中上健次
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^ 中上の実家はこの頃には土建の仕事が成功して裕福になっており(中上自身の言によると「土方の親方の家ですから 。成金の家ですね 」)[31]、大卒の初任給が1965年当時平均2万3千円の時代に、高澤秀次著『評伝中上健次』によると月3万円の仕送りを受けていたという[40]。一方、(『エレクトラ : 中上健次の生涯』)によると仕送りの額は月に5万円から6万円で、それを7日間から10日間で使い果たすと姉に無心し5万円から6万円の仕送りを受けていたともいう[41]。1966年には亜細亜大学に合格したと嘘をついて親から入学金と授業料をせしめていた[42]。また亜細亜大学の学費とは別個に、アテネ・フランセの入学手続きに必要な金を送らせたこともある[43]
^ ジャズビレッジでは牧田吉明鈴木翁二などの知己を得た[44][45]
^ ビレッジバンガードではビートたけし永山則夫とすれちがっている[46]。自分と似た境遇の永山則夫の起こした連続射殺事件にショックを受けた若き中上は「ぼくはなぜ書くのか? なぜ実際の犯罪でなく 、書くことの犯罪(中略)であるのか? なぜピストルでなく万年筆なのか?」との問題意識から「犯罪者永山則夫からの報告」という長編エッセイを書いている。(『鳥のように獣のように』所収)。
^ 当時のジャズ狂いのフーテン生活をこう綴っている。「西武線沼袋に住んだ頃は、いつも歩いて新宿まで出た。職なしのチンピラ風の、彼らや、オイラが、スケアな奴を尻目に、たとえばコルトレーンを、テイラーを、ある時はデビス(注:ママ)を、スキャットしながら町を行く。金を持っている時、駄菓子屋で、パンを買った。コロッケを買った。それを食いながら、歩いた。マリワナエフェドリンハイミナールドローランソーマニールナロン、くすりは手に入る限り、なんでもやった。しかし頭も体も狂いはしなかった。くすりのようなジャズ、知りたての女の、よがり声のようなジャズ、注射器にすいあげられた血のジャズ、魂のジャズ。」[47]
^ 1933年から70年まで発行された、主宰保高徳蔵の老舗文藝同人誌。著名な同人は林京子加賀乙彦勝目梓津島佑子など。
^ 「俺十八歳」は高校在学中に書き始め、東京に出てから完成した。出身高校の文芸誌に載せようと送付したところ、内容的に大人向きの雑誌に投稿した方が良いと教師に言われ、『文藝首都』に投稿することになった[49][31]。芥川賞受賞後初期作品集として『十八歳、海へ』として単行本に纏められるときに『十八歳』に改題された。また初出時には冒頭で主人公が自転車を漕ぎながら歌う歌は次のようであった。「鑑別所のくらしは良いもんだ/飯もくえるし 太陽も照るぞ/文句は云えまい 誰にもよ」しかし、単行本化にあたりビートルズの「ミッシェル」の歌詞に変更された[50]
^ 同人誌掲載のの最初期の創作は、芥川賞受賞後、1977年『十八歳、海へ』に纏められた。
^ 中上健次の全国発売の商業文芸誌へのデビューは、1968年9月「文學界」に掲載された短い詩『季節への短い一章』となる。なお小説家としての商業誌デビューは翌1969年『一番はじめの出来事』(「文藝」8月号)である。
^ 山口かすみは、紀和鏡の筆名で1985年『Aの霊異記』でデビューし、伝奇小説を数多く執筆する。筆名は中上が「気は狂」から命名した[52]
^ 同じ同人誌から出発した同世代の作家の津島佑子は、中上の文学的な「盟友」ないしは「妹分」とされることがある[53][54]。津島は、中上の『文藝首都』時代の習作をあつめた『十八歳、海へ』(集英社文庫)の解説を執筆している。中上が東京新聞連載の長編『鳳仙花』を出版した頃、津島もちょうど『山を走る女』の新聞連載を終えており、それらを巡って、また『文藝首都』時代の思い出や文学論を語りあった対談をしている[55]。中上の早逝時に津島が執筆した追悼文や中上との思い出を記したエッセイは津島の著作『アニの夢 私のイノチ』(講談社)にまとめられている。
^ 中上健次と柄谷行人は終生、公私にわたり特別な関係を持ち盟友、朋輩ともいうべき間柄であった。彼らは時代やキャリアの転換期などの節目に、重要な対談を行い、それらは現在では『柄谷行人中上健次全対話』に纏められている。柄谷が作家の名前を冠して著した批評集は夏目漱石坂口安吾、中上健次の三名のみである。柄谷は中上没後の全集の編集委員を務めている。また私的には中上の結婚時の媒酌人、葬儀委員長も務めている[58]
^ 『三田文学』における伝説的な出会いのシーンを対談においてこう回想している。《中上》「『三田文学』の編集室に遠藤周作がいてさ、オレはほら、やっぱり大先輩だって感じあるじゃない。ヘェーッて、こう笑いながらでも、やっぱり会えてよかったなってとこあるわけだよね、読んでたから。」「ヘラヘラ笑ってるのはさ、やっぱり、こっちのなんか弱みをカバーするために笑ってるわけですよ。
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