下妻物語
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しかし予想外にイチゴのポスターは出来栄えがよく、評判になりモデルの仕事が舞い込むようになったが、イチゴにはモデル業を本職にする気はなく、土浦市のモータースで相変わらずバイク整備のアルバイトを続けながら、一人で町中を爆走している。
映画版と小説版の違い

映画は、嶽本野ばらの原作の内容ほぼ踏襲しているが、少し違いがある。大きな違いは、イチゴがレディース仲間と対立するきっかけである。原作では、桃子が刺繍を入れた新作ワンピースの撮影のためのモデルが使えなくなって、イチゴが代わりにモデルを務めたことにより、集会に行けなかった出来事が対立のきっかけになっている。このエピソードを省略していることで、エンディングでのイチゴのモデルデビューが唐突で不自然なものになってしまっている。映画版に付け加わったこととしては、刺繍をいれた新作ワンピースを「BABY, THE STARS SHINE BRIGHT」に届けに行く日に、桃子がイチゴの窮地に駆けつけなくてはならなくなり、磯部社長に電話をかけるシーンがある。クライマックスで桃子がレディースたちに凄むシーンでは、原作では(関西弁の中でも柄が悪いとされている)尼崎弁であるが、映画では当該シーンの最初のセリフを除いて標準語である。

