上記のように世界的な競争力を持つ企業もあり、高度な科学技術力を有している。台湾出身の李遠哲は1986年にノーベル化学賞を受賞した。後に李が院長に就任した中央研究院が、自然科学と社会科学を含めた国家アカデミー
の役割を担っている。1991年に宇宙開発に着手した。台湾国家宇宙センターが中心となり、アメリカに委託しての人工衛星の打ち上げと運用、ロケットの開発に取り組んでいる。地球観測衛星「FORMOSAT(フォルモサット)」シリーズのうち、初めて自主開発した「FORMOSAT-5」(フォルモサット5号)を2017年8月25日、スペースX社のロケットにより打ち上げられた[63]。
国民
国民の定義と人口詳細は「中華民国の人口統計」を参照台湾の人口ピラミッド (2012年)
中華民国の国民は、中華民国憲法第3条の規定によって「中華民国の国籍を有する者」とされており、2021年の時点で 2339万4787人となっている。人口密度は平均 650.42人/km2(2017年1月)である。人口が1千万人以上の国では世界2位になった。
中華民国の国民は、更に中華民国自由地区人民と無戸籍国民に分けられる。
中華民国自由地区人民
中華民国政府が実際に統治している台湾、澎湖、金門、馬祖列島等地の国民、「無戸籍国民」や「大陸地区人民」などと区別する意味合いで用いられる。
無戸籍国民
海外華人など、中華民国の国籍を保持しているが「中華民国自由地区」に戸籍がない国民、中華民国内政部によると、「無戸籍国民」は数万人が存在している。一部の国で中華民国国民を対象に短期滞在ビザを免除しているが、日本やアメリカなどでは中華民国国民身分証の番号記載がない無戸籍国民の旅券所持者は対象外となっている。
中華人民共和国支配下の大陸地区人民、香港居民、マカオ居民の国籍帰属については、憲法および法律では明確な規定していないので、外国人には属さず、国民にも属さないという微妙な立場にある。
大陸地区人民
「台湾地区と大陸地区の人民関係条例」によると、台湾地区以外の中華民国領土の人民を指す、大陸委員会という専門の行政機関があり、大陸地区人民関連する事務を処理する。2023年に中華民国国民ではないという通達を行政院が出している[64]。
香港居民、マカオ居民
1997年の「香港マカオ関係条例」制定まで、香港地区とマカオ地区の華人については自由地区人民と同じ、中華民国の国民の権利と義務が保持されていたが、香港およびマカオの返還により、香港居民およびマカオ居民は通常の中華民国の国民の資格を撤廃した。現在は大陸地区人民と同じく、大陸委員会が管理する。 中華民国の国民は大きく漢民族と原住民族に分けられる。中華民国政府が認定した原住民族は、2016年現在で16民族55万人弱であり全人口の約2.3%である[65][66]。中華民国では、国民である国内各民族が融合して中華民族を形成するとされており、中華民国憲法第5条によって各民族間の平等が定められている。中華民国国民は省籍が存在し、在籍する省によって本省人と外省人に分けることがある。原住民族は広義には本省人に含まれるが、通常は分けて考えられる。この区分に従うと、中華民国編入後の台湾島一帯では、人口が多い本省人が政治的には少数派の外省人に支配される構図が浮かび上がるが、これは省籍矛盾と呼ばれ、長年にわたり社会問題とされてきた。 広義の客家人は約500万人であり、全人口の約22%である。中華民国に帰化している人口は7万1398人であり、全人口の約0.3%である。 外国籍配偶者の数は約40万人で中国大陸とベトナム国籍(在台ベトナム人)が最も多く、約8万6000人であり他にはタイ・インドネシア・フィリピンの順である。外国籍の人口は約65万人である。 中華民国には難民を受け入れる制度は存在しない。過去にインドシナ難民などを受け入れたことはあるが個別に滞在許可を出しているに過ぎない。大陸との関係で国際人権条約に加盟出来ない[67]。 政治難民として想定される中国大陸出身者は安全保障上の懸念もあり移民としても職歴による制限を受ける[68]。 中華民国では中国語(国語)が事実上の国家言語とされていたが、2018年に可決された言語発展法により土着の台湾語、客家語、台湾原住民の諸言語、手話が国家言語と平等であるとされている[69][70]。 国語は中華人民共和国で使われている普通話とほぼ同一言語とされるが、21世紀初頭では政治・文化・社会の違いにより語彙や発音などの細かい部分に多少の相違点が生じているため台湾国語(台湾華語)と称されることも多い。 正体字(繁体字)と呼ばれる簡略化されていない漢字の字体を標準としている。これは日本の旧字体に近いが、中華人民共和国で大幅に簡略化された簡体字とは大きく異なる。ただし実際の生活においてはある程度の略字や俗字が使用されている。漢字の発音表記には北京政府時代に制定された注音符号を教育で使用しており、コンピュータやスマートフォンへの入力に広く用いられている。
民族と省籍矛盾
客家と移民
新移民(外国籍)
難民
言語「台湾の言語(中国語版
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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