与板藩
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1884年(明治17年)、藩主家は子爵となっている。
歴代藩主
牧野家

譜代 1万石 (1634年 - 1689年)
康成(やすなり)〔従五位下、内膳正〕

康道(やすみち)〔従五位下、遠江守

康重(やすしげ)〔従五位下、周防守

井伊家

譜代 2万石 (1705年 - 1873年)
直矩(なおのり)〔従五位下、兵部少輔〕

直陽(なおはる)〔従五位下、丹波守

直員(なおかず)〔従五位下、伯耆守

直存(なおあり)〔従五位下、伊賀守

直郡(なおくに)〔夭折により官位官職なし〕

直朗(なおあきら)〔従四位下、右京大夫若年寄

直暉(なおてる)〔従五位下、宮内少輔〕

直経(なおつね)〔従五位下、兵部少輔〕

直充(なおみつ)〔従五位下、兵部少輔〕

直安(なおやす)〔従五位下、兵部少輔〕

藩の内情
老臣

この節の加筆が望まれています。

牧野家藩主時代の家臣筆頭は倉地家であったが、本藩の長岡藩に帰参した。倉地家以下の上級家臣として、牧野家・野口家・加藤家・木俣家・諏訪家・真木家・稲垣家・平井家・甲谷家・小川家・太田家(順不同)があった。与板初期の家老3家(倉地・牧野平四郎・加藤)は、いずれも藩主牧野家の牛久保在住期以来の譜代である。
参勤交代

この節の加筆が望まれています。

井伊家の江戸城詰席は帝鑑間であった。上屋敷安永年代は数寄屋橋内、文久年代は向柳原、明治になると下谷七曲りに所在した。参勤の様子は1824年文政7年)を例に取ると、5月15日に与板を出発、三国街道を進み川口六日町三俣須川渋川本庄桶川板橋に宿泊する。5月23日江戸へ到着した。
藩校

江戸藩邸には以前から学問所が開かれていたが、藩内では1860年万延元年)に正徳館(しょうとくかん)の名称で藩校が創設された。戊辰戦争で与板城が焼失した影響で一旦閉校となったが、上野御徒町で漢学塾を開いていた小橋多助を招き、その指導の下で1869年(明治2年)10月29日に開校式を行い再興された。その際、藩士の子弟に限らず広く学問の志ある領民に就学を呼びかけ、「極貧者でも良し。衣食住に欠ける者は校内に寄宿しても良い」と触れを出して万民に対する学びの場への門戸を開き、幅広く有為な人材登用を目論んでいたとされる。実際に藩士の子弟に限らず商人の子弟の入学者が存在している。

再興当時の在籍者は通学生が70名、寄宿生が30名ほどであり、藩外からの生徒も存在した。他藩と同様に文芸として朱子学漢学書道を、武芸として剣術槍術柔術射術砲術馬術を実践していた。それ以外にも与板中島(現 長岡市与板町東与板)に於いて西洋砲術の訓練が実施されるなどした。

1871年(明治4年)、廃藩置県に伴い与板県となると「与板県学校」と改称した。柏崎県編入後も授業が行われていたが1872年(明治5年)7月に廃止された。なお、長岡市与板地区内に所在する新潟県立正徳館高等学校は、この藩校の名を冠して創立された学校である。また長岡市立与板小学校内にある学校・郷土関連の資料室も「正徳館」の名で呼ばれている。
城下町の様子

陣屋の所在した与板信濃川左岸に開け、西側は日本海との間の低い丘陵地となっている城下町として知られた。太平洋戦争空襲を受けなかった事から、現在でも残る城下町特有の鍵型の道路や小路がそれを物語っている。現在の住所表記である「与板甲」(町内で言えば馬場丁・泉丁・長丁・下丁)は陣屋が所在することから主に武士の居住地域、「与板乙」(町内で言えば新町・仲町・上町・船戸・横町・蔵小路等)は主に商人・職人の居住地域として定められていた。特に新町・仲町・上町・横町に商店が集中し、何れも民家は間口が狭く屋根は妻入りで細長い(「うなぎの寝床」状態)様子であった。

城下町だけでなく信濃川水運の川港町としての役割が強く、町場は支流黒川沿いに立地しすぐに信濃川に合流することから、新潟長岡方面以外にも大坂廻米等も扱う廻船問屋が多く生まれ賑いを見せた。享保年間は9名の船持、14艘の廻船を有していた記録があり、その後時代が下るに連れて廻船の数も増加し繁栄した。その為大坂屋三輪家、扇屋中川家の様に豪商として名を成し藩の御用商人となった者が傑出した。市場も『越後野志』に「与板新町ニテ、毎年六月二十五日ヨリ七月朔日迄市アリ、四方ノ商客輻輳ス、又馬モ売買ス」と記される様に賑っており、商圏も広く当時は長岡と同等の町場が開けていたようである。港町ということで付近の農村部の物資が集結し発展を続けた。
現存する建物

陣屋の大手門が浄土真宗西本願寺派新潟別院に明治維新後、移築されている。また切手門が恩行寺に移築され、両方とも長岡市の指定文化財に指定されている。また、冠木門は1997年に陣屋跡に建つ与板ふれあい交流センター内に復元されている。


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