このイチゴの救出シーンにおいて、映画では桃子が「自分は伝説のレディース、ヒミコの実の娘だ」と大ボラを吹くことで敵の戦意を喪失させているが、原作ではたまたま原チャリのカゴに入っていた父のテキ屋用のヨーヨーを(尼崎弁で凄みながら)桃子が投げつけたことで、それをガソリンの詰まった殺人的な「ヨーヨー爆弾」であると敵が勘違いし恐れをなしてイチゴを解放している。
登場人物(映画キャスト)
竜ヶ崎桃子
演 -
深田恭子(少女時代:福田麻由子)主人公の一人。下妻に住むロリータ・ファッションを愛する女子高生。洋服のためであれば、父親をだますことも決していとわない。生まれつき淡白な性格で、自分がロリータであることを誇りに思っており、理論武装をし、「ロココ」の「好き勝手に生きる」精神に従って生きている。そうした「自分さえ幸せならそれでいい」という生き方を「性根が腐っている」とイチゴに言われている。学業成績は良い方で、高校は進学校に通っているが、学校ではいつも1人。いじめられているわけではなく、単純に他人に関心がなくずっと妄想していたいため。天才的な刺繍の才能を持っている。二回連続でパチンコ屋で大連チャンしたため、博才もある(ただし本人は博打に興味なし)。徹底した個人主義者で模範的な生き方には全く興味を持たず、両親の離婚の際には、再婚先が裕福な母親よりも、「いっしょにいた方がきっと面白い」という理由だけで父親についていくことを決めている。元々は関西出身だったが、訳あって(後述)現在は父と祖母と下妻の大きな古い平屋に住んでいる。だらしない父を別段嫌っている様子もなく、変わり者の祖母も慕っており、2人も桃子に対しては少し変わった形であるが、愛情を持って育てており、桃子に「変わってほしい」や「やる気を出して友達と楽しく生きて欲しい」とは思っておらず、桃子が好きなことをやらせており、嫌なことは強制しない。「人は一人ぼっちで生きていくものであり、友達は必要ない」と言い切っていたが、イチゴと出会うことで心境が変わっていく。
白百合イチゴ
演 - 土屋アンナ主人公の一人。バイクで疾走することをこよなく愛する女子高生。「イチゴ」という暴走族に似合わぬ可愛らしい名前にコンプレックスを持っており、仲間には「イチコ」と名乗っている。愛車は原動機付自転車を強引に族仕様に改造したものである。見かけは厳ついヤンキーであり、誰にでもすぐガンを飛ばす癖がある。言葉遣いに品がなく、簡単な漢字を間違える(「無用」を「無様」と勘違いする)など無知であり勉強は全く出来ない。しかし根は真面目なイイ奴であり、自分なりの筋を通すことを大切にしており、友達に対する熱い思いやりの心を持っている。尾崎豊のファン。実は良家の一人娘であり、中学生までは両親のために満面の作り笑顔でピアノを弾くようなお嬢様だった。しかし、作り笑いと元来の気弱な性格のため高校でパシリにさせられたりいじめに遭う。1人で夜に雨の中泣きながら歩いていたのを亜樹美に声をかけられ、彼女に憧れて不良の道へと走ることになった。とはいえ、両親に迷惑をかけることはしたくないようである。得意技は頭突きで、何度か桃子に食らわせては気絶させている。偽ヴェルサーチがきっかけで桃子と知り合い、徐々に友情を深めていく。
桃子の父
演 - 宮迫博之雨上がり決死隊)桃子の父親であり、典型的なダメ親父。できちゃった結婚の末桃子が産まれた。怠けた性格だが、娘にはかなり優しく、父子関係は良好である。桃子の質問には基本的に答えるが不真面目な人間であるため、常にテキトーである。やる気もなく友達もおらず、田舎でロリータファッションで浮いている娘に対して注意することもなく、愛情はそれなりに注いでいる。元々は尼崎で偽ブランド屋をやっていた下っ端のヤクザだったが、版権元に目を付けられ、娘の桃子とともに実母(桃子の祖母)が住む下妻に転がり込んできた。その後テキ屋になり、ヨーヨー釣りの屋台を開くための準備をしている。元妻が整形して美人コンテストに出た際に落選していたのをテレビで見て「ザマァミロ!」と大喜びし、嬉しさのあまり号泣するような器の小さな男である。
桃子の母
演 - 篠原涼子桃子の母親。本名は「西園寺みどり」。水商売で働いていた。桃子の父親とは別れ、桃子の出産に立ち会った産婦人科医(阿部サダヲ/二役)と再婚している。再婚相手がお金持ちのため、桃子を連れて行こうとしたが、桃子は父を選んだ。整形し美人コンテストに出たが、最後に落選している。
桃子の祖母
演 - 樹木希林桃子の祖母。変わり者の桃子の唯一の理解者で、本人も変わり者。昔は相当なヤンキーだったらしい。得意技は空中の虫などを素手でつぶすこと。理由は詳しく描かれていないが資金は豊富で、大きな家と広い庭を持つ。桃子たちを事実上養っている。年代物の原動機付自転車を持っており、これは後に桃子のために役立つ。昔の抗争で眼球を負傷したため、眼帯を付けている。手芸の腕前はなかなかで、桃子がその血を受け継いだと見られる。
産婦人科医/一角獣の龍二
演 - 阿部サダヲ自称、下っ端の極道。パチンコ屋で桃子達を助けたことにより、イチゴに好意を持たれる。亜樹美の恋人。映画版では極端に長いリーゼントから「一角獣」の異名をとるが、原作では髪形については「オールバック」となっており映画版ほどの個性は無い。
磯部明徳
演 - 岡田義徳代官山に本店を持つロリータ・ファッションのショップ「BABY, THE STARS SHINE BRIGHT」の社長。桃子の刺繍の才能を見込み、新作に入れる刺繍を依頼する。「友達はいらない」と語っているが、実際は夢のために友達を作るのを諦めた事を後悔している。
亜樹美
演 - 小池栄子イチゴが所属する暴走族のレディース「舗爾威帝劉」(「ポニーテール」と読む)の頭。結婚するため、引退する。イチゴは彼女に恩があり、彼女の引退式のために何かしたいと考えている。彼女が在籍当時、メンバーはイチゴを含め7人。
ミコ
演 - 矢沢心舗爾威帝劉2代目頭。「全国制覇をヒミコに命じられた」と各地のレディースを潰し、同士を増やしていこうとした。イチゴのタイマンで押されてしまうと、メンバーを扇動してリンチを実行させた卑怯者。イチゴを助けるために殴り込みをかけた桃子に怖気づき、最終的にイチゴを手放した。
八百屋
演 - 荒川良々下妻によくトラックで移動販売に来る。


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