中国語
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中華民国政府が統治する台湾では、今でも注音符号を用いて漢字の読みを示すのが一般的である[38]。中華人民共和国は1956年漢語?音方案という新しいローマ字表記法を制定した[39]。この?音は、1977年国連の第3回地名標準化会議で中国の地名のローマ字表記法として、1982年にはISOで中国語のローマ字表記法として採用された。また、?音は、外国人(特に欧米人)による中国語学習や小学生の漢字学習の助けにもなっている。2009年には台湾でも漢語?音も採用している。
文法

語形変化活用)が生じず、語順が意味を解釈する際の重要な決め手となる孤立語である[40]。孤立的な特徴をもつ言語としては他にベトナム語などがある。基本語順はSVO型である[41]。しかし、現代北方語や文語では「把」や「將」、「以」による目的格表示などがあり、SOV型の文を作ることができ、かつ膠着語に近づいている。



標準語の文法:我去???看?。/ 我去圖書館看書。W? qu tush?gu?n kan sh?. (図書館へ行って本を読む。)

現代語では、日本語のように動詞の前後や文末に助詞・助動詞が来る。例えば了は動詞につくとアスペクト(完了)を表し、文末につくとモダリティを表す。


中国語には時制を表す文法カテゴリーが存在しない。一方でアスペクトは存在し、動詞に「了」(完了)「?/過」(経験)「着/著」(進行)をつけることによって表される。

昨天我去了?影院。/ 昨天我去了電影院。(昨日、映画館へ行った。)

また、 による語形変化がないのが孤立語の特徴である。したがって、中国語でも名詞形容詞に格の変化は生じない。格は語順によって示される。

例1人称単数の人称代名詞「我」 (w?)

我去?中国。/ 我去過中國。(主格;私は中国に行ったことがある。)

上海語:我到中国去?个。/ 我到中國去過個。ngo to Tsoncue chicoughe.


我???我学?。/ 我媽媽讓我學習。(目的格;母は私に勉強させる。)

上海語:我个???我学?。/ 我個媽媽讓我學習。ngoghe mama gnian ngo ghozi.

英語が同じ語順: My mom made me study.


語彙

中国語は基本的に単音節言語であるが、現代語は複音節の語彙が増えている[42]。中国語の表記に使う漢字は一音節に一文字が用いられる。



家(ji?; 家)

走(z?u; 歩く)

大(da; 大きい)

例外的に借用語など、単音節では意味を持たない語がある。



玻璃(b?li; ガラス

本来の中国語のは単音節であるため、たとえ声調で区別をしても、必然的に全く同音の多義語同音異義語が多くなる。このため、特に北方語において、「目」→「眼睛」、「耳」→「耳?」、「鼻」→「鼻子」などのように複音節化して意味を明確にしている(橋本、1981)。

また、同じような意味の単音節の形態素を並べて、2音節の単語(日本語で言う熟語)を形成することがある。例えば、動詞「学/學」(学ぶ)は?音で (xue) と表記されるが、この同音異義語は5通り(学、穴、?、?、?)以上あり、「学ぶ」という意味をはっきりさせるために2音節の語にして「学?/學習」 (xuexi) とすることもできる。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 日本語における本土方言(内地語)と、琉球方言琉球語)の関係に似ている。

出典^ 「The world’s languages, in 7 maps and charts」ワシントン・ポスト 2015年4月23日 2020年6月28日閲覧
^ 「加盟国と公用語」国際連合広報センター 2020年6月28日閲覧
^ “ ⇒東外大言語モジュール|中国語”. www.coelang.tufs.ac.jp. 2020年9月7日閲覧。
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^ (橋本、1978)
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^ 「中国語の歴史 ことばの変遷・探究の歩み」(あじあブックス) p133 大島正二 大修館書店 2011年7月20日初版第1刷
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^ 「近代日中語彙交流史 新漢語の生成と受容 改訂新版」p77 沈国威 笠間書院 2008年8月20日
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^ 「近現代中国における言語政策 文字改革を中心に」p41 藤井(宮西)久美子 三元社 2003年2月28日初版第1刷発行
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