世界都市
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一方、2019年の中国共産党の自由弾圧により、香港には政治リスクがあり、投資の減少や資産の流出によりその地位が危ぶまれている[45]
シンガポール「シンガポール」も参照

アジアを代表する世界都市の一つ[19][27][28][26]。外国為替市場の取引額で日本を上回るなど[29]、世界的な金融センターに成長している[10]富裕層人口が多く、中央値の世帯収入も高水準である[46]シンガポール国立大学南洋理工大学はアジア最高水準の大学との評価を受けるなど[47]、高水準の高等教育機関が所在する。シンガポール・チャンギ国際空港は2017年に世界最高の空港に選出されている[48]。世界有数のデスティネーションであり、マーライオンマリーナベイ・サンズは代表的なランドマークである。高等教育を受けた人材や英語話者が比較的多く、税制の効率性やビジネスのしやすさなどが高いことから[49]、多くの多国籍企業はアジア太平洋の地域統轄拠点としている。
研究調査

世界都市に関してもランキング指標が作成されている[50]

埴淵 (2018)では、代表的なランキング指標としてGaWC研究、グローバル都市指標、世界の都市総合力ランキングが挙げられている[50]
グローバル都市指標

グローバル都市指標(Global Cities Index)は、A.T.カーニーによる指標である[51]

アメリカの世界的な経営コンサルティング会社A.T.カーニーは2023年、第13回目となるグローバル都市指標のレポートを公表した[52]。2008年から開始されたこのランキングは、グローバル都市研究の第一人者であるコロンビア大学教授のサスキア・サッセンや世界都市研究で有名なGaWCディレクターのピーター・テイラーが同レポートで見解を示すなど、代表的な世界都市指標の一つになっている。2022年版では世界主要156都市を評価の対象としており、「ビジネス活動」(加重平均30%)、「人的資本」(同30%)、「情報流通」(同15%)、「文化的経験」(同15%)、「政治的関与」(同10%)の5つの分野、合計29の測定基準による総合評価によって順位を決めている。調査結果によると、ニューヨークが世界最高であり、ロンドン、パリ、東京が続いた。上位10都市は以下の通りである。

順位都市
1 ニューヨーク
2 ロンドン
3 パリ
4 東京
5 北京
6 ブリュッセル
7 シンガポール
8 ロサンゼルス
9 メルボルン
10 香港

世界の都市総合力ランキング

世界の都市総合力ランキング(GPCI, Global Power City Index)は、森記念財団都市戦略研究所(森ビル)による指標である[51]。2008年に発表を開始して以来、毎年そのランキングを更新している[27]。最高顧問にユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン元教授で「世界都市」を著したピーター・ホール、委員にグローバル都市研究の第一人者であるコロンビア大学教授のサスキア・サッセンなど世界的な有力者によって作成・監修されている。

最新の2022年版では、世界を代表する主要48都市を選定し、都市の力を表す6分野(「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」)における70の指標に基づいて評価を行った[53]。総合順位の首位は11年連続でロンドンであった[54]。分野別では「経済」及び「研究・開発」でニューヨーク、「文化・交流」でロンドン、「居住」でパリ、「環境」でストックホルム、「交通・アクセス」で上海がそれぞれ首位になった[55]。総合順位の上位10都市は以下の通りである[56]

順位都市
1 ロンドン
2 ニューヨーク
3 東京
4 パリ
5 シンガポール
6 アムステルダム
7 ソウル
8 ベルリン
9 メルボルン
10 上海

JLL

アメリカの総合不動産大手のJLL(ジョーンズ・ラング・ラサール)は2017年、The Business of Cities(ザ・ビジネス・オブ・シティーズ)と共著で世界都市ランキングを発表した[57][26]。世界300以上の最先端の都市比較インデックスの中から網羅性、安定性、認知度に基づき選出された44の都市比較インデックスを7項目(企業のプレゼンス、ゲートウェイ機能、市場規模インフラ基盤、人材、専門性とイノベーションソフトパワー) において分析し、都市の現状や発展のレベルなどを総合的に評価した[58]。世界でもっともグローバル化が進み、競争力のある経済があり、企業資本、有能な人材が集中している都市を「確立された世界都市」(Established World Cities)として最上層のヒエラルキーに位置づけた[59]。ロンドン(1位)、ニューヨーク(2位)、パリ(3位)、シンガポール(4位)、東京(5位)、香港(6位)が上位6都市となっており、これに今回新たにソウル(7位)が加わり、世界最高水準のグローバル都市「ビッグ7」を形成している[58]。特にロンドンとニューヨークが世界のグローバル都市を牽引し、企業の存在感、人材を惹きつける魅力、投資総額、文化や価値観で主導的な地位を維持している[58]。また、ロサンゼルスを筆頭に「ビッグ7」に続く第2グループの10都市も特定した[26]。2017年版において「確立された世界都市」に特定された17都市は以下の通りである。

格付け都市
トップグループ

ロンドン

ニューヨーク

パリ

シンガポール

東京


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