中華人民共和国
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発展途上国に有利に出る購買力平価では世界第1位であり、世界最大の輸出国と製造国、第2位の輸入国である[24][25][26]。同国は経済・軍事技術外交ソフト・パワーの影響力において、世界の新興超大国とみなされている[27][28][29][30][31][32]

しかし、経済発展に伴い経済格差の拡大・環境問題など各種の社会問題も深刻化している[9]。エネルギー使用による二酸化炭素(CO2)排出量は世界最大[33]、条約で規制されているフロンも中華人民共和国では未だ大量放出されている[34]。大気汚染は深刻で特に首都北京は風次第でしばしばスモッグに覆われる[35]長江をはじめとする河川の水質汚染も深刻な状況にある(中国の水危機[36]

中華人民共和国の環境問題については中国の環境問題を参照。
外交

建国以来ソビエト連邦に並ぶ東側の大国として影響力を持ったが、ソ連でスターリン批判が起きるとスターリン主義の立場からソ連と仲違いし、中ソ対立が武力衝突にまで及ぶに至って1970年代以降はアメリカ合衆国や日本など西側諸国に接近し、日米と国交して中華民国と断交させた[37]1971年10月に国連総会で中国代表権を認められて国際連合に加盟し、追放された中華民国の後任として国際連合安全保障理事会常任理事国となった。1989年6月に六四天安門事件を起こして国際社会から強い非難を受けたが、1991年12月のソ連崩壊後も共産党独裁体制維持に成功し、「全方位外交」と称して1992年には米中・日中国交後も中華民国との関係を維持していたイスラエル韓国に接近して国交を樹立し、中華民国と断交させた[37]。その後も中華民国と国交を結ぶ国に対して様々な圧力をかけることで中華人民共和国との国交、中華民国との断交を促し、中華民国を孤立化させる外交を推進している[38][39][40]

現在の中華人民共和国は多数の公式及び非公式の多国間機構に加盟しており、WTOAPECBRICs上海協力機構、BCIM、G20がこれに該当する。中華人民共和国はアジアの地域大国であり、多数の解説者により潜在的な超大国として特徴付けられてきた[41][42]。しかし習近平体制になってから「戦狼外交」と呼ばれる好戦的で強硬な外交姿勢を強めており、国際社会との摩擦が目立ってきている[43][44]。また香港問題やウイグル問題などの人権問題をめぐる国際的批判が強まっている。
軍事

1964年10月に最初の核実験を実施しており、核拡散防止条約により核兵器の保有を認められた5つの公式核保有国の1つとなった[9]21世紀以降は急速な軍拡が行われ、アジアでは最大の、世界ではアメリカ合衆国に次ぐ軍事支出を行う軍事大国となっている[45]。その軍隊である中国人民解放軍の兵力は200万人を超えると見られており[46]、世界最大人数の常備軍である。
民族と宗教

人口は世界第2位の約14億人であり、うち92%以上を漢族が占める。他にモンゴル族チベット族ウイグル族朝鮮族満洲族回族チワン族ミャオ族ヤオ族など55の少数民族が存在する[9][47]。言語は漢語が大部分を占め、北京語を元にした中国語の普通話が共通語であるが[9]、各地域では数多くの方言と少数民族の言語が併用されている[48]

宗教はイスラム教キリスト教チベット仏教などが少数存在している。
地理

公式には23の[注釈 5]、5つの自治区、4つの直轄市と2つの特別行政区から構成され、総面積は約960万平方キロメートルで世界第3位ロシア連邦と並び世界で最も隣国が多い国(14か国)である[49]

計測方法によるが外務省によれば陸地面積では世界第4位とされ[50]総面積では世界第3位又は4位である(詳細は国の面積順リストに参照のこと)。同国の地形は、乾燥した北の森林ステップ、ゴビ砂漠タクラマカン砂漠から、多湿な南の亜熱帯の森林まで広大かつ多様である。ヒマラヤ山脈カラコルム山脈パミール高原天山山脈により、同国は及び中央アジアから切り離されている。長さ世界第3位長江及び同世界第6位黄河は、チベット高原から人口密度の高い東の沿岸地域に流れ、古代には黄河文明長江文明を興してきた。同国の太平洋に沿った海岸線は1万4500キロメートルの長さで、渤海黄海東シナ海南シナ海に囲まれている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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