上皮は機能的に以下のように分類できる。すべての上皮細胞は生理的に以下の複数の機能を担っている。
分泌上皮 - 粘液、酵素、ホルモンなど生物活性のある物質を産生し分泌する。
吸収上皮 - 水、電解質、栄養源となる物質を能動的に吸収したり輸送する。
導管上皮 - 管腔面を覆い物質の転送を促進する。
被覆上皮 - 表面を被覆し物理的または化学的なバリアを構成する。
また、形態によっても分類される。まず、細胞の並び方によって、次のように分類される。
単層上皮 - 細胞が基底膜上で一列に並んでいる。
多列上皮 - 細胞が基底膜上で数列に並んでいる。ただし、すべての細胞は突起をのばして基底膜に接触している。
重層上皮 - 細胞は基底膜上で重なりあうように何列(およそ10から30)にも並んでいる。
一つ一つの細胞の形によっても、分類される。
扁平上皮 - 細胞は潰れたような平たい形をしている。
立方上皮 - 細胞は立方形である。
円柱上皮 - 細胞は縦方向に長い円柱形をしている。
線毛上皮 - 細胞に線毛が生えている。
これらの用語を組み合わせて、「食道の上皮は、重層扁平上皮である」といった具合に以下のように表現する。
単層扁平上皮:血管・リンパ管内皮、漿膜中皮(中胚葉由来、外・内胚葉由来の真性上皮に対して、偽上皮)
単層立方上皮:汗腺上皮(エクリン腺腺房の上皮)
単層円柱上皮:消化管上皮、呼吸器・気道上皮(多列線毛円柱上皮が多い)
重層扁平上皮
発生学的には、三胚葉のいずれも上皮成分に分化する。例えば、皮膚は外胚葉に由来し、消化管上皮は内胚葉に由来する。そして、腎臓の尿細管は中胚葉に由来する。
脚注[脚注の使い方]^ 左巻健男、青野裕幸『話したくなる! つかえる生物』2014年、明日香出版社、12頁、ISBN 978-4-7569-1712-6
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