江戸時代になって、当時の世界地図をもとにした『世界図屏風』[注釈 1]が広く流布したが、ここにおける「世界」は今日の用例と同じ、「地球」「万国」の意味である。1867年(慶応2年)初版のジェームス・カーティス・ヘボンの『和英語林集成』では、これを踏襲して、地球、万国の意としての「世界」の語がみえる。また、井上哲次郎らの編集による『哲学字彙』(1912)には、world、cosmosの訳語として、「宇宙」とともに「世界」をもあてている。
堺屋太一は、チンギス・ハーンによって「世界」がはじめて意識されるようになったとしている。堺屋によれば、チンギス・ハーン自身が「東洋と西洋は1つ」という世界観をもっており、大量報復思想、信仰の自由とともに「ジンギスカンの三大発明」と呼んでいる[4]。
なお、世界にかかわりの深い用語である「国際化(Internationalization)」は、17世紀ヨーロッパで成立し、その後世界的に拡大した主権国家体制の存在を前提にしている。それに対し、「グローバル化(Globalization)」は政治や文化、経済上の国境にとらわれない動きである。すなわち、前者では国境の役割は依然大きく、たとえば文物が国境を通過することは監視すべきものとされるが、後者ではそもそも監視すべきではなく、秘匿性が重要な価値観のひとつとして考慮されている。国際化あるいはグローバル化の進展によって、各領域、各分野においてトランスナショナルな関係も広がっている。現代においては、経済におけるグローバル化の進展とともに、とくに政治領域における地域化(Regionalization)の進展も顕著である。なお、歴史的には、地域相互の間の関係を称するのに「域際(Interregional)」の語も多用されてきた。17世紀のオランダは域際貿易や域際交流において重要な役割を果たしてきたといわれる。
世界の諸地域「大陸」、「大州」、「六大州」、および「地球の半球」も参照
半球による二分
赤道を基線として → 北半球・南半球
本初子午線を基線として → 東半球・西半球
陸と海の割合をもとにして → 陸半球・水半球
大局的な分類
アフロ・ユーラシア(ユーシリカ)
ユーラシア
アジア
ヨーロッパ
アフリカ
アメリカ(南北アメリカ)
北アメリカ
アングロアメリカ
ラテンアメリカ
中央アメリカ
南アメリカ
オセアニア
オーストラリア
北極
南極
局地的な分類
環太平洋・環大西洋
北極圏・南極圏・赤道地帯
極東・中東・近東・中近東
大州
ヨーロッパ州 → 北ヨーロッパ・西ヨーロッパ・東ヨーロッパ・南ヨーロッパ
アジア州 → 北アジア・中央アジア・南アジア・東アジア・東南アジア・西アジア
アフリカ州 → 北アフリカ・中部アフリカ・東アフリカ・南部アフリカ・西アフリカ
北アメリカ州 → 北アメリカ・中央アメリカ・カリブ海地域
南アメリカ州 → 南アメリカ
オセアニア州 → ポリネシア・メラネシア・ミクロネシア・オーストララシア
国際機関・組織現在活動中の主な国際機関・国際組織・非政府組織。
国際連合(UN)
国際連合児童基金(UNICEF)
国際労働機関(ILO)
国際連合教育科学文化機関(UNESCO)
国際通貨基金(IMF)
世界銀行(WB)
世界保健機関(WHO)
世界気象機関(WMO)
国際司法裁判所(ICJ)
世界貿易機関(WTO)
経済協力開発機構(OECD)
国際原子力機関(IAEA)
国際連合世界食糧計画(WFP)
G8(主要国首脳会議)
G20(20ヶ国・地域首脳会合および20ヶ国・地域財務大臣・中央銀行総裁会議)
欧州連合(EU)
欧州評議会(CE)
欧州安全保障協力機構(OSCE)
北大西洋条約機構(NATO)
アジア太平洋経済協力(APEC)
石油輸出国機構(OPEC)
アラブ石油輸出国機構(OAPEC)
アフリカ連合(AU)
アラブ連盟(AL)
イスラム諸国会議機構(OIC)
東南アジア諸国連合(ASEAN)
独立国家共同体(CIS)
イギリス連邦(UK)
朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)