡張することができる[注 1]。この定義により、二項定理(の一方の変数を 1 としたもの)も一般化して ( 1 + X ) α = ∑ k = 0 ∞ ( α k ) X k {\displaystyle (1+X)^{\alpha }=\textstyle \sum \limits _{k=0}^{\infty }{\dbinom {\alpha }{k}}X^{k}} (2)

と書くことができる。故にこの場合も (α
k) を二項係数と呼ぶことは正当化される。この等式は任意の複素数 α と |X| < 1 なる X に対して有効である。これはまた X を不定元とする
形式冪級数の等式としても解釈でき、それは実際に定数係数 1 を持つ級数の任意の冪の定義として機能する。この定義を用いるポイントは、冪乗として満足することが期待される全ての恒等式(指数法則)、特に

( 1 + X ) α ( 1 + X ) β = ( 1 + X ) α + β , {\displaystyle (1+X)^{\alpha }(1+X)^{\beta }=(1+X)^{\alpha +\beta },}

( ( 1 + X ) α ) β = ( 1 + X ) α β {\displaystyle ((1+X)^{\alpha })^{\beta }=(1+X)^{\alpha \beta }}

が満足されることである。α が非負整数 n のとき、k > n なる全ての項は零であり、上記の無限級数は有限和となり、したがってもともとの二項定理が再び得られる。しかし α がそれ以外の値ならば、負の整数や有理数の場合も含めて、上記の級数は実際に無限和になる。
パスカルの三角形パスカルの三角形の第1000 行に並ぶ二項係数を縦に並べたもの。各二項係数を十進表示し、その各桁の数字を0-9に応じたグレイスケールの点で表してある。画像の左の境界は二項係数の対数グラフにほぼ対応しており、これらが対数凹列(英語版)であることが見て取れる。詳細は「パスカルの三角形」を参照

パスカルの法則(英語版)は重要な漸化式 ( n k ) + ( n k + 1 ) = ( n + 1 k + 1 ) , {\displaystyle {\binom {n}{k}}+{\binom {n}{k+1}}={\binom {n+1}{k+1}},} (3)

で、これを用いて (n
k) が任意の自然数 n, k に対して自然数となること(別な言い方をすれば、連続する k-個の整数の積を k! が割り切ること)を
帰納的に示すことができる。これは定義 (?) や乗法表示からは直ちに明らかなことではない。

パスカルの法則からパスカルの三角形が生じる:

0:1
1:11
2:121
3:1331
4:14641
5:15101051
6:1615201561
7:172135352171
8:18285670562881

番号 n の行には (n
k) の値が k = 0, …, n に対して並べられている。これを書くには、一番外側の 1 から始めて、常に隣り合う2項を加えた数をその真下に書いていけばよい。この方法によって、分数や乗算を使わずに二項係数を手早く計算することができる。

例えば三角形の5行目を見れば(x + y)5 = 1 x5 + 5 x4y + 10 x3y2 + 10 x2y3 + 5 x y4 + 1 y5

が直ちに読み取れる。

他の対角線上の数との差は、上記漸化式 (3) の帰結として、一つ前の対角線上の数である。
解釈

二項係数はよくある数え上げ問題の簡明な公式を与えるという意味で組合せ論において重要である。

n-元集合から k-元を選ぶ方法の総数は (n
k) である(組合せを参照)。

n-元集合から重複を許して k元を選ぶ方法の総数は(n + k − 1


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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