2021年1月13日には反政府勢力が首都を攻撃したが、国際連合中央アフリカ多次元統合安定化派遣団(MINUSCA)の部隊が反撃、撃退した。同年1月18日、憲法裁判所はトゥアデラ大統領の再選を発表したが、治安の悪さなどから大統領選に投票したのは有権者3人に1人にとどまった[31]。
政治
2013年3月まで詳細は「中央アフリカ共和国の政治(フランス語版、英語版)」を参照
中央アフリカは共和制、大統領制をとる立憲国家である。民政復帰前の憲法は2004年12月5日に制定され、同月27日より施行されたもの。「中央アフリカ共和国の憲法(フランス語版)」も参照
国家元首である大統領は、国民の直接選挙により選出され任期は5年。3選は禁止されている。首相は総選挙の結果に基づき、国民議会が選出する。内閣に相当するものとして閣僚評議会が設置されている。
議会は一院制で、正式名称は国民議会。定数109議席で国民議会議員は直接選挙で選出され、任期は5年である。「中央アフリカ共和国大臣評議会(英語版)」も参照
主要政党としては、ボジゼ元大統領政権の事実上の与党である国民集合クワ・ナ・クワ(KNK, ボジゼ自身は党員ではなく無所属)、パタセ前大統領の所属する中央アフリカ人民解放運動 (MLPC)、コリンバ元大統領が率いる中央アフリカ民主連合 (RDC) の3党が挙げられる。他には社会民主党 (PSD)、進歩愛国戦線 (FPP)、民主進歩同盟(英語版) (ADP)、新進歩同盟 (NDP) といった小政党がある。「中央アフリカ共和国の政党一覧」も参照
反政府武装勢力として「民主復興人民軍(英語版)」(APRD) があり、主に北部を拠点に活動している。
最高司法機関は最高裁判所 (Cour supreme) である。憲法裁判所も存在する。トゥアデラ大統領とアメリカのオバマ大統領夫妻。 2013年3月、セレカの首都進攻により初めてイスラム政権が誕生した。同年中に2004年に制定された憲法は廃止され、2015年まで有効とする暫定憲法が公布された。議会も解散し、新たな議会として暫定評議会、次いで国民移行評議会(135議席)が設置された。評議会は大統領を選出する機能を有しており、2014年2月には会内の選挙によりサンバ=パンザを新しい大統領として選出している。2015年12月から2016年3月にかけて大統領選挙と国民議会選挙を実施し、現在のトゥアデラ大統領が就任した。 中央アフリカは共和制、大統領制をとる立憲国家である。現行の憲法は民政復帰で採択されたもの[32]。2016年2月にはフォースタン=アルシャンジュ・トゥアデラを新しい大統領として選出している。2019年2月に政府と14の武装勢力の間で和平合意署名が結ばれた。CPCによる攻撃的活動は依然として継続しているが、トゥアデラ大統領は2022年12月に2019年の和平合意に署名した武装勢力4団体の解体式典を開催した。さらに2023年4月に合意に署名した武装勢力を含む武装勢力5団体の解体式典を開催した。[33] 2023年7月に新憲法草案に対する国民投票が行われ、憲法裁判所が国民投票での賛成多数による採択を宣言した。新憲法では、大統領任期の5年から7年への変更、副大統領の新設、国民議会による一院制等が規定されている。[34] 同国軍は地上部隊(航空部隊を含む)、憲兵隊、および国家警察で構成されている。選抜徴兵制が取られており、任期は2年である。 2021年1月以降、20の州(県とも)に分けられている。また州はさらに84の郡(地区、支庁)に分けられる[35]。 中央アフリカ最大の都市は首都のバンギである。バンギはウバンギ川の遡航限界点にあり、政治経済の中心であるほか、大規模な河港が存在して貿易もさかんであり、西のビンボなどの衛星都市も合わせた都市圏人口は79万人(2015年)に達する[36]。バンギ市の規模は国内で突出しており、人口10万人を超える都市は他に存在しない。
2013年3月以降
2016年民政復帰以降
国家安全保障詳細は「中央アフリカ軍(英語版
地方行政区分詳細は「中央アフリカ共和国の行政区画」を参照中央アフリカ共和国の州
バミンギ・バンゴラン州 (Bamingui-Bangoran)
バンギ州 (Bangui)
バス・コト州 (Basse-Kotto)
オート・コト州 (Haute-Kotto)
オー・ムボム州 (Haut-Mbomou)
ケモ州 (Kemo)
リム・ペンデ州 (Lim-Pende)
ロバイエ州 (Lobaye)
マンベレ州 (Mambere)
マンベレ・カデイ州 (Mambere-Kadei)
ムボム州 (Mbomou)
ナナ・グリビジ州 (Nana-Grebizi)
ナナ・メンベレ州 (Nana-Mambere)
オンベラ・ムポコ州 (Ombella-M'Poko)
ワカ州 (Ouaka)
ウハム州 (Ouham)
ウハム・ファファ州 (Ouham-Fafa)
ウハム・ペンデ州 (Ouham-Pende)
サンガ・ムバエレ州 (Sangha-Mbaere)
バカガ州 (Vakaga)
主要都市詳細は「中央アフリカ共和国の都市の一覧」を参照
地理詳細は「中央アフリカの地理(フランス語版
国土面積は約623千平方kmで、アメリカのテキサス州よりやや小さい。国土の大部分が海抜600m程度の緩やかな高原となっており、国土中央部を東西に分水界が走っている。この分水界の北は広義のチャド盆地に属し、シャリ川水系となっている。シャリ川は国土中央部に端を発し、北流してチャド湖へと流れ込むほか、この水系に属するロゴーヌ川などいくつかの支流も同様に北流する。分水界の南側はコンゴ川水系であり、広義のコンゴ盆地に属する。コンゴ川最大の支流であるウバンギ川はコンゴ民主共和国との国境をなすほか[37]、バンギまでは大型船舶の遡航が可能であり、重要な交通路となっている。この両河川は同国にとって非常に重要であり、植民地時代の「ウバンギ・シャリ」という植民地名はこれに由来する。このほか、西部にはやはりコンゴ川の支流であるサンガ川が流れている。
北東部にはボンゴ山地が聳え立つ。また北西部にも山地が存在し、カメルーン国境に位置するンガウィ山(標高1,410m)は中央アフリカの最高峰となっている。 降水量は緯度にほぼ比例し、南部ほど降水量が多く北に向かうほど乾燥していくが、国土の大部分はサバナ気候(Aw)となっている。ただし国土南端のウバンギ川沿いや南西部は一部に熱帯モンスーン気候(Am)の地域があり、また最も乾燥した北東端はステップ気候(BS)となっている。 植生もこれにほぼ準じ、中部から北部にはサバンナが広がり、南部に全土の8%程度の熱帯雨林がある[37]。
気候
経済詳細は「中央アフリカの経済(フランス語版
第一次産業が主であるが、主に中部から北西部で栽培される綿花が輸出の5.8%(2013年)を占め[38]、やや重要であるほかはめぼしい輸出品がない。農民の大部分は自給農業に携わっており、キャッサバ・ヤムイモ・タロイモ・プランテンバナナ・タバコなどを主に栽培している。