中華人民共和国
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大気汚染は深刻であり、特に首都北京は風が止まってしまうとPM2.5などの汚染物質が飛んでいかなくなり、しばしばスモッグに覆われる[35]長江の水質汚染が深刻な状況にあり(中国の水危機)、漁獲量も激減しているため、2020年12月1日には10年間禁漁になり、30万人の失業者が出る見通しとなった[36]
地域格差と地方財政問題

2018年時点で北京や上海で公立教師は平均的に月給6000元(約10万円)で、内陸部はその半分以下である。そのため、2018年4月から5月末にかけて内陸部の陝西省湖南省安徽省などで教師待遇の地域格差・未払賃金を理由に教師たちのデモがあったが鎮圧された。中国では都市と農村の格差が依然として問題であり、景気停滞によって地方政府の財政難が背景にあって、賃上げに対応出来ない理由がある[134]
地域差別「中華人民共和国における地域差別(英語版)」も参照

中国の出身地差別は大きく分けて3つ。「都市在住者から農村在住者」「省内出身者(地元民)から省外出身者(地方出身者)」「首都出身者からその他地域の出身者」への差別である。中国青年報社会調査センターの最近の調査によると、回答者の30%が「自分の生活圏には何らかの出身地差別がある」と回答している[135]
国民1949年から2008年の中国の人口
民族

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出典検索?: "中華人民共和国" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2015年11月)
詳細は「中華民族」、「中国行政区分の人口一覧」、および「中国の少数民族」を参照

最大の民族集団は漢族で人口の92%を占め、その他の55の少数民族が残りの8%を占める。少数民族のなかではチワン族(1,610万人)、満洲族(1,000万人)、回族(980万人)、ミャオ族(890万人)、ウイグル族(830万人)、イ族(770万人)、モンゴル族(580万人)、チベット族(540万人)、プイ族(300万人)、朝鮮族(190万人)が比較的大きな民族集団である。中華人民共和国では漢族だけでなく、これらの中華人民共和国国内に居住する少数民族を含む全ての民族を「中華民族」と規定し、中華民族は一体であるという意味合いを持たせている[136]。「中国史の民族(英語版)」も参照

中華人民共和国の民族の分類は、中華人民共和国政府が実施する「民族識別工作」によって決定される。また、「未識別民族」も存在している。
人口詳細は「中華人民共和国の人口統計(英語版)」を参照

中華人民共和国中央政府の成立後、急激な人口増加が進んだことにより、食糧問題、エネルギー問題などが発生した。人口増加に危機感を抱いた政府は、対策として1979年から一人っ子政策を実施し、出生率の統制による人口抑制を展開した結果、人口増加率は低下した。

しかし一方で、戸籍上は子供を一人しか持たないようにするため、出産しても届出を行わないことによって黒孩子(ヘイハイズ)と呼ばれる戸籍を持たない子供が激増したり、貧乏な農家の子供たちが人身売買のバイヤー経由で裕福な家庭に売られるなど、新たな問題が発生した。また、統計上では総人口は約13億人であるが、黒孩子や盲民と言われる浮浪民の存在のため、潜在的な人口は15億人を超えているともいわれる[137]

急激な出産制限は全人口に占める若年層の割合を低下させた。そのため、少子高齢化が問題になると指摘されている。その状況に対し、政府は2015年に行った第18期5中全会で、一人っ子政策を廃止し、二人っ子政策に移行。2021年には3人までに緩和された[138]

また、中華人民共和国の人口統計は、1990年代から正確性に疑問があり、大幅に水増しされているという研究がある。ウィスコンシン大学マディソン校人口学者である易富賢は、2018年時点で、中華人民共和国は、出生数が死亡数を下回る人口減少時代に入ったという研究を発表している[139]。易の研究によれば、2018年、中華人民共和国の出生数は前年より250万人減少し、死者数は1158万人で、総人口は127万人減少しているという[140]北京大学の蘇剣の研究では、中華人民共和国の人口は13億を超えておらず、2017年の12億8130万人をピークに減少しているという[141]。また、2018年の出生数は、国家統計局(中国語版)発表の1523万人に対し、国家衛生健康委員会の年鑑では1362万人と、公式な統計でも、調査機関によって差がある[141]

国家統計局によれば2021年末の14億1260万人が人口のピークで[142]、国際連合では2023年にインドの人口増加によって2位に後退すると報告されている[143]

中華人民共和国史学者の朴漢濟ソウル大学)は、中華人民共和国の人口は公式統計では13億人であるが、実際は17億人であり、世界人口(約70億人)の4人に1人が中華人民共和国人であると指摘している[144]。一方、ウィスコンシン大学の易富賢(中国語版)は、2018年から中国の人口は減少し始め、2020年時点で12億8000万人ほどであり、1億3000万人の水増しがあるという研究を発表している[145]。更に、ハッキング情報などから「本当は10億人だった説」などもあるともされる[146][147]

2023年1月17日、中華人民共和国国家統計局は、2022年末の中華人民共和国の総人口は21年末比85万人減の14億1175万人だったと発表した。中華人民共和国では過去に人口が減ったのは、60年と61年の2度だけ。急速に少子高齢化が進んでおり、人口減少が始まったとみられる[148]。2023年の出生数は902万人と建国後過去最少となった[149]
農民工

国内では、沿岸部など経済発展の著しい地域と、内陸部の発展に取り残された地域との格差が拡大しているため、沿岸の都市部に出稼ぎするために流入する農民(民工)が増え、その数は2021年時点で2億9251万人。2021年の農民工の平均月収は4432元(約8万6867円)である[150]
言語

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北中国の言語に代表される北方語を基礎として若干の改訂を加えた普通話[151]標準語としている[152]。同じ中国語であっても、呉語粤語?語などの異なる言語があり、かけ離れているため、標準語を理解できない者も多かった。しかし、建国以来の教育および放送などの普及により2020年時点で普通語の普及率は8割程に上昇した[153]

なお、イギリスの植民地であった香港では、普通話と共に広東語[154] および英語[155] も公用語となっている。


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