上海
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結局、ロックダウンの解除は2か月以上経過した6月1日深夜となった[24]
社会上海市の地理
人口動態

2012年6月末の常住人口は2,433.4万人、このうち上海戸籍人口が1,451.1万人、外来人口が982.3万人となっている。上海市人民政治協商会議の統計によると、ここ10年間、平均で約66万人上海市の人口は増え続けている。

2012年末の男性平均寿命80.18歳、女性平均寿命84.67歳、戸籍人口平均寿命82.41歳。2012年には60歳以上の高齢者の人口比率が17%となっている。100歳以上の老人が1,251名、最高齢者は114歳。現在上海市家庭総数の61.06%に当たる305万世帯が一人っ子家庭である。高齢化と少子化問題は、市政府にとって大きな課題となっている。近年、中国の優秀人材に上海の戸籍を発給(いわゆる“新上海人”)したり、上海人に2人の子を産む許可を出すなどの人口政策を打ち出している。
計画生育政策

2016年1月1日から、中華人民共和国で「全面二人っ子政策」(簡体字中国語:全面二孩政策)が正式に施行された[25]。2016年に新しく修正された「上海市人口と計画生育条例」によると、夫・妻の中の一人、若しくは二人ともが上海の戸籍を持つ場合は、上海の政策が適用される。法律に則って結婚している夫婦は、国で定めた結婚休暇の日数以外、さらに7日が付与される。また、子供を産んだ妻は、国で定めた産休の日数以外、さらに30日の育休が付与される。夫の方は10日の配偶者出産休暇が付与され、休み中の賃金は全額支給される。

上海の戸籍を持つ公民は、2016年1月1日以降に子供を出産した場合、上海市の計画生育家庭特別扶助制度が適用されなくなる。2015年12月31日以前に子供を出産し、且つ計画生育家庭特別扶助制度の条件を満たす上海戸籍を持つ公民は、引続きその扶助金が支給される[26]

「全面二人っ子政策」に関して注意すべきなのは、特殊な状況を除き、初めての出産が多胎出産である場合は、その後の出産は認めないという点である[27]。この政策は、二回産むことではなく、二人の子供を産むことを強調しているのである。
上海人の構成.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}1930年代、上海にモダンブームが起き、チャイナドレス(旗袍)に該当する衣服はこの時期に生まれた。上海市最大の繁華街『南京路』(1930年代)

上海の原住民は松江周辺に居住していた。元の時代には上海県ができた。1840年のアヘン戦争以後経済が急速に発展し、近隣の地方から次々に移民が入ってきた。現在の上海人の8割以上は、北の江蘇省と南の浙江省からの移民である。特に江蘇省長江の南部と浙江省北部の江南からの出身者が上海人の半分以上を占める。これが上海の文化にも大きな影響を与えている。上海語は寧波市・蘇州市と上海本地語の集合である。商売に長けた江蘇人と政治に敏感な浙江人が近代上海の歴史を作ってきた。

近年、日本も長江デルタに進出、蘇州市・無錫市に工場が建てられている。部品調達、製品流通販売のため、港町の上海に事務所や子会社を設けるケースが多い。今、上海に常駐する日本人は約4万8,000人と、上海にいる外国人のなかで最も多い。上海と、隣接する江蘇・浙江を加えると、出張と観光あわせて10万人近い日本人がいるといわれる。海外一の規模の日本人コミュニティーも形成されている。

上海は、中国で経済的に最も豊かな地方であるため、上海人はねたみもあってか、他地域では嫌われていることが多いとの意見がある。上海人のステレオタイプとして、横暴で傲慢、わがままというものがある[28]
在留日本人

戦前から多くの日本人が住む上海には2015年現在、9,962社の日系企業が進出、46,115人の日本人が住み、海外で3か月以上留まって暮らす長期滞在の日本人が多い都市として、タイバンコクに次ぎ、2番目となっている[29]。短期滞在者を含めると10万人以上の日本人が滞在しているといわれる。日本総領事館日本人学校などもあり、日本料理店をはじめ、日本人向けの店も多い。
上海人の姓

上海人の姓(苗字)は多い順に、張、王、陳、李、朱、徐、周、沈、呉、陸である。沈と陸が上海特有の姓、それ以外は中国人姓の20位以内に数えられる。近隣の江蘇省、浙江省の姓ランキングも上海とほぼ同じである。
戸籍問題

