圓朝による新作落語には名作佳作とされる作品も多く、多数が現代まで継承されている。特に『死神』は尺が短いこともあって、多くの演者が演じている。圓朝は江戸時代以来の落語を大成したとされ、彼の作による落語は「古典落語」の代表とされる(現在では大正以降の作品が「新作落語」に分類される)。
人情噺では、『粟田口霑笛竹
』や『敵討札所の霊験』、『芝浜(異説あり)』、怪談では、『牡丹燈籠』『真景累ヶ淵』『怪談乳房榎』などを創作した。また海外文学作品の翻案には『死神』『名人長二(発表:1887年。原作:モーパッサン「親殺し」)』『錦の舞衣(発表:1891年。原作:ヴィクトリアン・サルドゥ「トスカ」。後にプッチーニにより1900年にオペラ化される『トスカ』の原作)』がある。奇談としては『鰍沢』(三題話)などもあり、非常にレパートリーが広い。