中華民国
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1949年12月7日以降は中華民国の中央政府機構が台北に置かれているが、中華民国政府は歴史的な経緯から台北市をあくまで臨時首都[1]、あるいは「(国共内戦に伴う)戦時首都」[2] と見なしていた。しかし、2022年に外交部が発行した「Taiwan at a Glance(ひと目でわかる台湾)」では、台北市は首都として表記されている[60]
経済詳細は「台湾の経済」を参照台北市台北國際金融センター (Taipei 101)高雄宜蘭県の田んぼ台南サイエンスパーク

2022年のGDPは7907億ドルで[61]、今後も成長すると予想されている。同年の一人当たりのGDP(購買力平価PPP)は73,344ドルであり[61]、世界12位である。

1912年の中華民国の成立当初、清朝の対外賠償金を継承し、鉄道や税関などの収入源を賠償金の担保として列強の支配下に置かれていたため危機的な経済状況にあった。

建国当初の政争に加え、中国共産党軍との対立、さらに日中戦争と国内での混乱が続いたことで経済状況が悪化し、物資が軍需用として優先使用され、その物資の輸送も限定された交通手段に頼っており国民経済は困窮を極めた。

1945年第二次世界大戦終結により、特に東北および台湾では大日本帝国が遺した資産を活用した工業化などによる経済建設を計画したが、まもなく開始された国共内戦により経済政策の実施は頓挫、国民党が行った紙幣の濫発による急激なインフレなどで台湾の国民経済は崩壊の淵に立たされることとなった。

1949年に国共内戦に敗れ、領土を台湾地区のみに縮小した中華民国政府は「大陸反攻」を実現すべく国力の充実を図り、経済方面でも濫発した貨幣(国民党軍が発行した旧台湾ドル)を廃してニュー台湾ドルを発行しインフレを抑制、傾斜生産方式を採用した工業化を図るとともに、冷戦下のアメリカからの経済援助を活用しての経済政策を実施、それまで農業と農業関連の加工業が主であった台湾の経済を軽工業、やがては重工業へと転換させることに成功し、現在ではアジア有数の先進工業国としての地位を確立、特にパーソナルコンピュータマザーボード液晶レーザーモジュールやなどの高度な技術開発力を必要とする情報技術関連機器や、自動車オートバイとその部品、付加価値の高い自転車、家電製品とそのための電子部品をはじめとする製造業、海運や航空業でその強みを発揮し、世界トップクラスの外貨準備高を擁する経済大国へと変貌している。

2000年代以降は、中華人民共和国やインドなどの、低賃金の単純労働力を提供する発展途上国の台頭によって、高度な開発、生産力を必要としない製造業においては、工場の海外進出に伴う産業の空洞化が進行したが、これに対し政府は情報技術へのさらなる投資とあわせて、バイオ産業などより高い技術を有する産業に重点を置く政策に転換しつつある。

世界中に広がる華僑ネットワークに駆使した世界戦略も強みである。アメリカや日本で注文を取り、中華人民共和国やベトナムに製造させる仲介的戦略も、この華僑ネットを利用している。近年は高雄港や基隆港、台中港が中国大陸や東南アジア、および太平洋地域における海運の重要なハブとしての地位を獲得しており、海上コンテナ取扱高世界一を誇る一大海運企業である長栄海運などがそれを後押しする形となっている。

中華民国の経済は日本経済との共通点が多い。資源小国であることから技術力、工業生産力に依拠し、世界市場で優位に立てる高付加価値製品を開発製造することによって、外貨を獲得する加工貿易が基本である。独立志向の強さが国民性であり、それが経済に活力を与えると同時に、大企業の成長に必要な人材の確保が困難な一面もある。

1000万人以上の観光客を目標にした観光戦略を打ち出し、2010年中華人民共和国と締結した海峡両岸経済協力枠組協議や日台投資協定・日台オープンスカイ協定締結などにより2011年に600万人以上の観光客が訪れた。外貨収入は1兆円を超える。

2013年シンガポールとの自由貿易協定を締結、環太平洋戦略的経済連携協定 (TPP) 参加を検討しており、経済自由化や金融緩和にも力を入れるとされている。2016年11月の失業率は3.87% (45万5000人) になっており、経済協力開発機構 (OECD) 平均と比較しても大きく下回っていて、雇用も比較的安定している。
日本経済との関係

中華民国と日本とは、実効統治する台湾がかつて日本領であったなど歴史的に関係が深く、地理的に近いことから、貿易をはじめとした経済的交流が非常に緊密である。その象徴として、台北の台北国際金融センタービルは日本の熊谷組を中心としたJV(共同事業体)が施工しているほか、日本の新幹線の信号・車両技術を導入した台湾高速鉄道(台湾新幹線)も南港(台北市)?左営(高雄市)間に運行中である。多くの日本企業が進出しているだけでなく、中華民国の企業も日本に進出するなど、経済的交流は年々強まっている。工業団地に日本企業を積極的に誘致を続けている他にも、中華人民共和国に日本企業が進出する際に、台湾企業と組むケースが多くなっている。

2018年現在、日本は台湾にとって2番目の輸入元であり輸出先では4番目の貿易相手国である[62]
中華民国の代表的な大企業詳細は「台湾の企業一覧」を参照

漢翔航空工業 中華民国の元国営企業である軍用機メーカー。中華民国空軍傘下の組織をルーツとするが、現在では国内外の民間機の製造分担請負なども担当。

ITEC アメリカ合衆国のハネウェル社との合弁企業である航空用エンジンメーカー。国産戦闘機IDF経国号のエンジンを開発したほか、各国の軍用練習機向けエンジンを製造している。


鴻海精密工業 世界最大の EMS 企業

TSMC 世界最大の半導体製造ファウンダリー

ASUS

Acer 世界有数のパソコン・PC関連機器メーカー。

BenQ(ベンキュー)2001年にエイサーグループから独立

AU Optronics (AUO) BenQ グループの液晶パネルメーカー


GIGABYTE

MediaTek ファブレスIC設計企業である

クアンタ・コンピュータ

Micro-Star International (MSI)

HTC

裕隆汽車 (Luxgen)

SYM (三陽機車)台湾を代表するスクーターメーカー

KYMCO (光陽機車)SYMと同じく台湾を代表するスクーターメーカー

東元電機

大同公司(中国語版)

ジャイアント・マニュファクチャリング

台湾銀行

中国信託商業銀行

エバーグリーン・グループ

長栄海運

エバー航空(長栄航空)

ユニー航空(立栄航空)


チャイナエアライン(中華航空)

マンダリン航空


國泰人壽(生保)グループ

新光人壽(生保)グループ

新光三越 日本の三越(現三越伊勢丹ホールディングス)グループと共同設立された、台湾最大のデパート


統一企業グループ(小売業界最大手)

統一超商(台湾セブンイレブン

統一時代百貨


台湾プラスチックグループ(台湾最大の企業グループ)

ナンカンタイヤ


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