不老不死
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生物としては多くのカメ[17][18][19]ハダカデバネズミ[20][21]アホウドリ[22][23]などは、ほとんど老化せず年をとっても死亡率が上がらない。
人体冷凍保存
近年、人体冷凍保存(クライオニクス)という技術が注目を集めている。海外では、有名メジャーリーガーのテッド・ウィリアムズが自身の死後、遺体を保存している。未来で遺体の細胞を損なうことなく解凍し治療できる技術ができ次第、解凍する予定であるとされている。
デジタル化
記憶などをデータに変換するデジタル・イモータリティ(英語版)という考え方がある。Blue Brainプロジェクトでは人間の脳の動きを再現する試みが行われている。
批判

不老不死を「永遠に続く生の苦しみ」「死による終わりがない苦しみ」と解釈し、それに警鐘を鳴らすことで不老不死を求める愚かさや、永遠の生にまつわる詐欺行為を戒める寓話や伝説は数多い。例えばフライング・ダッチマンなどは永遠の責め苦を与えるために不老不死を与えられている。またギリシア神話プロメーテウスは神族であるがゆえに不老不死であり、それによってゼウスが科した内臓を山上で晒しものにされカラスについばまれ続け苦痛を受け続けるという刑罰が成立している。

不老不死が不可能と解っていつつ、少しでも長く生きたいと思いながら、毎日一日一日をいい加減に扱う人間の生き方を、東西の賢人達は警告した。兼好法師は『徒然草』の中で以下のように記した[8]。名利につかはれて、しずかなるいとまなく、一生をくるしむるこそおろかなれ ? 『徒然草』第38段人間はアリのように集って、東西に急ぎ、南北に走って…夜になると眠り、朝がくると働きだす。何のためにそうした生活をいとなんでいるのか。ただ長寿を願い、利を求めてやむときがないのである。しかし老とはまことに速くやってくる。そんな有り様で人生に何の愉しみがあるだろうか。ところが迷っている人間は、それを少しも気にかけない。というのは、名利におぼれて、という人生の終点が近いことを考えようとしないからである…。 ? 『徒然草』第74段

古代ローマの思索家セネカも『人生の短さについて』で兼好法師と同様に、人生は短いのではない、人間がそれを短くしてしまっているのだ、と述べた。それは不摂生で人生を短くしているといった意味ではなく、我々が、一日一日を大切に生きていない、一日一日を活かしきっていない、ということを述べているのだという。セネカは、毎日を「人生最後の一日」のように思いつつ、明日を頼りにして今日を失わないこと、心の多忙から解放されることを薦める。心が忙しないと、たとえ物理的には引退して別荘に住んでいても、心は感じるべきことを感じない。セネカはこれを「怠惰な多忙」と呼んだ[8]

また、心を肝心でない事柄に向けて忙しくしてしまうことを、ブレーズ・パスカルは『パンセ』などで「divertissment(ディベルティスマン)」と呼んだ[24]
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 換言すれば、そのような存在は不老不死の個体ではなく、精神や意思が(それを伝えてきた民族の精神や文化すなわちミーム同様)不変であるとする。
^ なお、ほとんどの細胞は新陳代謝によって常に生まれ変わり、いくつかの内臓器官は数年で完全に新細胞に入れ替わっている。言い換えれば、細胞そのものが永久に不老である必要はなく、常に代謝が正常に行われれば不老であると考えられる。

出典^ Marshall Fredericks (2003年). “GCVM History and Mission”. Greater Cleveland Veteran's Memorial, Inc.. 2009年2月16日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2009年1月14日閲覧。
^ 『デジタル大辞泉』。不老:「いつまでも若く、年をとらないこと。」不死:「いつまでも死なないこと。」不老不死:「いつまでも歳をとらず、また、死なないこと。」
^「Weblio 類語辞典」-不老不死。
^ 『デジタル大辞泉』。
^ a b 北康利『匠の国日本: 職人は国の宝、国の礎』PHP研究所、2008年、190-193頁。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 9784569696836。 
^ a b c d 多田元『もう一度学びたい古事記と日本書紀』西東社、2006年、106頁。ISBN 9784791613878


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