戦前から多くの日本人が住む上海には2015年現在、9,962社の日系企業が進出、46,115人の日本人が住み、海外で3か月以上留まって暮らす長期滞在の日本人が多い都市として、タイのバンコクに次ぎ、2番目となっている[29]。短期滞在者を含めると10万人以上の日本人が滞在しているといわれる。日本総領事館や日本人学校などもあり、日本料理店をはじめ、日本人向けの店も多い。 上海人の姓(苗字)は多い順に、張、王、陳、李、朱、徐、周、沈、呉、陸である。沈と陸が上海特有の姓、それ以外は中国人姓の20位以内に数えられる。近隣の江蘇省、浙江省の姓ランキングも上海とほぼ同じである。 中国は人口問題を抱えるため、農村と地方都市の人は自由に大都市に移住することができない。それにもかかわらず、近年の経済発展に伴って多くの出稼ぎ労働者が中国各地から上海に来て仕事をしている。その数約660万人以上といわれるが、正確な数字の把握は難しい。出稼ぎ労働者の出身地はいずれも普通語を使う四川省、江蘇省蘇北、安徽省、東北地方の者が多い。出稼ぎ労働者は上海を建設すると同時に、大きな社会問題と治安問題をも招いている。公安機関の統計によれば、上海市の75%以上の強盗、殺人、暴行などの悪質な犯罪は市外の中国人により発生している[30]。 したがって、上海では北京市と並び、中国大陸において最も厳しい戸籍政策がとられている。しかし大都市の戸籍を持つ人には様々な特権がある。例えば、親が上海戸籍を持つ者なら、子供が生まれたとき区の社会保険局から15万円から数十万円までの援助金を得ることができる。戸籍を持つ子供は優先的に幼稚園、小学校、中学校に進学できる。一方、上海戸籍を持たない者は、上海の大学受験に参加できない[31]。また、一部の悪質な会社は、上海戸籍を持たない社員に住宅積立金、年金を支払わないケースもある。このような戸籍問題に関するトラブルは絶えない。 中国は都市と地方の格差が激しいため、日本やアメリカ合衆国などの外国への観光査証発行は、上海や北京など沿岸経済発展地域の戸籍を持つ者が優待される[32]。 普通話は学校や公式な場面で使われている。上海語は呉語を代表する方言である。本来文字はなかったが、音に近い漢字が当てられた。上海語の中にも方言があり、浦東・青浦地域に存在する。崇明島ではまた違った言語が話されるが、上海語に近い。上海には周囲の江蘇省・浙江省から多くの労働者が出稼ぎに来たため、彼らの多くが今も住む上海駅周辺では上海語とは異なる言語である「蘇北語」が話されている。普通話と上海語とはまったく通じないが、普通話の教育が中国全土で行われているため、大抵の上海人が普通話を使用することができる。 上海語で放送されるテレビ番組や上海語で上演される戯曲などがある。中国では上海語の学習書なども出版されている。 中国最大の経済都市である。2014年の市内総生産は2兆3,560億元であり、北京市を凌ぎ同国第1位である[33]。2014年の上海都市圏の総生産は5647億ドルであり、世界8位の経済規模を有する[34]。アジアでは東京都市圏、ソウル都市圏、大阪都市圏に次ぐ第4位である。 また、日本経済研究センターは、2035年にはニューヨーク、東京、ロサンゼルスに次ぐ世界第4位の経済規模に成長すると予測している[35]。 2020年9月の調査によると、上海は世界3位の金融センターであり、東京や香港を抑えて初めてアジア首位に立った[36]。2015年に上海市が公表した統計によると、2014年における労働者の平均賃金は年65,412元(約126万円)であり、月平均5,451元(約10.5万円)である[37]。また、2015年の上海市の最低賃金基準は、月給の場合2,020元(約3.9万円)であり、時給の場合18元(約347円)である。第三次産業の中でも、とりわけ金融産業に従事している労働者の平均賃金が高く、2011年現在、年167,173元(約284万円)となっている。一方、農業など第一次産業に従事している労働者の平均賃金は2011年現在、年31,765元(約54万円)、第二次産業に従事している労働者の平均賃金は、年44,598元(約76万円)、第三次産業に従事している労働者の平均賃金は、年60,341元(約103万円)である[38]。 上海市の主要交通手段はバス、自転車、船であったが、2000年代からはトロリーバス、地下鉄網、タクシー、電動スクーター、高速道路網をも活用した自動車などが主な交通手段となる。