この会談中に馬英九が一度だけ、台湾の正式名称である「中華民国」に言及し、会場の空気が張り詰めたが、習近平は顔色一つ変えずに聞き流した場面があった[10]。習近平が馬英九に訂正を求めれば会談は決裂する可能性があった。これには伏線があり、会談にさかのぼる10月下旬に始まった事務レベルでの交渉で、台湾側が『馬英九が「中華民国」に言及しなければ政権が持たない』と主張した[10]。これに中国側が反発し、交渉は頓挫しかけた[10]。しかし、習近平は「相手を困らせるために会談するわけでない」と指示を出し、交渉の流れが会談実現に傾いたという[10]。
関連項目
蒋毛重慶会談
北平和談(中国語版)
辜汪会談(中国語版)
連胡会談(中国語版)
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 今回の会談では、「党総書記」「総統」などの肩書きを使わない代わりに、「領導人」(中国語で「指導者」のこと)と呼び合った。
^ 中華人民共和国の国旗。
出典^ 田中靖人 「中台「一つの中国」の原則確認 独立派を牽制、会談「定例化」は見送りか」 産経新聞2015年11月7日付、2015年12月30日閲覧.
^ 「 ⇒「一つの中国」の原則を確認 中台首脳会談」 日本経済新聞2015年11月7日付、2015年12月30日閲覧.
^ ⇒“中台、「一つの中国」確認 ホットライン開設で合意”. 日本経済新聞. (2015年11月7日). ⇒http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM07H45_X01C15A1MM8000/ 2016年7月4日閲覧。
^ 朝日新聞(2015年11月8日)朝刊第1面「中台「一つの中国」再確認 分断後初の首脳会談」
^ a b c d e f g h i j k l m 朝日新聞(2015年11月8日)朝刊第2面「中台、同床異夢の握手 対立棚上げ「国旗」なし」
^ a b c d e f g h 朝日新聞(2015年11月7日)朝刊第13面「今日中台首脳会談 シンガポールで習氏「連帯」強調」