乾電池
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その後、機器の低電圧化や省力化により、使用者が機器ごとに乾電池をいくつか組み合わせて必要な電圧を得て使うように乾電池の単体で販売されるようになる[1]

日本では戦時下の1942年にDセルを「単1形」、Cセルを「単2形」の呼称とすることが定められた。ただし現在では通称であり、この名称を使用しているのは日本だけである。その後、日本では現在までにさらに容量を小さくした「単3形」「単4形」「単5形」を加えた5種類が商品化されている[1]

この「単x形」の呼称は現在は形状互換を指すときのみに使われる。電解質を従来のマンガン電池からよりエネルギー密度の高い材質に変えたアルカリマンガン電池でも、単位電池の公称電圧は1.5Vだが、その後に充電で再利用可能を謳って発売されたニッケル・カドミウム電池では、形状こそ単1形や単3形と互換性をもたせた製品があるが、公称電圧は1.2Vしかないため使用には注意を要する場合がある[注釈 1]
代表的な規格

日本では国際規格「IEC 60086」を元にJIS C 8500を制定、2017年に改正した規格の一部(廃れた規格もあるため)を記載する[2]。なお8501、8511、8512は廃止(JIS C 8515に統合)となった[3]。「IEC 60086」および「:en:List of battery sizes」も参照

各名称とサイズ[4][5][6]名称・通称寸法(mm)
[注釈 2]備考
IEC日本アメリカその他高さ直径・幅
R20単1形DMono61.5(直径)
34.2
R14単2形CBaby50.0(直径)
26.2
R6単3形AAMignon50.5(直径)
14.5
R03単4形AAAMicro44.5(直径)
10.5
R1単5形NLady30.2(直径)
12.0


R8D425
(マンガン)

LR8D425
(アルカリ)
N/AAAAA

単6形
(備考参照)

Mini
42.5(直径)
8.3JIS C 8515:2017において、形状仕様は存在するが「単6形」とは明記されていない。
電子回路を内蔵するペンのバッテリーなどで採用されていたが、日本国内で*R8D425の流通はほとんど無い[7]
R61の素電池より少し大きい。(R61は高さ39mm、直径7.8mm)
R44N/AN/A

LR44
(アルカリ)

PR44
(空気亜鉛)

SR44
(酸化銀)
5.4(直径)
11.6円形の電池。仕様上で呼び分けることは無いが「ボタン型電池」とも呼ばれる。
LR44、PR44、SR44それぞれサイズは同じだが僅かに公称電圧が異なる。
F229VNine-volt, PP3

6F22
(マンガン)

6LR61
(アルカリ)

006P
(JIS旧規格)
48.5(幅)
13.5代表的な平形の積層乾電池。
缶の中で1.5vの素電池を6個直列つなぎ、9vを出力している。
負極側に6角形状のスナップ端子が採用される。

乾電池の種類と記号[4][5]電池系
記号電池名称正極電解液負極公称電圧(V)備考
(なし)マンガン乾電池二酸化マンガン(MnO2)塩化アンモニウム酸化亜鉛亜鉛(Zn)1.50最小平均持続時間が異なる場合、以下の「追加記号」で示す。
S - 標準
P - 高性能
C二酸化マンガン
リチウム乾電池
二酸化マンガン(MnO2)リチウム塩、有機電解液リチウム(Li)3.00型式が「CR」で始まる円形の電池。日本では「コイン電池」とも呼ばれる。
F二硫化鉄
リチウム乾電池
二硫化鉄(FeS2)リチウム塩、有機電解液リチウム(Li)1.50最高開回路電圧が1.8 V 程あり、一部の機器では非推奨[8]
Lアルカリマンガン乾電池二酸化マンガン(MnO2)アルカリ金属の水酸化物、水亜鉛(Zn)1.50
P空気亜鉛電池二酸化マンガン(MnO2)アルカリ金属の水酸化物、水酸素(O2)1.40
S酸化銀電池酸化銀(Ag2O)アルカリ金属の水酸化物、水亜鉛(Zn)1.55
Zニッケル乾電池オキシ水酸化ニッケル(NiOOH)アルカリ金属の水酸化物、水亜鉛(Zn)1.50主にデジカメ用として東芝、SONY、パナソニックなどが販売していた。パナソニックのみ一般向けとして存続を狙ったが失敗。後継のオキシライド乾電池も生産終了している。

型式と読み方積層電池(F22/9V)に内蔵されている素電池形状の違い。

型式の読み方[4][5]12345

0

0

0

0

0

0

0

0

1. 直列した電池の数無い場合は省略し、平形の乾電池のように内部に複数の電池が直列に繋がってる場合、その数が記載される。2. 電池系記号マンガン乾電池のように「なし」の場合は省略する。乾電池の種類と記号を参照。3. 形状記号

R - 円筒形や円形(ボタン型、コイン型も同様)

F - 平形

S - 角形
4. 形式記号 直径記号 / 高さ記号(円形のみ)ミリ単位で記載される。円形記号と高さ記号については下表「直径の記号と高さの記号」に記載。5. 追加記号追加事項

直径の記号と高さの記号(上記「4. 形式記号」)[5]最大直径の小数点第1値記号高さの小数点第2値記号


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