中華人民共和国の人権状況についてヒューマン・ライツ・ウォッチは「中国は依然として一党独裁国家であり、基本的人権を体系的に抑圧している」「人権擁護の弁護士や活動家が恣意的に拘留され、起訴されている」「非政府組織、活動家、メディア、そしてインターネットに対する統制は強化されている」と報告している[8]。2010年の劉暁波のノーベル平和賞受賞問題[9]、2016年に政府が香港などで批判者を拉致して強制的に失踪させた事件[8]、2020年の新型コロナ問題での人民の言論監視[10] などに見られたように近年は言論統制や弾圧が一段と強化されている傾向がある[9][注釈 4]。チベット問題やウイグル問題など少数民族に対する人権侵害問題も深刻で国際社会から憂慮されている[8][13][14][15][16]。特にアメリカ合衆国政府、カナダの下院、オランダの議会、イギリスの下院、フランスの下院、リトアニア共和国議会などは、ウイグル人強制収容所などについてジェノサイド(大量虐殺)政策と認定している[17][18][19][20][21][22]。2019年以降は一国二制度下の香港への統制を強めている[23]。南沙諸島や中華民国への軍備増強や威嚇行為が年々激しさを増している。 大清、中華民国の時代では、分裂や暴動、他国との戦争での敗戦が続き、諸外国による間接的な支配が長年続いた。1978年以前までの中華人民共和国においても内乱と紛争、混乱が続いていため、経済や軍事が長期間低迷し、貧困が200年以上続いていた。 1978年12月における改革開放の導入以来、「社会主義市場経済」と称して「経済特区」や「沿岸開放都市」などの設置を行い、社会主義経済体制からの根本的な転換を行った。その結果外資流入の勢いが増し、20年以上に渡って年平均9%以上の実質GDP成長率を達成し、2010年にはGDP規模で日本を追い抜いてアメリカ合衆国に次ぐ世界第2位の経済力を有する国となった。中国共産党総書記習近平は2012年に「中華民族の偉大なる復興」を発表した。 発展途上国に有利に出る購買力平価では世界第1位であり、世界最大の輸出国と製造国、第2位の輸入国である[24][25][26]。同国は経済・軍事・技術・外交・ソフト・パワーの影響力において、世界の新興超大国とみなされている[27][28][29][30][31][32]。 しかし、経済発展に伴い経済格差の拡大・環境問題など各種の社会問題も深刻化している[9]。エネルギー使用による二酸化炭素(CO2)排出量は世界最大[33]、条約で規制されているフロンも中華人民共和国では未だ大量放出されている[34]。大気汚染は深刻で特に首都北京は風次第でしばしばスモッグに覆われる[35]。長江をはじめとする河川の水質汚染も深刻な状況にある(中国の水危機)[36]。 中華人民共和国の環境問題については中国の環境問題を参照。 建国以来ソビエト連邦に並ぶ東側の大国として影響力を持ったが、ソ連でスターリン批判が起きるとスターリン主義の立場からソ連と仲違いし、中ソ対立が武力衝突にまで及ぶに至って1970年代以降はアメリカ合衆国や日本など西側諸国に接近し、日米と国交して中華民国と断交させた[37]。1971年10月に国連総会で中国代表権を認められて、国際連合に加盟し、追放された中華民国の後任として国際連合安全保障理事会常任理事国となった。1989年6月に六四天安門事件を起こして国際社会から強い非難を受けたが、1991年12月のソ連崩壊後も共産党独裁体制維持に成功し、「全方位外交」と称して1992年には米中・日中国交後も中華民国との関係を維持していたイスラエルや韓国に接近して国交を樹立し、中華民国と断交させた[37]。その後も中華民国と国交を結ぶ国に対して様々な圧力をかけることで中華人民共和国との国交、中華民国との断交を促し、中華民国を孤立化させる外交を推進している[38][39][40]。 現在の中華人民共和国は多数の公式及び非公式の多国間機構に加盟しており、WTO、APEC、BRICs、上海協力機構、BCIM
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