主人公
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他にも身分が低かったり、自分の才能に不足を感じていたり、心身の一部に傷やハンデを抱えていたりする場合がある[43][例 1]

これらの欠落はしばしば物語中で解決すべき最大の問題そのものであったり[24](「#問題を解決する者」も参照)、最大の困難に立ち向かう際に克服しなければならない臆病さや、向き合うことを避けてきた価値観などといった弱点であったりする[27]。このような欠落が、主人公を突き動かす動機や目的となる[24][43]
善人

善良な心・優しい心の持ち主や、正義の味方など。

物語の主人公はしばしば独自の道徳観や理想、正義感といった信念に基づく行動原理を持っており[27][17][28]、物語の作者が、主人公が体現する主題を肯定的に描こうとしている場合、そのような行動原理は肯定的に描かれる(「#主題の実行者」も参照)。自己中心的であったり反社会的な人物が主人公である作品でも、作中で価値ある目標に目覚めたり[27]、ある一面からは正しくないように見えても主人公なりの道徳観や信念を持っていたり[28][17]、主人公の方が人道的見地から肯定される場合がある[44]。例えばヤンキーや暴走族などを主人公とする作品でも、主人公にもいい面や優しい面もあることがアピールされるなど、読者に好感を持ってもらうための描写が組まれることがある[44]

物語の作者が主人公の行動原理に対して批判的である場合などはこの限りではない[26]。また、作品によっては常識や法律による束縛への反感や悪への憧れが物語の主題となることもあり、ピカレスク・ロマン(悪漢小説)と呼ばれるジャンルの作品では、主人公の悪性や反社会性が魅力的に描かれる[45]。中には物語半ばで悪人(悪役・敵役)と化する主人公も存在する[例 2]
特権
制作者の表明

制作者が登場人物紹介やインタビューなどにおいて、特定の登場人物を主人公であると表明する場合がある。また、制作者自らが主人公は二人(もしくはそれ以上)だと表明する場合もある。

主題の捉え方によっては、制作者が表明した主人公と、受け手が主人公として捉えている人物は一致しないことがある[例 3]。製作者の独断で主人公が決定された場合は、本編での活躍が薄い人物や、登場すらしていない人物が主人公になることもありうる[例 4]
キャストの順番「クレジットタイトル」も参照

日本ではアニメやドラマなどにおいて、クレジットタイトルのキャスト表示において主役を先頭に表示する慣習があることから、キャストの先頭に表示された人物が制作者が意図した主人公である場合が多いが、演じる人物や役者の格によって主人公役以外のキャストが先頭に表示されることも稀にあり[例 5]、連続放送の途中回から主人公役以外のキャストが先頭に表示される作品もある[例 6]。また、洋画においては役者のキャリアや、アルファベット順に表記するのが通例であり、この限りではない。
最初に登場した人物

物語の作者は、しばしば導入部で受け手を惹き付けることに最大限の注意を払う[50][51]。状況説明に時間を割きすぎることは受け手にとって好ましくなく、主人公やそれに準ずる中心人物は早い段階で登場させなければならない[50][52][53]。例えば文学作品であれば多くの場合、書き出しに続く最初の数ページで主人公が置かれている状況が説明され[50]、また早い段階で主人公の性格づけがなされる[51]。ただし、演出を優先させた方が効果的な場合などもあり[50]、作者の意図次第によってはこの限りではない[例 7]
描写の量と質

フィクションにおいては通常、脇役は主人公を引き立てるために配置され、主人公より目立たないよう意識して描写される[56]。このことから受け手は、他の登場人物より明らかに多く描写されている、または優遇されている人物が主人公であると類推することができる。また、あえて影の薄い主人公を登場させ、脇役のほうが出番が多くなる場合もある。
退場によって物語を終える


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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