世界保健機関
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2019年5月時点で、世界保健機関は保健・医療に関する、人的資源の指標(医師、歯科医師、看護師、薬剤師、メディカル・ソーシャル・ワーカーなど)、物的資源の指標(病院・病床、介護施設・介護床、訪問医療事業者・介護事業者、医療器具、医薬品、上水道・下水道など)、経済財政資源の指標(GDPに対する医療費の比率、医療費の公費負担受益者率、医療費の公費負担率、GDPに対する公費負担医療費率、人口一人当たりの医療費・公費負担医療費)、生命と健康に関する結果指標(年齢別生存率・死亡率(生命表)、病気の種類別の罹病率、死亡原因別の比率、出生時と年齢別の余命(寿命)・健康余命(寿命)など)と、その経年変動に関して、約1,450種類の指標項目を定義し、世界各国の政府と保健医療政策行政機関から報告を受け、世界各国、大陸地域別、世界全体の統計データベースを公開している[14][15][16][17][18]。指標項目の一部を抜粋して、世界保健公報(World Health Publications)[19]、世界保健統計年次報告書(World Health Statistics)として公開している[20]
組織地域事務局の管轄地域と所在地 .mw-parser-output .legend{page-break-inside:avoid;break-inside:avoid-column}.mw-parser-output .legend-color{display:inline-block;min-width:1.5em;height:1.5em;margin:1px 0;text-align:center;border:1px solid black;background-color:transparent;color:black}.mw-parser-output .legend-text{}  アフリカコンゴブラザヴィル)   アメリカアメリカ合衆国ワシントンD.C.)   東地中海エジプトカイロ)   ヨーロッパデンマークコペンハーゲン)   東南アジアインドニューデリー)   西太平洋フィリピンマニラ

WHOの最高意思決定機関は毎年開催される総会である[21]。総会には加盟国すべてが代表を送ることができる。総会においては3分の2の多数によって条約や協定を制定することができる。この条約は加盟国には強制力はないものの、加盟国はたとえ自国の代表が反対した条約でも18か月以内に国内での採択に向けて何らかのアクションを起こさなければならない。また、総会においては34カ国の委員を3年任期で執行理事会理事に選出し、これによって構成される執行理事会が総会の執行機関となる[22]。また、常設の事務局があり、総会の議決に基づき通常業務を行う。事務局長がWHOのトップとなる。事務局長は総会において選出される[23]。WHO全体の職員数は約8,000人である[24]

2016年5月現在、194の国と地域が加盟している[25]

右の図のように、世界にアフリカ・アメリカ・東地中海・ヨーロッパ・東南アジア・西太平洋の6つの地域事務局が置かれ、それぞれに管轄地域が与えられている。また重点区域とされている150か国[24]には国事務所が設置されている[26]WHO本部(スイス・ジュネーブ)WHO本部の大会議室WHO神戸センター
歴代事務局長

代肖像氏名就任日退任日出身国/地域
1
ブロック・チゾム(英語版)1948年7月21日1953年7月21日 カナダ
2マルコリーノ・ゴメス・カンダウ(英語版)1953年7月21日1973年7月21日 ブラジル
3ハルフダン・T・マーラー(英語版)1973年7月21日1988年7月21日 デンマーク
4中嶋宏1988年7月21日1998年7月21日 日本
5グロ・ハーレム・ブルントラント1998年7月21日2003年7月21日 ノルウェー
6李鍾郁2003年7月21日2006年5月22日 韓国
臨時アンデルス・ノルドストレム(英語版)2006年5月22日2007年1月4日 スウェーデン
7陳馮富珍(マーガレット・チャン)2007年1月4日2017年7月1日 香港
8テドロス・アダノム2017年7月1日(現職) エチオピア

付属機関

WHOは付属機関として、フランスのリヨンにある国際がん研究機関(IARC)や、日本の神戸にあるWHO健康開発総合研究センター(WHO神戸センター、WKC)を持つ[26]
財政

WHOの予算は2年間を会計年度とし、資金は、加盟各国に課され主に事務経費などに使用される分担金と、加盟国や国際機関など各種団体が拠出しWHOの各種プロジェクトに用いられる寄付金によってまかなわれている[27]。寄付金の多くは使用するプロジェクトを指定した上で寄付されるが、使途を指定しない寄付も行われる。2018-2019年度のWHO資金は56億2400万ドルだった[28]。WHO財政の特徴として、分担金はWHO資金のわずか17%を占めるに過ぎず[29]、資金の大半を寄付金が占めることが挙げられる。また、ビル&メリンダ・ゲイツ財団GAVIアライアンス国際連合人道問題調整事務所国際ロータリー世界銀行といった各種団体の寄付金拠出が大きく、国家の占める割合が相対的に少ないことも特徴である。寄付金のうち、使途指定寄付金はWHO総収入の77%を占めるのに対し、使途の指定されていない寄付金は3%に満たない[30]

WHOの最大出資者はアメリカ合衆国であり、分担金・寄付金ともに最大である。分担金額は2018-2019年度においてはアメリカ(2億3700万ドル)[31]、日本(9300万ドル)[32]中国(7600万ドル)[33]の順となっている。これに対し、寄付金額は2018-2019年度においてはアメリカ(6億5600万ドル)[34]、ビル&メリンダ・ゲイツ財団(5億3100万ドル)[35]、イギリス(3億9200万ドル)の順となっている[36]。この両者を総合した出資金額もアメリカ、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、イギリスの順となる。中国は分担金額は世界3位となっているが、寄付金額は2018-2019年度で1000万ドルに過ぎないため、総合出資では10位以内に入らない[37]

一方寄付金の使途としては2018-2019年度においてはポリオ撲滅が9億9000万ドル、26.51%を占めて最も大きい。次いで、基本的な健康・栄養サービスの提供強化が4億5300万ドルで12%、ワクチン関係が3億3500万ドルで8.89%となっている[38]。出資者ごとに重視する事柄は異なり、例えばビル&メリンダ・ゲイツ財団は寄付金のうち約6割をポリオ撲滅に投じている[39]ほか、GAVIアライアンスは寄付金の72%をワクチンに投じている[40]

十大出資者(2018-2019年度、2019年第4四半期まで) 単位:100万ドルNo.出資者分担金寄付金
(使途指定)寄付金
(使途指定なし)総計
(2年間)割合出典
1アメリカ合衆国23765689315.9%[41]
2ビル&メリンダ・ゲイツ財団5315319.4%[42]


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