予算は、予算総則、歳入歳出予算、継続費、繰越明許費及び国庫債務負担行為とする(財政法第16条)。
内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない(憲法86条)。予算を国会に提出する権能は内閣にあり(憲法73条第5号)、財務省が各省庁と協議の上作成し、閣議決定された後、1月中に国会に提出される(財政法第27条)。
予算は衆議院に先に提出しなければならない(憲法60条第1項)。参議院で衆議院と異なった議決をした場合に両院協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が衆議院の可決した予算を受け取った後に国会休会中の期間を除いて30日以内に議決しないときは、衆議院の議決が国会の議決となる(日本国憲法第60条第2項)。
予算が成立したときは、内閣は、国会の議決したところに従い、各省各庁の長に対し、その執行の責に任ずべき歳入歳出予算、継続費及び国庫債務負担行為を配賦する(財政法第31条)。各省各庁の長は、歳出予算及び継続費について、各項に定める目的以外に使用することはできない(財政法第32条)。
戦後、特に旧大蔵省時代は政府予算案の公開とともに、予算総額の数字の並びを用いて、旧大蔵省が語呂合わせを発表するのが恒例行事であった。好印象の言い回しで希望的な意味合いを持たせ、予算の広報と話題作りを狙ったものである。さらに、このニュースに合わせて報道機関各社が別途独自に語呂合わせを作ることもある。こちらの場合は、皮肉を込めたものが多い。現在でも、地方自治体のなかには、予算決定とともに語呂合わせを発表する所がある(大蔵省による一般会計予算の語呂合わせを参照)。 地方公共団体の予算の考え方については、国の予算とほぼ同じである。この節で、地方自治法は条数のみ記載する。 アメリカ合衆国の連邦予算 イギリスの国家予算は統合国庫資金と国家貸付資金で構成される[30]。統合国庫資金は日本でいう一般会計、国家貸付資金は日本でいう財政投融資計画に相当する[30]。会計年度は4月?3月である[30]。統合国庫資金の議定費は議定費歳出法という法律として成立する[30]。統合国庫資金の既定費と歳入見積り及び国家貸付資金は議会による議決の対象となっていない[30]。予算編成権は内閣に専属しているが、慣例で法案はすべて議員提出となっており、予算法案も大蔵大臣の名で提出される形式となっている[30]。予算は下院に先議権がある[30]。 ドイツの国家予算は総予算と個別予算で構成される[30]。総予算は予算一覧、資金調達一覧、信用資金計画で構成される[30]。省庁別の歳入や歳出などが個別予算の内容となる[30]。会計年度は1月?12月である[30]。予算は法律(予算法)の形式で成立する[30]。予算法には歳入歳出額が示され付録として総予算が添付される[30]。個別予算は議決対象ではあるが形式的には予算法の一部とはされておらず公布手続もない[30]。予算編成権は内閣に専属しており、予算法案は連邦議会と連邦参議院に同時に提出される[30]。
地方予算
総計予算主義一会計年度における一切の収入及び支出は、すべてこれを歳入歳出予算に編入しなければならない(第210条
予算の提案等長は、毎会計年度予算を調製し、年度開始前に、議会の議決を経なければならない。この場合において、長は、遅くとも年度開始前、都道府県及び指定都市にあつては30日、その他の市及び町村にあつては20日までに当該予算を説明書と共に議会に提出するようにしなければならない(第211条)。議会は、予算について、増額してこれを議決することが出来るが、長の予算の提出の権限を侵すことはできない(第97条2項)。予算を議会に提出する権限は、地方公共団体の長に専属し、議会及び他の執行機関(教育委員会、選挙管理委員会などの委員会)は、予算の提案権はない。地方公営企業については、公営企業の管理者が予算原案を作成し、地方公共団体の長が予算を調製し、議会に提案する(地方公営企業法第24条)。
予算の内容(第215条)
歳入歳出予算予備費(第217条)
継続費経費をもつて支弁する事件でその履行に数年度を要するものについては、予算の定めるところにより、その経費の総額及び年割額を定め、数年度にわたつて支出する経費(第212条)。
繰越明許費歳出予算の経費のうちその性質上又は予算成立後の事由に基づき年度内にその支出を終わらない見込みのあるものについて、翌年度に繰り越して使用する経費(第213条)。
債務負担行為
地方債
一時借入金
歳出予算の各項の経費の金額の流用
アメリカ合衆国の予算制度
イギリスの予算制度
ドイツの予算制度