中国大陸
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

「米国大陸」という表現も間違っており、正確な表現は北米大陸である[1]

中華人民共和国(中国)と中華民国台湾)では政治及び法律の分野で公的に用いられており、中国では中国大陸(ちゅうごくたいりく)、台湾では大陸地区(たいりくちく)[2]という別称も使用されている。基本的な領域はアジア大陸部と海南島及びそれらに付属する島嶼であるが、詳細な範囲は用語の使用者・使用時期により異なっているため、用語の利用状況に留意する必要がある。
中国側の定義

中華人民共和国の領土から台湾香港マカオを除いた地域。モンゴル独立した国として認められている。

具体的な例としては、香港返還直前の1997年2月に全国人民代表大会常務委員会が採択した『中華人民共和国香港特別行政区基本法の第百六十条を根拠とする従前から香港にある法の処理に関する全国人民代表大会常務委員会の決定』の附件三-8[3]において、中国の領土は「中国大陸・台湾・香港及びマカオで構成される」と明確に定義している。
台湾側の定義2006年刊行の『中華民國年鑑』[4]に基づく中華民国の公式な領土。モンゴルを独立した国として認めていない。
.mw-parser-output .legend{page-break-inside:avoid;break-inside:avoid-column}.mw-parser-output .legend-color{display:inline-block;min-width:1.5em;height:1.5em;margin:1px 0;text-align:center;border:1px solid black;background-color:transparent;color:black}.mw-parser-output .legend-text{}  台湾地区  大陸地区

中国大陸・香港・マカオを一括する総称。地域としてのモンゴルを含む場合と含まない場合がある。

台湾側の定義には混乱があり、また場合によって定義自体が変わることもあって、台湾政府はこれを解決する為、対中特別機関の「大陸委員会」を作り、この大陸委員会に中国・香港・マカオに関する事務を任せた。台湾政府の司法判断や法令の条文、行政府の実務においては「中華人民共和国実効支配下にある地域」を「中国大陸」としているが、それぞれの解釈は異なっている:

1954年に最高行政法院(中国語版)が下した「43年判字第11号」[5]は「大陸」を「民国三十八年の政府遷台から今日まで淪陷し、窒礙の状態にある地」[注 1]と記し、同年に司法院が下した憲法解釈の「釈字第31号」[6]は、「大陸各省市及び蒙古西藏」を「中共に占領された地域」と規定している。

1982年最高法院が下した「71年台上字第8219号」の判例[7]でも、「我が国の大陸領土は共匪によって一時的に盗まれている」[注 2]が「それは依然として固有の領土である」[注 3]と記している。

法令の条文や行政の実務における実例は、「中共」・「共匪」と表現していた中華人民共和国と実務的な接触が生じるようになった1980年代後半から発生するようになった。例えば、行政院が中華人民共和国との業務全般を担う部署として1988年に設置した機関は「行政院大陸工作会報」と命名され、1991年に行政院大陸委員会へと改編された。

法令上の用例としては、1989年に大陸工作会報が公布した「台湾地区と大陸地区の民衆の間接通話開放を実施する方法」[8]において「大陸地区」が事実上「中華人民共和国の実効支配地域」を意味する語として用いられ、1991年中華民国憲法増修条文が公布されると「大陸地区」が憲法上の用語となった。この時点では「大陸地区」の範囲が法令上は明文化されていなかった。

1992年に制定された「台湾地区と大陸地区の人民関係条例」[2]第2条第2項で「大陸地区」は「台湾地区以外の中華民国の領土」であり、かつ同条例の施行細則第三条[9]で「本条第二条第二項の執行区域は、中国共産党の支配下にある地区を指す[注 4]」と法的に規定された。

範囲
中国中華人民共和国における中国大陸
上段:アジア大陸部(中国大陸)と海南島
中段:中国大陸と香港澳門の位置関係
下段:中国大陸と台澎金馬(台湾地区)の位置関係

中華人民共和国(中国)における「中国大陸」ないし「祖国大陸」は、中国政府領有権を主張している領域の内から特定の地域を除外した範囲を指す(領有権を主張する範囲については、中華人民共和国#地理及び中華人民共和国#領土問題を参照のこと)。ただし除外される範囲は、中国政府の用例を見ると1980年代以前と1990年代以降とで差異が見られるため注意が必要である。
1980年代以前の用例

1980年代以前の中国政府による用例では、1. 中華民国実効支配を続ける台湾地区(自由地区)、及び2. 民間の定住者がいない南海諸島以外で中国政府が領有権を主張する領域を「中国大陸」としていた。

具体的用例としては、1958年9月に全国人民代表大会常務委員会が承認した『中華人民共和国政府の領海に関する声明』の第一条[10]において、領海を12海里とする「規定が及ぶ範囲」を「中華人民共和国の一切の領土」とし、具体的範囲として「中国大陸及びその沿岸島嶼」、「台湾及びその周囲各島、澎湖列島東沙群島西沙群島中沙群島南沙群島」と記載している。また、1987年10月に中華人民共和国国務院が公表した『探親旅行[注 5]で祖国大陸に来た台湾同胞の受け入れに関する中華人民共和国国務院弁公庁の通知』[11]において、中華人民共和国が実効支配している地域を「祖国大陸」または「大陸」、中華民国が実効支配している地域を「台湾」と記載している[注 6]
1990年代以降の用例

1990年代以降の中国政府による用例では、1. 主権が外国(植民地)から中国に移管された香港及びマカオ、及び2. 中華民国が実効支配を続ける台湾以外で中国政府が領有権を主張する領域を「中国大陸」としている。

この用法は、マカオ返還直前の1999年10月に採択された『《中華人民共和国マカオ特別行政区基本法》第百四十五条を根拠とする従前からマカオにある法の処理に関する全国人民代表大会常務委員会の決定』の附件四-6[12]でも踏襲された上、香港では『釈義及び通則条例』第2A(3)条[13]、マカオでは『回帰法』附件四-六[14]において法的に明文化されている。

なお、中国政府が主権移管後の香港及びマカオを中国大陸と別個に扱っているのは、一国二制度により特別行政区とされた両地域が植民統治終了後も中国のその他地域とは異なる政治・法律体系を引き続き採っており、中央政府の直接支配が及んでいないからである。実際、同じ国内でありながら、香港・マカオと中国大陸とでは相互に出入国管理にあたる出入境管理を行っている(詳細は香港の査証政策及びマカオの査証政策を参照のこと)。
台湾『第一屆國民大會第六次會議實?』付属の『中華民國全圖』(1979年5月)
1978年中華民国総統選挙の実施に際し、名目上国民大会が代表している国家の範囲を示している。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:69 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef