中国神話
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中国神話に関して、史書の多くが神話時代を扱わないため「神話なき国」とされがちであった[3]としている。中国文化学者の伊藤清司は、「中国の神話は古文献の行間に断片的に散見するのみ」と述べており[4]、その理由として「紙を発明して歴史や政治の記録資料が豊富な中国で神話の資料や遺産が少ないのは極めて不思議なことだが、当時の知識人の熱量が神話より当時の政治・戦争情勢などの問題を解決する方に向いていたことによる」という見解を示している[5]。また、中国の思想書である『論語』には、「怪力乱神を語らず」とあり、君子は怪力乱神などの怪しい情報を語ることはないとしたことも影響しているとみる人もいる[6]

古典資料としては『山海経』、『水経注』、『書経』、『九歌(中国語版)』、『史記』、『礼記』、『楚辞』、『呂氏春秋』、『国語』、『春秋左氏伝』、『淮南子』などで体系的ではないにしろ、漢民族の神話を垣間見ることができる[3]。ただし、これら全てが漢民族本来の伝承であったか、さまざまな民族の干渉や逆に他民族の伝承由来であるかは定かではなく、中国神話学の重要な課題と考えられている[3]。古典以外の資料では、道教や仏教などの影響を受けた著者による改竄もみられる[2]
分類

中国の古代神話研究の第一人者である袁珂は、中国神話に含めるべきものを九つに分類したが、そのうち重要なものを神話・伝説・仙話・歴史としている[7]

同時に、これらは明確に区別すべきではないこと、そして古代の口承の伝説においては、それらは実際には互いに包摂し合っており、区別できないとも述べている[7]

神話 - 自然現象や災害や不思議なことを合理的に説明する自然崇拝としての竜王雷神などの形で崇めた。当時の社会生活や古代宗教の巫術のイメージから神が作られたもの。

伝説 - 現実の話などが誇張や改変されて伝わったもので、大抵は現実世界の法則からは外れない。

仙話 - 神話の変形で神仙故事とも言う。道教に登場する仙人たちの話で、もとの神話や伝説に登場する人間や神を道教の仙人として取り入れたケースもみられる。

歴史 - もともと歴史であるのに神話的な性格を付与されている神話化された歴史と、もともと神話であるのにのちに歴史化されたものが含まれる。

昔のひとは、これらを想像力や中国の民俗宗教儒教仏教道教などの影響を受けて変化・発展させた。世界を切り開き死骸で世界を作った盤古は、道教に取り入れられ元始天王(元始天尊)と呼ばれ、太元玉女(太元聖母)を妻とし、天皇を子とした。
構成

主なもの。
天地開闢の時代
盤古 女? 伏羲 ?? が登場する。盤古は、混沌の中で生まれた。その後、身長が1日ごとに伸び、その成長と共に天地が分かたれた。別の伝説によれば、斧などで切り開いたという話もある。やがて盤古は死に、その死骸は山や海や川や太陽になった。女?は、始めは黄土から自分を真似て人を作った。その後に縄と泥から人間を作り黄土でできた人間と泥でできた人間が混血した。現代人の能力に優劣があるのはこのためとされる。女?の兄妹または夫婦と目される伏羲は、古代世界においてさまざまな文化をはじめてつくった存在であり、書契や八卦を定め、家畜飼育・調理法・漁撈法・狩り・鉄製を含む武器の製造を開発し、婚姻の制度を定めた。
黄炎の時代
神農炎帝蚩尤 黄帝 蒼頡 有巣氏 燧人氏 少昊 太昊黄帝と蚩尤が戦争し、黄帝が勝利した。黄帝は中国とされる領域を統治し、三皇の治世を継ぎ、中国を統治した五帝の最初の帝であるとされる。以降、の始祖を初め数多くの諸侯が黄帝の子孫であるとされる。
堯舜の時代
堯舜とは、中国古代の名君主と、その後継者ののことである[8]。彼らの時代は、「堯舜の治」と呼ばれ理想化され、堯の禅譲を「堯舜禅譲」と呼ぶ[9]。堯の父王である?なども、この時代区分に含まれる。四凶渾敦 饕餮 窮奇 檮?四罪共工 驩兜 三苗
?禹の時代
? ?は中国神話最大の英雄とされる。堯の時代に天帝であると妻の羲和の間の太陽となる10人の息子が空にいっぺんに現れた。灼熱地獄となった地上を救うため、天から派遣された?は1つを残して9の太陽を射落とした。これにより地上は再び元の平穏を取り戻した。その後も?は、各地で人々の生活をおびやかしていた数多くの悪獣(??鑿歯九嬰大風修蛇封?)を退治し、人々にその偉業を称えられ、英雄とあがめられた。相柳
神仙
西王母 祝融
その他
牛郎 織女 嫦娥 天女散花 精衛填海海外三十六国
出典^ “神?与?史的??”. 2008年2月20日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2008年2月2日閲覧。
^ a b c 袁珂 著、鈴木博  訳『中国の神話伝説【上】』青土社、1993年4月、73-74頁。ISBN 479175221XISBN 978-4791752218
^ a b c 『中国神話』 - コトバンク
^ 伊藤清司『日本神話と中国神話』学生社、1979年、61-62頁。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-4311304347。 
^ 高橋庸一郎「 ⇒漢民族と神話」『阪南論集 人文・自然科学編』第34巻第4号、阪南大学学会、1999年3月、81-88頁、ISSN 03881822、NAID 120005849611。 
^ https://www.facebook.com/ArtExhibitionJapan+(2023年2月1日).+“【レビュー】かわいらしくも恐ろしい? 古代中国の「奇想」が満載――泉屋博古館東京で「不変/普遍の造形―住友コレクション中国青銅器名品選―」 2月26日まで”. 美術展ナビ. 2023年6月8日閲覧。
^ a b 袁珂 著、鈴木博  訳『 ⇒中国の神話伝説【上】青土社、1993年4月、18頁、76頁。ISBN 479175221XISBN 978-4791752218
^ 堯舜. コトバンクより。
^ “KATO Toru's website 加藤徹”. www.isc.meiji.ac.jp. 明治大学加藤徹. 2023年10月12日閲覧。


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