セレカの主導者ミシェル・ジョトディアが自ら暫定大統領に就任して軍事政権を樹立し、3年後の選挙までニコラ・チャンガイ(英語版)首相が政権を担うことになった。だが、アフリカ連合はセレカによる首都制圧を非難、加盟国に対し「結束した断固たる行動」を求めた。4月、ジョトディアはアフリカ連合の要求を受け入れ、暫定評議会を設置。ほかに候補者がいないなかで、暫定評議会から大統領に選出された。8月、宣誓式が行われ正式にジョトディアが大統領に就任した[15]。ジョトディア大統領は、中央アフリカの歴史上初めてのイスラム教徒の大統領であった。 2013年9月にはジョトディア大統領によりセレカの解散が行われたが、単に非合法化されただけで武装組織そのものは温存された。セレカやジョトディア政権に統治能力はなきに等しく、一般市民への弾圧や新たに登場したキリスト教系武装組織、アンチ・バラカ
無政府期
2014年2月、国際刑事裁判所 (ICC) の検察官が政治的な混乱の中で行われた人道に対する罪の予備調査を開始、同年4月10日、国連安全保障理事会は中央アフリカにおいて、国外から派遣軍を倍増させる11,800人規模の平和維持活動部隊 (PKO) を発足させる決議案を全会一致で採択。フランス軍に事実上の指揮権を与えた[19]。 2014年7月にはセレカとアンチ・バラカ
トゥアデラ政権と内戦の継続
2017年からはAU主導の調停メカニズム「アフリカ・イニシアティブ」が設置されたものの[21]、国内各武装勢力は軍事衝突や市民への暴行を繰り返し、同年5月だけで数百人の死亡が確認された[23]。さらに同年6月には中部で武力衝突が起き[24]、8月には全土に拡大[25]。2018年2月にも北西部で激しい戦闘が起きた[26]。4月には国連軍と武装勢力が首都バンギで衝突する[27]など混乱は全く終息せず、5月には人口450万人のうち国外難民が57万人、国内難民が67万人に達し、全人口の4分の1が難民となっていた[28]。2019年2月には政府と14の武装勢力で和平合意の署名が完了したものの[21]国内情勢はなおも混乱しており、12月25日から26日にかけては武装勢力と地元商人が首都バンギで衝突し多数の死者を出した[29]。
2020年12月、反政府勢力である変革のための愛国者同盟(CPC)は、同年12月27日に行われる大統領選と議会選を前に一時的な停戦を発表したが、選挙直前の12月25日に突然撤回。首都を掌握するという最終目標に向けて進軍を再開すると発表した[30]。
2021年1月13日には反政府勢力が首都を攻撃したが、国際連合中央アフリカ多次元統合安定化派遣団(MINUSCA)の部隊が反撃、撃退した。同年1月18日、憲法裁判所はトゥアデラ大統領の再選を発表したが、治安の悪さなどから大統領選に投票したのは有権者3人に1人にとどまった[31]。
政治
2013年3月まで詳細は「中央アフリカ共和国の政治(フランス語版、英語版)」を参照
中央アフリカは共和制、大統領制をとる立憲国家である。民政復帰前の憲法は2004年12月5日に制定され、同月27日より施行されたもの。「中央アフリカ共和国の憲法(フランス語版)」も参照
国家元首である大統領は、国民の直接選挙により選出され任期は5年。3選は禁止されている。首相は総選挙の結果に基づき、国民議会が選出する。内閣に相当するものとして閣僚評議会が設置されている。
議会は一院制で、正式名称は国民議会。定数109議席で国民議会議員は直接選挙で選出され、任期は5年である。「中央アフリカ共和国大臣評議会(英語版)」も参照
主要政党としては、ボジゼ元大統領政権の事実上の与党である国民集合クワ・ナ・クワ(KNK, ボジゼ自身は党員ではなく無所属)、パタセ前大統領の所属する中央アフリカ人民解放運動 (MLPC)、コリンバ元大統領が率いる中央アフリカ民主連合 (RDC) の3党が挙げられる。他には社会民主党 (PSD)、進歩愛国戦線 (FPP)、民主進歩同盟(英語版) (ADP)、新進歩同盟 (NDP) といった小政党がある。「中央アフリカ共和国の政党一覧」も参照
反政府武装勢力として「民主復興人民軍(英語版)」(APRD) があり、主に北部を拠点に活動している。
最高司法機関は最高裁判所 (Cour supreme) である。憲法裁判所も存在する。トゥアデラ大統領とアメリカのオバマ大統領夫妻。 2013年3月、セレカの首都進攻により初めてイスラム政権が誕生した。同年中に2004年に制定された憲法は廃止され、2015年まで有効とする暫定憲法が公布された。議会も解散し、新たな議会として暫定評議会、次いで国民移行評議会(135議席)が設置された。評議会は大統領を選出する機能を有しており、2014年2月には会内の選挙によりサンバ=パンザを新しい大統領として選出している。2015年12月から2016年3月にかけて大統領選挙と国民議会選挙を実施し、現在のトゥアデラ大統領が就任した。 中央アフリカは共和制、大統領制をとる立憲国家である。現行の憲法は民政復帰で採択されたもの[32]。2016年2月にはフォースタン=アルシャンジュ・トゥアデラを新しい大統領として選出している。2019年2月に政府と14の武装勢力の間で和平合意署名が結ばれた。CPCによる攻撃的活動は依然として継続しているが、トゥアデラ大統領は2022年12月に2019年の和平合意に署名した武装勢力4団体の解体式典を開催した。さらに2023年4月に合意に署名した武装勢力を含む武装勢力5団体の解体式典を開催した。[33] 2023年7月に新憲法草案に対する国民投票が行われ、憲法裁判所が国民投票での賛成多数による採択を宣言した。新憲法では、大統領任期の5年から7年への変更、副大統領の新設、国民議会による一院制等が規定されている。[34] 同国軍は地上部隊(航空部隊を含む)、憲兵隊、および国家警察で構成されている。選抜徴兵制が取られており、任期は2年である。 2021年1月以降、20の州(県とも)に分けられている。また州はさらに84の郡(地区、支庁)に分けられる[35]。
2013年3月以降
2016年民政復帰以降
国家安全保障詳細は「中央アフリカ軍(英語版
地方行政区分詳細は「中央アフリカ共和国の行政区画」を参照中央アフリカ共和国の州