世界
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西洋に目を向けてみると、古代ギリシア語では「kosmos」コスモス という言葉が用いられ[3]、この語は《世界》を意味しつつ、《美しい飾り》や《秩序》という意味も備えていた[3]。つまり、《カオス》という概念と対比されつつ、《美しい秩序をそなえた世界》を意味していた[3]。このようにギリシア?西洋においては、世界の概念は、秩序と関連づけられる面がことさら重視されたらしい[3]。『ヨハネによる福音書』においても、「言葉は世(コスモス)にあった。世は言葉によって成ったが、世は言葉を認めなかった」とある[3]。最初の二つの「世」(コスモス)は、神によって創造され神的秩序をそなえた世のことを指しており[3]、3番目の「世」は人間によって秩序を与えられた世間を指している、という[3]。そしてアウグスティヌスはこのくだりに基づいて、mundus(ラテン語で「世界」)を、被造物の全体としての世界と、世俗的な世間としての世界を区別して考えたという[3]『世界図屏風』のもととなったマテオ・リッチの『坤輿万国全図

江戸時代になって、当時の世界地図をもとにした『世界図屏風』[注釈 1]が広く流布したが、ここにおける「世界」は今日の用例と同じ、「地球」「万国」の意味である。1867年慶応2年)初版のジェームス・カーティス・ヘボンの『和英語林集成』では、これを踏襲して、地球、万国の意としての「世界」の語がみえる。また、井上哲次郎らの編集による『哲学字彙』(1912)には、world、cosmosの訳語として、「宇宙」とともに「世界」をもあてている。

堺屋太一は、チンギス・ハーンによって「世界」がはじめて意識されるようになったとしている。堺屋によれば、チンギス・ハーン自身が「東洋と西洋は1つ」という世界観をもっており、大量報復思想、信仰の自由とともに「ジンギスカンの三大発明」と呼んでいる[4]

なお、世界にかかわりの深い用語である「国際化(Internationalization)」は、17世紀ヨーロッパで成立し、その後世界的に拡大した主権国家体制の存在を前提にしている。それに対し、「グローバル化(Globalization)」は政治や文化、経済上の国境にとらわれない動きである。すなわち、前者では国境の役割は依然大きく、たとえば文物が国境を通過することは監視すべきものとされるが、後者ではそもそも監視すべきではなく、秘匿性が重要な価値観のひとつとして考慮されている。国際化あるいはグローバル化の進展によって、各領域、各分野においてトランスナショナルな関係も広がっている。現代においては、経済におけるグローバル化の進展とともに、とくに政治領域における地域化(Regionalization)の進展も顕著である。なお、歴史的には、地域相互の間の関係を称するのに「域際(Interregional)」の語も多用されてきた。17世紀のオランダは域際貿易や域際交流において重要な役割を果たしてきたといわれる。
世界の諸地域「大陸」、「大州」、「六大州」、および「地球の半球」も参照
半球による二分

赤道を基線として → 北半球南半球

本初子午線を基線として → 東半球西半球

の割合をもとにして → 陸半球水半球

大局的な分類

アフロ・ユーラシア(ユーシリカ)

ユーラシア

アジア

ヨーロッパ


アフリカ


アメリカ(南北アメリカ)

北アメリカ

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ラテンアメリカ

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オセアニア

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北極

南極

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環太平洋環大西洋

北極圏南極圏赤道地帯

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