鉄道は国鉄以外では上海軌道交通が一手を担っている。 大手のタクシー会社は、スーツを着用していたり、一流ホテルで客待ちできたりするので識別するのは可能である。わざと遠回りして標準価格より2倍以上請求した事実が発覚した場合、その運転手は永久にタクシーライセンスを剥奪される。 自動車の急激な台数増加を抑制するため、自動車の所有は限定発行されるナンバープレートを競売で入手することが前提となっている。2018年頃のナンバープレートの落札額は9万元を超えることもあり、車両本体価格よりもナンバー代の方が高くなる可能性もある[39]。上海市外のナンバープレートを調達する回避策もあったが、市外ナンバーの走行禁止時間帯が設定されるなど規制は厳しくなっている[40]。 上海は中国東部の鉄道中枢上海鉄路局の所在地である。1876年7月3日に開通した呉淞鉄道は中国で初めての鉄道であり、一度撤去された後、淞滬鉄道として再建された。北方面の京滬線と南方面の滬昆線の始発駅。2007年1月28日より中国高速鉄道CRH2型電車の営業運転を開始した。 市内のほとんどの公共交通機関において上海公共交通カードを利用できる。 上海には、西郊外の長寧区にある上海虹橋国際空港と、浦東新区にある上海浦東国際空港の2つの空港があり、共に中国東方航空や上海航空、春秋航空のハブ空港の役目を担っている。 国際線は2002年10月以降浦東国際空港に集約され、虹橋国際空港を発着する国際線の便はなかったが、2007年9月29日に東京・東京国際空港との間で1日4往復の定期チャーター便、同年10月28日にソウル・金浦国際空港便が就航した。 浦東国際空港へのアクセスとして、上海軌道交通2号線のほか、上海トランスラピッドが供用されている。 1988年10月31日に開通した滬嘉高速道路は中国で初めての高速道路である。A20(外環線)以内の高速道路、A1(迎賓大道)、大型橋、トンネル等は無料であるが、時間帯によって上海以外のナンバープレートをつけた自動車の流入が規制される。2008年11月から長江デルタ地域ETCの全面導入に伴う高速道路料金システムは電子化された。交通管理は全国で最も厳しいといわれる。市内いたるところに監視カメラが設置され、交通違反した車は上海市境の高速道路料金所で累計した罰金を科せられる。
上海人の姓
戸籍問題
言語
経済上海市最大の繁華街『南京路』徐家匯の商業地区上海証券取引所浦東新区陸家嘴(りくかし)金融貿易区
交通
自動車
タクシー
自家用車
鉄道上海市の地下鉄路線図(2024年)上海トランスラピッド
中国国鉄の駅
上海駅(上海火?站)
上海南駅(上海南站)
上海西駅(上海西站/滬寧都市間鉄道の列車のみ停車する)
上海虹橋駅(上海虹?站/滬寧都市間鉄道の列車のみ停車する)
駅舎は2010年の上海万博にあわせて大規模な改装とホーム屋根の改築を行った。一等車待合室には中国語・英語・日本語の電子掲示板サービスが提供される。
上海軌道交通(上海地?)
上海軌道交通1号線は1995年開通、以後拡張を続けている。こちらも上海万博にあわせて大幅な延伸が行われ、近年は青浦、南匯といった郊外地域まで相次いで開業している。2023年10月現在、総延長は830kmに達した。2030年ごろには23路線・総延長約1000km以上に達する予定である。
上海トランスラピッド(上海磁浮列?)
浦東国際空港と上海軌道交通2号線竜陽路駅の間に実用型リニアモーターカーが開通し、世界で初めて超高速運転を行っている。世界で3番目に開業した磁気浮上式鉄道の常設実用線である。杭州市までの延伸計画を検討中。
滬寧都市間鉄道(??城??)
南京駅と上海駅および上海虹橋駅の間に2010年7月1日に開通した。
京滬高速鉄道(京?高速?路)
北京南駅と上海虹橋駅の間に2011年6月30日に開通した[41]。
交通カード
空港
民用空港上海虹橋国際空港上海浦東国際空港
軍用の空港
上海大場空港(上海大?机?)
上海崇明空港
上海龍華空港
上海江湾空港
高速道路洋山深水港と上海市を結ぶ東海大橋盧浦大橋
市内スカイウェイ
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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