中谷一郎
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2003年7月25日、放送1000回を記念した『水戸黄門』の歴代キャストが集合したTBS系列で放送された特別番組において、中谷がVTRで出演し、久々に姿を見せたが、これが事実上最後のテレビ出演となった。同年12月15日放送の『水戸黄門 1000回記念スペシャル』では過去のレギュラー出演者たちが出演したが、中谷は過去のVTRを使用する形で出演した。

2004年4月1日午前9時42分、咽頭癌のため東京都豊島区の病院で死去。73歳没[2][3]。葬儀では、2代目佐々木助三郎および5代目水戸光圀役の里見浩太朗が弔辞を読んだ。

その後、第27部限りで消えていた『水戸黄門風車の弥七役が中谷の死から3年後の2007年内藤剛志に引き継がれることとなった。

顔立ちが非常に似ているため、俳優仲間からは「ミンクさん」という愛称で呼ばれていた。
エピソード

中谷は所属する俳優座の大先輩東野英治郎に誘われて『水戸黄門』に出演することとなったが、始まる直前「そう長くは続かないな……」とつぶやいていた。理由は本人いわく「今さらやる必要があるものなのか」と疑問を持つほど古臭い代物であったこと、当時東野は悪役専門であったため観る人がいないのではという不安、主題歌「ああ人生に涙あり」のメロディが暗い、の3点。しかし本人の不安に反し、東野黄門は第1部からシリーズを重ねるごとに視聴率が上昇していった。結果的には引き受けて良かったわけであるが、中谷はなぜ続いているかについて「レギュラーとして出演する俳優は芝居をするな」と東野からアドバイスされたからだと明かしている。

中谷によると、最初は試行錯誤の連続だったこともあって東野らレギュラー俳優も芝居をしていたが、第3部辺りになると東野が「長く続けるには芝居ばっかりしていたら飽きられる」とレギュラー俳優にアドバイスしていた。その結果、定番の印籠シーンが生まれた。また、中谷が演じた風車の弥七は、黄門一行がピンチになると風車形の手裏剣を悪人に投げつけて、屋根などから「宙返り」をしながら飛び降りてきて登場し、悪人たちと大立ち回りを演じた末に一行を救うというパターンが定着する。東野は『水戸黄門』をライフワークにすると決めていた。定番シーンをやるべきだとアドバイスしていたため、東野はかなり先を見ていたことになる。

ちなみに中谷は、東野が芝居をしない代わりに考え付いたものが、有名な「カッカッカッカッ……」という高笑いであると明かしている。

ジャイアント馬場からはプライベートで会う時も含めて、役名の「弥七」で呼ばれていた。

実家は美容院。6人兄弟の長男であり、姉は小児科医。弟は小樽ベイシティ開発社長を務めた中村憲正。
出演作品
映画

囚人船(1956年、
東宝[1]

空の大怪獣 ラドン(1956年、東宝) - 仙吉[4][1]

三十六人の乗客(1957年、東宝) - 山岡

第五福竜丸(1959年、近代映画協会+新世紀映画)

愚連隊シリーズ(東宝)

独立愚連隊(1959年) - 石井

独立愚連隊西へ(1960年) - 早川

どぶ鼠作戦(1962年) - 三好軍曹


暗黒街の対決(1960年、東宝) - 望月次席

武器なき斗い(1960年、東宝) - 本田

暗黒街の弾痕(1961年、東宝) - 小松静夫

顔役暁に死す(1961年、東宝) - 松井

用心棒(1961年、東宝) - 斬られる凶状持

暗黒街撃滅命令(1961年、東宝) - 神谷刑事

切腹(1962年、松竹) - 矢崎隼人

暗黒街の牙(1962年、東宝) - 須藤

太平洋の翼(1963年、東宝) - 中村上飛曹[4]

憂愁平野 (1963年、東京映画) - 木次茂夫

戦国野郎(1963年、東宝) - 銅子播磨

秘剣 (1963年、東宝)

男の紋章シリーズ日活) - 井沢

続男の紋章(1963年)

男の紋章 風雲双つ竜(1963年)


ああ爆弾(1964年、東宝) - 矢東弥三郎[1]

夕陽の丘(1964年、日活) - 森川

眠狂四郎(市川雷蔵版)大映

眠狂四郎女妖剣(1964年) - 武部光源

眠狂四郎多情剣(1966年) - 下曽我典馬


黒い海峡(1964年、日活)

怪談(1965年、東宝) - 貴人(「耳無芳一の話」)[5]

網走番外地シリーズ東映

続 網走番外地(1965年) - 吉山

網走番外地 望郷篇(1965年) - 猛

網走番外地 吹雪の斗争(1967年) - 南海


スパイ(1965年、大映) - 井村仙一

大菩薩峠(1966年、東宝) - 宇津木文之丞

大殺陣 雄呂血(1966年、大映) - 真壁十郎太

女は復讐する (1966年、松竹) -

兵隊やくざ 脱獄(1966年、大映) - 永井中尉

男の顔は履歴書(1966年、松竹) - 崔文喜

日本暗黒街(1966年、東映) - 巽浩介

牙狼之介 地獄斬り(1967年、東映) - 風間一角

東宝8.15シリーズ(東宝)

日本のいちばん長い日(1967年) - 黒田大尉

連合艦隊司令長官 山本五十六(1968年) - 陸軍辻参謀[4][1]

激動の昭和史 軍閥(1970年、東宝) - 佐野

激動の昭和史 沖縄決戦(1970年、東宝) - 上野参謀長[4]


ある殺し屋の鍵(1967年、大映) - 石野

肉弾(1968年、ATG) - 憲兵

鉄砲伝来記(1968年、大映)

無頼 黒匕首(1968年、日活) - 三浦健介

風林火山(1969年、東宝) - 内藤修理

人斬り(1969年、大映) - 京都所司代与力

赤毛(1969年、東宝) - ナレーター

天狗党(1969年、大映) - くらやみの長五郎

眠狂四郎卍斬り(1969年、大映) - 奥村弁次郎

極悪坊主 念仏三段斬り(1970年、東映) - 会津竹五郎

富士山頂(1970年、日活) - 岡田

殺し屋人別帳(1970年、東映) - 木口

戦争と人間 第一部 運命の序曲(1970年、日活) - 河本大作大佐

狐のくれた赤ん坊(1971年、大映) - 丑五郎

いのちぼうにふろう(1971年、東宝) - 八丁堀同心・岡島

子連れ狼 死に風に向う乳母車(1972年、東宝) - 柳生の侍

無宿(1974年、東宝) - 辰平

俺の血は他人の血 (1974年、松竹)

サンダカン八番娼館 望郷(1974年、東宝) - 山本技師


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