中華料理
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古代の中華料理は現在とはかなり異なっていた。煮込み、直火焼き、(あつもの)が多く、主にすたれた刺身のような生肉・生魚の料理)もよく食べられており、「羹に懲りて膾を吹く」「人口に膾炙(かいしゃ)する(「炙」は直火焼きの焼肉)」など、古代中国由来のことわざ慣用句にも窺うことができる。古代の中華料理については『斉民要術』が詳しい。

現在の中華料理で頻用される強い火力が必要な炒め物の調理法は、北宋の時代で一気に発展した。元々は石炭を加工した骸炭コークス)が磁器の製作に使用されていて、それが料理用のかまど鉄鍋などに転用される事によって生み出されたものである[6][7]。以後、南宋から元王朝にかけて炒め物が普及した。また同じ頃から、木版印刷の発展により料理本レシピ集も多数出版されるようになった[8][注釈 2]

16世紀明王朝の時から、世界各地の食材や調味料も積極的に取り入れて消化・応用し、独自料理を作り出して進化していった。麻婆豆腐唐辛子や、青椒肉絲ピーマンなどは中華料理に欠かせない食材となっているが、中国に伝わったのは歴史的な背景からすれば外国から導入された食材である。広東料理には欠かせないオイスターソース19世紀末に開発され20世紀に入ってから普及したもので、福建料理や広東料理でよく使われるサテソースはインドネシアマレーシアから伝わった調味料を取り入れたものである。
各国の中華料理
中国詳細は「菜系」を参照

中国では八大菜系(八大中華料理)という地域分類が最も一般的に用いられている。他にも、大雑把な四大菜系、詳細な分類法などいくつもの分け方が存在する。「菜系#八大菜系」を参照「菜系#四大菜系」も参照

山東料理(魯菜) - 四大菜系

江蘇料理(蘇菜) - 四大菜系

浙江料理(浙菜)

安徽料理(徽菜)

福建料理(?菜)

広東料理(粤菜) - 四大菜系

湖南料理(湘菜)

四川料理(川菜) - 四大菜系

世界の中華料理

主に広東系の中国人によって、東西ヨーロッパ、南北アメリカ、東アジア、東南アジアなどの諸国において広く普及し、また現地化も進んでいる。中国には存在しない「オリジナル」の中華料理も各国に存在し、例えば日本の冷やし中華アメリカチャプスイインドネシア等のナシゴレン韓国チャジャンミョン等がある。東南アジアでは、広東省に加えて福建省からの移住者が多く、福建料理も普及している。しゃぶしゃぶは「?羊肉(シュワンヤンロウ, ピンイン:shuan yang rou)」と呼ばれる羊肉の鍋をヒントに日本で考案されたと言われている。

また台湾発祥とされるモンゴリアンバーベキュー(蒙古?肉)は、拷羊肉と呼ばれる羊肉の鉄板焼きが原型で、アメリカではポピュラーな料理となっている。これら二つはいずれもモンゴル(後に中国)において羊肉の食べ方として最上の料理法をルーツにしているが、@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}原形を留めない[独自研究?]。また、日本を含む世界各国で他ジャンルの食材、調理法を取り入れた新しい創作中華料理を目指す料理人も多く存在する。
アメリカの中華料理「アメリカ風中華料理」も参照

アメリカでもチャイナタウンを中心に中華料理は人気があるが[11]、欧米の中国系住民は広東省からの移住者(華僑・華人)が多かったという背景もあって広東料理が多い。味付けは、現地人の好みにあわせて変えるケースもある。例えば、アメリカ合衆国ではケチャップがたっぷり加えられるなど、中国よりもずっと甘くて濃い味付けをされる。こうした料理は中国人の舌にはあわないため、同じ料理でもアメリカ人向けと中国人向けの2種類用意されるケースがある[12]。このような現地化によって、同じ店でも開店して数か月もすると味が変わることは昔からあり[13]、好みに合わせる目的と、本場の調味料の入手難などの要因もある。
インドの中華料理「インド中華」を参照
韓国の中華料理「韓国の中華料理」を参照
日本における中華料理「日本式中華料理」も参照

日本において中華料理は、家庭料理を含む日常的な食事としても高級な外食としても定着している。在日中国人調理師による中華料理店だけでなく、日本人が営む庶民的な、いわゆる町中華が日本中にある。在日中国人や本格的な中華料理を食べたい日本人向けに、日本風にアレンジせず、日本ではなじみが薄い食材(ナマズザリガニなど)も使う本場風の中国料理店も増えており、「ガチ中華」と呼ばれる[14]

日本の中華街のほとんどは広東系といわれ、唯一、長崎新地中華街のみが福建系とされてきたが、近年は中国東北部など、各地からの移住者が増えている。旧満州からの引揚者の影響もあって、中国東北部に由来する料理(焼き餃子など)もかなり浸透している。[要出典]また、日本では四川省出身の料理人陳建民NHKきょうの料理』に出演してレシピを公開していた事もあり、エビチリ麻婆豆腐担担麺などの四川料理が広く浸透している[要出典]。

日本人の好みに合わせたアレンジが施されている[要出典]ため、外食のみならず、家庭料理としても広く普及しているラーメンやエビチリ、酢豚八宝菜、麻婆豆腐なども、中国のものとは異なる場合が多い。[要出典]冷やし中華レバニラのように日本人が考案やアレンジした和製中華料理なども安価で提供している。[15]クックドゥ」や「チャーハンの素」などの野菜や肉を用意して炒めるだけで完成する調理食材もあるが、日本の家庭では火力が小さいため再現しきれないものもある。

沖縄料理においても、沖縄地方の歴史的背景から中国との関わりが深く、ラフテー東坡肉(トンポーロー)が元祖か)のような豚肉料理やチャンプルーといった庶民的な豆腐と野菜の炒め物など、「沖縄化」された中華料理が多くある[要出典]。

長崎卓袱料理精進料理普茶料理も中華料理の影響を受けて成立した[16][17]

中国本来の本格料理店のイメージを出すため、中国料理(または地域名をつけて「広東料理」「上海料理」「北京料理」「四川料理」)と称する料理店もある[1]


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