中国は人口問題を抱えるため、農村と地方都市の人は自由に大都市に移住することができない。それにもかかわらず、近年の経済発展に伴って多くの出稼ぎ労働者が中国各地から上海に来て仕事をしている。その数約660万人以上といわれるが、正確な数字の把握は難しい。出稼ぎ労働者の出身地はいずれも普通語を使う四川省、江蘇省蘇北、安徽省、東北地方の者が多い。出稼ぎ労働者は上海を建設すると同時に、大きな社会問題と治安問題をも招いている。公安機関の統計によれば、上海市の75%以上の強盗、殺人、暴行などの悪質な犯罪は市外の中国人により発生している[30]

したがって、上海では北京市と並び、中国大陸において最も厳しい戸籍政策がとられている。しかし大都市の戸籍を持つ人には様々な特権がある。例えば、親が上海戸籍を持つ者なら、子供が生まれたとき区の社会保険局から15万円から数十万円までの援助金を得ることができる。戸籍を持つ子供は優先的に幼稚園、小学校、中学校に進学できる。一方、上海戸籍を持たない者は、上海の大学受験に参加できない[31]。また、一部の悪質な会社は、上海戸籍を持たない社員に住宅積立金、年金を支払わないケースもある。このような戸籍問題に関するトラブルは絶えない。

中国は都市と地方の格差が激しいため、日本やアメリカ合衆国などの外国への観光査証発行は、上海や北京など沿岸経済発展地域の戸籍を持つ者が優待される[32]
言語

普通話は学校や公式な場面で使われている。上海語は呉語を代表する方言である。本来文字はなかったが、音に近い漢字が当てられた。上海語の中にも方言があり、浦東・青浦地域に存在する。崇明島ではまた違った言語が話されるが、上海語に近い。上海には周囲の江蘇省・浙江省から多くの労働者が出稼ぎに来たため、彼らの多くが今も住む上海駅周辺では上海語とは異なる言語である「蘇北語」が話されている。普通話と上海語とはまったく通じないが、普通話の教育が中国全土で行われているため、大抵の上海人が普通話を使用することができる。

上海語で放送されるテレビ番組や上海語で上演される戯曲などがある。中国では上海語の学習書なども出版されている。
経済上海市最大の繁華街『南京路徐家匯の商業地区上海証券取引所浦東新区陸家嘴(りくかし)金融貿易区

中国最大の経済都市である。2014年の市内総生産は2兆3,560億元であり、北京市を凌ぎ同国第1位である[33]2014年の上海都市圏の総生産は5647億ドルであり、世界8位の経済規模を有する[34]。アジアでは東京都市圏ソウル都市圏、大阪都市圏に次ぐ第4位である。

また、日本経済研究センターは、2035年にはニューヨーク、東京、ロサンゼルスに次ぐ世界第4位の経済規模に成長すると予測している[35]

2020年9月の調査によると、上海は世界3位の金融センターであり、東京や香港を抑えて初めてアジア首位に立った[36]。2015年に上海市が公表した統計によると、2014年における労働者の平均賃金は年65,412元(約126万円)であり、月平均5,451元(約10.5万円)である[37]。また、2015年の上海市の最低賃金基準は、月給の場合2,020元(約3.9万円)であり、時給の場合18元(約347円)である。第三次産業の中でも、とりわけ金融産業に従事している労働者の平均賃金が高く、2011年現在、年167,173元(約284万円)となっている。一方、農業など第一次産業に従事している労働者の平均賃金は2011年現在、年31,765元(約54万円)、第二次産業に従事している労働者の平均賃金は、年44,598元(約76万円)、第三次産業に従事している労働者の平均賃金は、年60,341元(約103万円)である[38]
交通

上海市の主要交通手段はバス、自転車、船であったが、2000年代からはトロリーバス、地下鉄網、タクシー、電動スクーター、高速道路網をも活用した自動車などが主な交通手段となる。鉄道は国鉄以外では上海軌道交通が一手を担っている。
自動車
タクシー

大手のタクシー会社は、スーツを着用していたり、一流ホテルで客待ちできたりするので識別するのは可能である。わざと遠回りして標準価格より2倍以上請求した事実が発覚した場合、その運転手は永久にタクシーライセンスを剥奪される。
自家用車

自動車の急激な台数増加を抑制するため、自動車の所有は限定発行されるナンバープレート競売で入手することが前提となっている。2018年頃のナンバープレートの落札額は9万元を超えることもあり、車両本体価格よりもナンバー代の方が高くなる可能性もある[39]。上海市外のナンバープレートを調達する回避策もあったが、市外ナンバーの走行禁止時間帯が設定されるなど規制は厳しくなっている[40]
鉄道上海市の地下鉄路線図(2024年)上海トランスラピッド

上海は中国東部の鉄道中枢上海鉄路局の所在地である。1876年7月3日に開通した呉淞鉄道は中国で初めての鉄道であり、一度撤去された後、淞滬鉄道として再建された。


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