中国語
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台湾においても、日本の敗戦後に施政権を握った中華民国政府が「国語」(guoy?)(「普通話」とほぼ同一で相互理解は可能だが音声と語彙に差異がある)による義務教育を行っている[28]

シンガポールマレーシアなどの東南アジアの地域では、普通話や中華民国国語に似ている標準中国語が一般的に「華語」(huay?)と呼ぶ。
方言中国語方言の分布

2012年における中国で話される言語別の人口割合[29](下位にさらに細かい方言がある)  官話北京官話東北官話冀魯官話膠遼官話中原官話蘭銀官話西南官話江淮官話) (66.2%)  ?語 (6.2%)  呉語 (6.1%)  晋語 (5.2%)  粤語 (4.9%)  ?語 (4.0%)  客家語 (3.5%)  湘語 (3.0%)  徽語 (0.3%)  広西平話, その他 (0.6%)

中国には多くの方言がある。例えば、北京語北方語の一つ)と広州語(広東語・粤語の一つ)と上海語(東部に分布する呉語の一つ)では発音、語彙ともに大きく異なるだけでなく、文法にも違いがあり、普通話しか話せない者は、広東語などの方言を聞いてもほとんど理解できないため、別の言語とする見方もある。しかし、文章語は共通しており書かれた文の読解は容易であるため、中国ではテレビで放送されるドラマや映画、アニメなどに字幕を付けることが多い[30]。また各地方語はあくまでも中国語群には属していて対応関係が明確であるため、普通話を標準語として上位に置き、各地方語は方言と呼ばれることが一般的である[31][注釈 1]

方言区分は議論のあるところであり、いくつに分けるか学者によって異なっている。2分類では、湖南省以東では長江が南北の等語線とほぼ等しく(南通鎮江などは例外)、これより北と西の内陸部が「北方語」(および晋語)、これより南が南方諸方言地域に分類することができる (Encyclopadia Britannica, Inc., 2004)。

諸方言は中国祖語をもとに、タイ諸語などの南方諸語やモンゴル語満洲語など北のアルタイ諸語の発音、語彙、文法など特徴を取り込みながら分化したと考えられている。特徴として、声調を持ち、孤立語で、単音節言語であることが挙げられる (Columbia University Press, 2004) が、現代北方語普通話を含む)は代以降、かなりの程度アルタイ化したため必ずしも孤立語的、単音節的ではない。
七大方言
北方語官話方言)
華北東北方言(北京官話東北官話冀魯官話膠遼官話)- 北京天津黒竜江省吉林省遼寧省河北省河南省山東省内蒙古の一部。

西北方言(中原官話蘭銀官話) - 陝西省甘粛省山西省の全域と青海省寧夏内蒙古の一部、及び中央アジアのドンガン人居住区。

西南方言(西南官話) - 四川省雲南省貴州省湖北省の大部分、広西省西北部、湖南省西北部。

江淮方言(江淮官話南京官話) - 安徽省江蘇省長江以北の地域(ただし、徐州蚌埠は除く)、江蘇省鎮江以西から江西省九江以東にいたるまでの長江南岸地域。


呉語上海語、蘇州語など。)

粤語広東語

?語(南昌語など。客家語と近い。)

湘語(長沙語など)

?語
?北語

?東語

?南語台湾語

?中語

?仙語


客家語

十大方言

以下の方言は独立した大方言区とすべきとの議論がある。オーストラリア人文アカデミーと中国社会科学院がまとめた『中国言語地図集』はこの立場で編纂されている。
晋語 - 七大方言では北方語に属する。

徽語 - 七大方言では呉語に属する。

平話(広西平話) - 七大方言では粤語に属する。

Ethnologue は、漢語を14に分類している (SIL International, 2004)。キルギスドンガン語は、キリル文字を用いて表記し、ロシア語キルギス語などからの借用語が多く、使用国も異なるため、独立言語とし、平話を除いた九方言にドンガン語を加えたものである。この場合、?語?北語?東語?南語?中語?仙語の五つの言語に分けられる。

その他、分類が定まっていない小方言群がある。
音韻

中国語は声調言語である。音節の音の高低の違いが子音母音と同じように意味を区別している。これを声調(トーン、tone)という[32]。例えば、「普通話」には {ma} という形態素は軽声も含めて19個もある(松岡、2001)。しかし陰平声陽平声上声去声の四つの声調[32]軽声があるので、実際には5種の異なる形態素に分けられる。



陰平声(第一声) - 媽(m?; お母さん)- 高く平ら。

陽平声(第二声) - 麻(ma; 麻)- 上がり調子。

上声(第三声) - 馬(m?; 馬)- 低く抑える。

去声(第四声) - 罵(ma; 罵る)- 急激に下がる。

軽声 - ?(ma; 疑問の語気助詞)- 抑揚はなく、高さは前の声調により変わる。

表記

中国語の共通文字体系である漢字の歴史は古い。漢字は中国独自の文字で、ラテン文字などのアルファベットと異なり、音節文字であり表意文字である。漢字は大量かつ複雑な容姿をした部品を用い、かつ不規則な読み方をし、異体字や類義の字も多いため、習得に長期間を要し、経済的にも効率が悪いといった趣旨の否定的な評価から、文字の簡略化やラテン文字への移行を求める動きが民国期以降盛んとなり、簡体字や?音表記の開発へとつながっていった[33]。実際に朝鮮民主主義人民共和国ベトナムでは漢字を廃止した[34]

上記の動きに伴い、中国大陸中華人民共和国では1956年に、字画が少なく読みや構成にも統一性を高めた簡体字が正式採用された[35]。簡体字は、中国全土で使用されることが中央政府によって義務化され、シンガポールも中国語(華語)の表記に採用した。


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