語形変化(活用)が生じず、語順が意味を解釈する際の重要な決め手となる孤立語である[40]。孤立的な特徴をもつ言語としては他にベトナム語などがある。基本語順はSVO型である[41]。しかし、現代北方語や文語では「把」や「將」、「以」による目的格表示などがあり、SOV型の文を作ることができ、かつ膠着語に近づいている。
例
標準語の文法:我去???看?。/ 我去圖書館看書。W? qu tush?gu?n kan sh?. (図書館へ行って本を読む。)
現代語では、日本語のように動詞の前後や文末に助詞・助動詞が来る。例えば了は動詞につくとアスペクト(完了)を表し、文末につくとモダリティを表す。
中国語には時制を表す文法カテゴリーが存在しない。一方でアスペクトは存在し、動詞に「了」(完了)「?/過」(経験)「着/著」(進行)をつけることによって表される。
昨天我去了?影院。/ 昨天我去了電影院。(昨日、映画館へ行った。)
また、 格による語形変化がないのが孤立語の特徴である。したがって、中国語でも名詞や形容詞に格の変化は生じない。格は語順によって示される。
例1人称単数の人称代名詞「我」 (w?) 中国語は基本的に単音節言語であるが、現代語は複音節の語彙が増えている[42]。中国語の表記に使う漢字は一音節に一文字が用いられる。 例 例外的に借用語など、単音節では意味を持たない語がある。 例 本来の中国語の語は単音節であるため、たとえ声調で区別をしても、必然的に全く同音の多義語や同音異義語が多くなる。このため、特に北方語において、「目」→「眼睛」、「耳」→「耳?」、「鼻」→「鼻子」などのように複音節化して意味を明確にしている(橋本、1981)。 また、同じような意味の単音節の形態素を並べて、2音節の単語(日本語で言う熟語)を形成することがある。例えば、動詞「学/學」(学ぶ)は?音で (xue) と表記されるが、この同音異義語は5通り(学、穴、?、?、?)以上あり、「学ぶ」という意味をはっきりさせるために2音節の語にして「学?/學習」 (xuexi) とすることもできる。
我去?中国。/ 我去過中國。(主格;私は中国に行ったことがある。)
上海語:我到中国去?个。/ 我到中國去過個。ngo to Tsoncue chicoughe.
我???我学?。/ 我媽媽讓我學習。(目的格;母は私に勉強させる。)
上海語:我个???我学?。/ 我個媽媽讓我學習。ngoghe mama gnian ngo ghozi.
英語が同じ語順: My mom made me study.
語彙
家(ji?; 家)
走(z?u; 歩く)
大(da; 大きい)
玻璃(b?li; ガラス)
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 日本語における本土方言(内地語)と、琉球方言(琉球語)の関係に似ている。
出典^ 「The world’s languages, in 7 maps and charts」
^ 「加盟国と公用語」国際連合広報センター