乾電池の種類と記号[4][5]電池系
記号電池名称正極電解液負極公称電圧(V)備考
(なし)マンガン乾電池二酸化マンガン(MnO2)塩化アンモニウム、酸化亜鉛、水亜鉛(Zn)1.50最小平均持続時間が異なる場合、以下の「追加記号」で示す。
S - 標準
P - 高性能
C二酸化マンガン
リチウム乾電池二酸化マンガン(MnO2)リチウム塩、有機電解液リチウム(Li)3.00型式が「CR」で始まる円形の電池。日本では「コイン電池」とも呼ばれる。
F二硫化鉄
リチウム乾電池二硫化鉄(FeS2)リチウム塩、有機電解液リチウム(Li)1.50最高開回路電圧が1.8 V 程あり、一部の機器では非推奨[8]。
Lアルカリマンガン乾電池二酸化マンガン(MnO2)アルカリ金属の水酸化物、水亜鉛(Zn)1.50
P空気亜鉛電池二酸化マンガン(MnO2)アルカリ金属の水酸化物、水酸素(O2)1.40
S酸化銀電池酸化銀(Ag2O)アルカリ金属の水酸化物、水亜鉛(Zn)1.55
Zニッケル乾電池オキシ水酸化ニッケル(NiOOH)アルカリ金属の水酸化物、水亜鉛(Zn)1.50主にデジカメ用として東芝、SONY、パナソニックなどが販売していた。パナソニックのみ一般向けとして存続を狙ったが失敗。後継のオキシライド乾電池も生産終了している。
型式と読み方積層電池(F22/9V)に内蔵されている素電池形状の違い。
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1. 直列した電池の数無い場合は省略し、平形の乾電池のように内部に複数の電池が直列に繋がってる場合、その数が記載される。2. 電池系記号マンガン乾電池のように「なし」の場合は省略する。乾電池の種類と記号を参照。3. 形状記号
R - 円筒形や円形(ボタン型、コイン型も同様)
F - 平形
S - 角形
4. 形式記号 直径記号 / 高さ記号(円形のみ)ミリ単位で記載される。円形記号と高さ記号については下表「直径の記号と高さの記号」に記載。5. 追加記号追加事項
直径の記号と高さの記号(上記「4. 形式記号」)[5]最大直径の小数点第1値記号高さの小数点第2値記号
0.0A0.00A
0.1B0.01B
0.2C0.02C
0.3D0.03D
0.4E0.04E
0.5G0.05G
0.6H0.06H
0.7J0.07J
0.8K0.08K
0.9L0.09L
直径記号は最大直径を整数値に変換した値と、小数点第1を記号置き換え、それらを組み合わす。例:直径15.6mmの円形電池の直径記号は「15H」。
高さ記号は整数(「.」を取り除く)にする、または高さを0.01単位で表す場合は、上記の表にある記号で記載してもよい。例:高さ1.67mmの円形電池の高さ記号は「167」または「16J」。
特徴と用途
マンガン乾電池詳細は「マンガン乾電池」を参照
使用により徐々に電圧が低下するが、電流を止めると一時的に起電力が回復する。
大電流を流せないため、時計(置時計、掛時計)や(CDラジカセなどの)バックアップメモリー用のように小電流で連続動作させるもの、ドアチャイム・石油ストーブの点火&消火時臭い取り機構・デジタル体重計・電卓・各種リモコンなどのように間欠的な動作を行なうものに適する。但し機器によって、アルカリ乾電池を使うよう指示されている物もある。
マンガン電池に比して長時間安定した電圧・大電流を維持し、電流を止めると一時的に起電力が回復する。
デジタルカメラ・エレクトロニックフラッシュ・携帯テレビ・小型の携帯電話&スマートフォン充電器・バックライト付き液晶ディスプレイを備えた携帯オーディオ機器(ポータブルMD、ポータブルCDプレーヤー、ポータブルレコードプレーヤー、MP3プレーヤー、CDプレーヤー付きラジオ、ポケットラジオ、ポータブルリビングラジオ、CDラジカセ、テープレコーダー、ICレコーダー)・電動玩具(電池で動く車、電車、動物)・懐中電灯・電動シェーバー・拡声器・小型の楽器アンプ・携帯用小型扇風機など大電流で連続動作させるものや、電波時計・エアコン&温水洗浄便座のリモコン・ガス器具(ガステーブル・瞬間湯沸かし器・バランス型風呂釜など)や石油風呂釜の点火&安全装置・ワイヤレスマウス&キーボード・ワイヤレスマイクなど電圧が降下すると機能に影響したり動かなくなったりする機器に適する。
ニッケル乾電池詳細は「ニッケル系一次電池」を参照
デジタルカメラなど高電圧を要求する機器に向く。初期電圧が一般の乾電池よりも高く1.7V程度あり、負荷をかけてもそれを維持するため、特に消費電力の大きなデジタルカメラで実力を発揮する。 大容量で大電流を維持できる。また、極めて自己放電が少なく長期間の使用に耐える。 出力モーターやデジタルカメラなどからデータ保持用まで、大電流・小電流問わず使用可能。電池本体が軽く、本数を多く使用するカメラ用ストロボなどの機器にも有用。対応する温度域が広く、低温に強い。 主にカメラなどの露出計や薄型電卓の電源など。 主にカメラの露出計電源などで使われていた。 日本では1996年に製造中止、2018年から輸出入禁止となった。水銀電池の型式は「NR」「MR」の何れか[9]。 メモリの起動用電源、釣り用の浮き、フィルムカメラのデート機能、携帯ゲーム機など。 耳掛式及び耳穴式、眼鏡と一体化されている補聴器の電源として使われている。 アルカリ電池に起きやすいとされる液漏れは、過放電によって更にその確率が上がる。過放電とは、機器を作動させることができない電圧(通常0.9V が基準)になること。これにより、乾電池内に水素が急速に発生し、内圧上昇による破裂を防ぐため、安全弁が開く構造になっている。このとき水素と一緒に内液が放出される。また、マイナス側端子の損傷も原因の一つ。度重なる改良が行なわれているが、現在でも基本的にはどの電池にも起こりうる。異種電池の混用によって、先に寿命を迎えた電池が過放電ないし逆充電状態に置かれて引き起こされることもある。マンガン電池が相応とされる微弱電力機器(時計など)[10][11]にアルカリ電池を入れた場合、結果的に長期間の使用となり液漏れを誘発することもある。何らかの理由でいったん液漏れが発生すると、アルカリ電池の場合は電解液が水酸化カリウム等の強アルカリのため、漏れた液に触れば化学火傷を起こし、目に入れば失明のおそれもある。また、電池の種類を問わず液漏れは金属腐食の原因となるため故障が起こりやすい。 1993年以降に発売された乾電池の多くには、使用推奨期限が刻印されている。使用推奨期限は、使用開始を推奨する期限を示したものであり、期限までに使い終わることを推奨しているわけではない。期限は製造時から数年程度が一般的。
リチウム乾電池
酸化銀電池詳細は「酸化銀電池」を参照
水銀電池詳細は「水銀電池」を参照
二酸化マンガンリチウム電池詳細は「コイン形リチウム電池」を参照
空気亜鉛電池詳細は「空気亜鉛電池」を参照
使用上の注意
液漏れ液漏れを起こした乾電池
使用推奨期限
想定されるリスクについて
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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