決算では歳入が歳出を上回ることが普通であり、歳入不足が生じるようなときでも補正予算などで対処されるので結果として歳入が歳出を上回る[17]。しかし、会計年度の終了間際になって歳入不足が明らかとなったような場合には、補正予算では対処できないため1977年度からは決算調整資金制度が設けられている[17]。
歳計余剰金は翌年度予算の歳入に繰り入れられるが、純余剰金の2分の1を下回らない金額を翌々年度までに国債の償還財源に充当することとなっている[17]。 大日本帝国憲法(明治憲法)でも国の歳出歳入は毎年予算をもって帝国議会の協賛を経ることとされていた(第64条第1項)[1]。しかし、憲法上の既定費・法律費・義務費は政府の同意なくして廃除削減することができず(第67条)、常額以内の皇室費も議会の協賛を要しないとされていた(第66条)[1]。予算議決権そのものの例外として緊急財政処分(第70条)や前年度予算執行の制度(第71条)があり、政府に対する議会の地位は低く財政に関する議会の権限も弱いものとなっていた[1]。 普通地方公共団体の長は、毎会計年度予算を調製し、年度開始前に、議会の議決を経なければならない。この場合において、普通地方公共団体の長は、遅くとも年度開始前、都道府県及び政令指定都市にあつては30日、その他の市及び町村にあっては20日までに当該予算を議会に提出するようにしなければならない(地方自治法第211条第1項)。 普通地方公共団体の長は、予算を議会に提出するときは、政令で定める予算に関する説明書をあわせて提出しなければならない(地方自治法第211条第2項)。 予算は歳入歳出予算や継続費、繰越明許費などからなる(地方自治法第215条)。
大日本帝国憲法での国家予算
予算の歴史
1955年度:標準予算の制度を導入[18]。
1961年度:各省庁の概算要求に上限枠(シーリング)が設けられる[19]。
1977年度:決算調整資金制度を導入
1982年度:ゼロ・シーリングとなる[19]。
1983年度:マイナス・シーリングとなる[19]。
1985年度:各省庁の概算要求の上限枠が概算要求基準という名称となる[19]。
2001年度:経済財政諮問会議を設置[20]。
地方予算
予算の調製及び議決
予算の内容
歳入歳出予算歳入歳出予算は、歳入にあっては、その性質に従って款に大別し、かつ、各款中においてはこれを項に区分し、歳出にあっては、その目的に従ってこれを款項に区分しなければならない(地方自治法第216条)。また歳入歳出予算として、一般会計には必ず、特別会計には任意で、予備費を計上する(地方自治法第217条)。
継続費普通地方公共団体の経費をもつて支弁する事件でその履行に数年度を要するものについては、予算の定めるところにより、その経費の総額及び年割額を定め、数年度にわたつて支出することができる(地方自治法第212条)。
繰越明許費歳出予算の経費のうちその性質上又は予算成立後の事由に基づき年度内にその支出を終わらない見込みのあるものについては、予算の定めるところにより、翌年度に繰り越して使用することができる(地方自治法第213条)。
債務負担行為歳出予算の金額、継続費の総額又は繰越明許費の金額の範囲内におけるものを除くほか、普通地方公共団体が債務を負担する行為をするには、予算で債務負担行為として定めておかなければならない(地方自治法第214条)。
地方債
一時借入金
歳出予算の各項の経費の金額の流用
脚注[脚注の使い方]^ a b c d e “「財政(特に、国民負担率の問題を含む社会保障の財源問題、国会による財政統制) 」に関する基礎的資料
^ a b c 横山彰、馬場義久、堀場勇夫『現代財政学』有斐閣、2009年、52頁。
^ 横山彰、馬場義久、堀場勇夫『現代財政学』有斐閣、2009年、46頁。
^ 「予算 6年連続100兆円超112兆円:112兆円決定 少子化対策強化
^ 横山彰、馬場義久、堀場勇夫『現代財政学』有斐閣、2009年、52-53頁。
^ a b c d e 横山彰、馬場義久、堀場勇夫『現代財政学』有斐閣、2009年、54頁。