中華人民共和国の鉄道
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近年は都市部への出稼ぎが多くなったこともあって、輸送力は絶対的に不足しており、切符の購入は困難を極めるほか、切符が高額で取引されることもあった。そのため、現在は後述する「実名制」が取り入れられている。

2008年の春節輸送では、同時期に襲った大寒波の影響で、全国的に運休や立ち往生が続出するなど、ダイヤが大幅に乱れ、主要な駅には数十万人とも言われる利用客が数日間も滞留して、一部では不穏な状況になるなど、全国で大混乱に陥った。

欧米諸国や東南アジア、オーストラリア日本韓国などの大都市圏では、都市近郊鉄道が発達しているが、中国では、地下鉄路面電車モノレールトロリーバスが存在する都市は多いが、日本の国電や、ドイツのSバーンのような、都市近郊電車網は、中国では皆無であった。しかし、近年は上海や北京などで全区間高架または地上を走る軽軌と呼ばれる都市近郊鉄道も開通しており、蘇州などでも建設が始まっている。
運行概要
列車種別

中国の列車種別は下記の通りである。(停車駅が少なく、速度の速い順)【列車番号の頭文字のアルファベットは中国語の列車種別のピンインの頭文字から取っている】

高速動車組列車(中国語版)(略:高?)(頭文字G【G?o-su-dong-ch?-z?】)- 最高時速300km以上のCRH型電車

城際動車組列車(中国語版)(略:城?高?)(頭文字C【Cheng-ji-dong-ch?-z?】)- 最高時速300km以上のCRH型電車

普通動車組列車(中国語版)(略:???)(頭文字D【Dong-ch?-z?】)- 最高時速200 - 250kmのCRH型電車
長距離 D1 - D4000;短距離 D4501 - D7300

直達特快列車(中国語版)(略:直特)(頭文字Z【Zhi-da】)- 2004年4月18日に新設された。設定当初は大都市と大都市を夕方から夜に発車して翌朝から昼までに到着する列車で、途中停車駅が無かった。しかし2014年12月10日のダイヤ改正で、長距離列車や香港から本土への直通列車(城際直通車)を含む多数の列車が特快列車から格上げされ、途中停車駅も設定された。なお、最高時速160kmの高速運転を実現している。

特快列車(中国語版)(略:特快)(頭文字T【Te-kuai】)- 途中停車あり(停車駅が少なく主に省都)、日本の特急列車に相当する。
長距離特別快速 T1 - T5000番台;短距離特別快速 T5001 - T9998番台

快速列車(中国語版)(略:快速)(頭文字K【Kuai-su】)- 日本の急行列車に相当する。
長距離快速列車K1 - K2000番台,途中停車あり(停車駅が少なく主に地方都市);短距離快速列車途中停車あり(停車駅が少なく主に鉄道局中心駅付近の都市)

臨時旅遊列車(略:旅游)(頭文字Y【l?-You】)- 観光列車
長距離観光列車 Y1 - Y498番台;短距離観光列車 Y501 - Y998番台

臨時列車(中国語版)(略:?客)(頭文字L【Lin-shi】)- 主に春節労働節国慶節民族大移動の時期に運行される。
長距離(いわゆる「春節」の帰省客輸送)列車 L1 - L998番台;短距離臨時列車 L7001 - L7998番台

普快列車(中国語版)(略:普快) - 日本の準急列車に相当する。
(1000 - 1999番台)- 3つ以上の鉄路局を跨ぐ普快列車で、長距離列車である。;(2000 - 2999番台)- 2つの鉄路局を跨ぐ普快列車で、中距離列車である。;(4000 - 5999番台)- 1つの鉄道局管内のみを運行する普通快車。

普客列車(中国語版)(略:普客)(6000 - 7599番台)- 日本の普通列車に相当する。

郊外旅客列車(中国語版)(頭文字S【Shi-ji?o】もしくは【Suburban】)- 北京、天津等の一部都市で運行され、日本の各駅停車に相当する。

括弧内は列車番号につくアルファベット、または列車番号直達特快については直行便#中国鉄路におけるノンストップ列車に記述がある。直達特快、特快、快速、管内では追加料金が必要であり、空調の有無でも追加料金が必要である。
長距離列車

4000km以上運行される定期列車を以下の表に示す。モスクワ行き列車と臨時列車を除いた最長距離列車は、広州?ラサ間約4,980kmを54時間かけて走るZ264/265・Z266/263次列車である。なお、運行時間最長はチチハル?ウルムチ間で運行されるK1082/1083、K1084/1081次列車(中国語版)で、その運行時間は68時間19分に及ぶ[9]

順位列車番号・列車名始発駅終着駅運営者運行距離所要時間出典
1Z264/265・Z266/263次列車広州ラサ広鉄集団4,980 km54時間30分
(2泊3日)[10]
2K1082/1083・K1084/1081次列車(中国語版)チチハルウルムチハルビン局4,827 km68時間19分
(チチハル行き 3泊4日)[9]
3Z136/137・Z138/135次列車(中国語版)広州ウルムチ南ウルムチ局4,684 km54時間13分
(2泊3日)[10]
4T206/203・T204/205次列車(中国語版)上海伊寧ウルムチ局4,716 km55時間16分
(上海行き 2泊3日)[11]
5Z112/113・Z114/111次列車(中国語版)ハルビン海口ハルビン局4,458 km65時間42分
(2泊3日)[10]
6Z164/165・Z166/163次列車(中国語版)上海ラサ上海局4,373 km49時間
(2泊3日)[10]
7K2288/2285・K2286/2287次列車(中国語版)長春昆明瀋陽局4,161 km60時間43分
(3泊4日)[12]
8Z40/41・Z42/39次列車上海ウルムチ南ウルムチ局4,077 km38時間51分
(2泊3日)[10]

国際列車

国際列車も運行されており、その一覧を以下に示す。北京・上海・広州などから香港へ向かう列車は、返還後も今に至るまで起終点の駅での出入国審査が存在する。香港行きは「国際列車」ではなくなったが、国内列車とは異なる運行システムとなっており「越境列車」に相当する。

2014年12月10日より、北京西駅からベトナムのドンダン駅まで直通していたT8705/8706次列車が運休となった。(2015年10月)現在も北京西?ハノイ(ザーラム)間の切符は通しで販売されるが、北京からハノイに行く乗客は、南寧でZ5/6次列車(中国語版)からT8701/8702次列車に乗り換えなければならなくなった[13][14]

国・地域列車番号・列車名始発駅終着駅運営者運行距離所要時間出典
香港広九直通列車 香港
九龍駅 広州東 香港MTR
国鉄広鉄集団
広深鉄路株式会社(中国語版)173 km
(広州東行き)1時間50分
(広州東行き)[15]
京九直通列車 北京西 香港
(九龍駅) 国鉄広鉄集団2,475 km24時間01分
(1泊2日 九龍行き)[16]
滬九直通列車 上海 香港
(九龍駅) 国鉄上海局1,991 km18時間41分
(1泊2日 九龍行き)[16]


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