この他、中国からの移民は世界各国で摩擦を生んでいる。
古くから東南アジア諸国などでは華僑が国の政治・経済に大きな影響力を有しており、近年では欧米や日本への移民の急増により、各地でチャイナタウンが形成されるなど、存在感を増している。
中国の軍事的な脅威として中国人民解放軍によるサイバーテロが論じられもする。ニューヨーク・タイムズは、ダライ・ラマ14世のコンピューターなど、103か国の政府や個人のコンピューターが、主に中国からのサイバー攻撃を受けていたと報じた[5]。
またF-35戦闘機の機密情報にアクセスしようというサイバー攻撃があったことを、アメリカ空軍が発表している[6]。
2010年には米国の調査機関が中国人民解放軍陸水信号部隊によるサイバー攻撃の事例を発表した[7]。
2012年3月11日のサンデー・タイムズは、中国のハッカーがF-35戦闘機のデータを盗み出すため、BAEシステムズのコンピューターに侵入していたと報じた[8]。
国別の反応
日本東シナ海
近年の中国における急増し続ける軍事費について、識者を中心に軍事的脅威が唱えられている。
中国の軍事費は1989年度から21年連続2桁増という勢いで増加しており、その予算の内訳が明確に示されたことはない。
また装備の取得・開発費や戦略ロケット部隊や人民武装警察の予算は軍事予算に含まれておらず、実態は公表されている予算の3倍の額になるという指摘もなされており、2005年8兆円(同年ロシア6.5兆円)2006年10兆円、2007年14兆円と見込まれており、これに従うならば軍事支出では世界2位で、国際関係上、旧ソ連が占めていた地位に近づきつつある[9]。
2008年3月4日、姜恩柱報道官は、中国の2008年度(1 - 12月)国防予算は前年度実績比17.6%増の4,177億元(約6兆600億円)に上ることを明らかにした[10]。
上記の通り研究開発費などを含む実際の軍事費はさらに大きいとみられるが、公表額においてもフランスを上回り、米国、イギリスに次ぐ世界3位の軍事費になった公算が大きい。
核およびミサイル配備詳細は「中華人民共和国の大量破壊兵器」、「中国の核実験」、および「中国人民解放軍ロケット軍#ミサイル発射基地」を参照DF-21の射程(赤線)
中国人民解放軍ロケット軍のミサイル発射基地については軍事機密のため公開されてこなかったが、1980年代に一部公開され、すべてではないが一定程度公開されている。
中国は核弾頭搭載可能な中距離弾道ミサイルDF-21とDF-3をはじめ日本を射程内に収めている。
元海上自衛隊第5航空群司令川村純彦は中国のミサイル約800基のうち約100基は日本を照準としていると発言している(2006年時点)[11]。
また中国軍は台湾に照準を合わせたミサイルを2005年から2006年にかけて710基から790基に増強している[12]。
以下、日本を射程内としているものとして推定される基地について記す[13]。
中国の国防の観点からは、日本、韓国、台湾、フィリピン、およびそれら各地域の駐留アメリカ軍、およびアメリカ本土までを射程にいれている[14]。
瀋陽基地(第51基地、96101部隊):遼寧省瀋陽。1990年代初めに吉林省通化から移転。東風3号、東風21号を装備。
第806導弾旅(96111部隊):陝西省韓城 : 標的:アメリカ[13]。東風31号を配備。
第810導弾旅(96113部隊):大連金州 : 標的 : 日本、韓国[13]。東風3号配備。
第816導弾旅(96115部隊):吉林省通化 : 標的 : 日本[13]。DF東風15を配備。
第822導弾旅(96117部隊):山東省?蕪 : 標的 : 日本[13]。2000年に編成、東風21号配備。
皖南基地(第52基地、96151部隊):安徽省稽嶺山。東風3号、東風21号、東風15号、東風11号、東風18号を装備
第807導弾旅(96161部隊):安徽省池州 : 標的 : 台湾[13]。東風21号配備。
第811導弾旅(96163部隊):安徽省祁門 : 標的 : 台湾
第815導弾旅(96165部隊):江西省楽平 : 標的 : 台湾
第817導弾旅(96167部隊):福建省永安 : 標的 : 台湾
第818導弾旅(96169部隊):広東省梅州 : 標的 : 台湾
第819導弾旅(96162部隊):江西省?州 : 標的 : 台湾
第820導弾旅(96164部隊):浙江省金華 : 標的 : 台湾
第801導弾旅(96261部隊):河南省霊宝 : 標的:アメリカ[13]
第804導弾旅(96263部隊):河南省欒川 : 標的:アメリカ
第813導弾旅(96265部隊):河南省南陽 : 標的:アメリカ
湘西基地(第55基地、96301部隊):湖南省懐化。東風4号、東風5号を装備。東風31号?
第803導弾旅(96311部隊):湖南省靖州 : 標的:アメリカ
第805導弾旅(96313部隊):湖南省通道 : 標的:アメリカ
第814導弾旅(96315部隊):湖南省会同 : 標的:アメリカ
第824導弾旅(96317部隊):湖南省洞口 : 標的:日本、台湾[13]
? 湖南宜春新営区 : 標的:日本、台湾[13]。
空軍近代化Su-27 フランカー
従来、中国人民解放軍空軍は3,000機のJ-6戦闘機(中国製MiG-19)を保有していた。J-6は日本を空襲できるまでの航続性能が無いため日本の国防上の脅威ではなかったが、1990年代末からこれら旧式機が寿命更新期を迎えると、Su-27がロシアからの輸入/ライセンス生産方式で量産され始め、更に2006年からは中国国産のJ-10の年産50機程度の量産が始まった。
これら新型機の導入により、中国空軍の戦闘機の世代は一気に2世代新型になって置き換わり始め、航空自衛隊の航空戦力に追いつきつつある。
新型戦闘機の多くが上海周辺から沖縄/九州、又は北朝鮮の租借地から日本海沿岸を空襲できる航続性能を持っており、一部は東京空襲さえ可能となった。
また、日中間海域の航空シミュレーションでも、アメリカ空軍の本格来援までは中国側が優勢を占める可能性が高い。
これら中国空軍近代化により自衛隊の再編成にも影響を及ぼしている。
将来的には、中国空軍は日本に航続距離が届く戦闘機2,400機を保有することになると見られている[15]。
日本では、当時の小泉政権が歳出削減のため、戦闘機の定数を300機から260機に削減していた。
空自は「量」を「質」で補うために、寿命を迎えるF-4EJ改の代替に最新鋭F-22ステルス戦闘機の導入を切望しているが、F-22は最先端技術の塊であるため、2007年7月25日の米国下院歳出委員会で禁輸措置の継続が決定された。
中国空軍近代化を象徴する事件の一つとして、2011年8月中旬ごろに中国空軍のSu-27もしくはSu-30が東シナ海の日中中間線を越え、海上自衛隊の情報収集機を追尾したことが挙げられる。