住宅事業では、グループ会社の三菱地所レジデンスが『ザ・パークハウス(The Parkhouse)』ブランドで全国に展開する分譲マンション事業を主体とし、都心部の高級マンションの他、仙台市の泉パークタウンに代表される郊外でのニュータウン開発にも多くの実績を持つ。同社は2010年、2011年分譲マンション供給戸数ランキングで全国1位(5,424戸、5,331戸)である。全国的に幅広く事業を展開し、供給戸数も多いため『ザ・パークハウス』ブランドの認知度は高い。マンションの管理は三菱地所コミュニティが担う。近年では不動産流動化スキームを用いた都心部の賃貸マンション事業(「ザ・パークハビオ」)、分譲一戸建事業(「ザ・パークハウス ステージ」)、資産形成用マンション事業(「ザ・パークワンズ」) 、リノベーションマンション事業(「ザ・パークリモア」)なども積極的に展開する。海外でも多くの実績があり[16]、中国やタイ、シンガポール、オーストラリアを拠点に大規模な複合開発を行う。
また、2000年代からは商業施設の開発・運営にも注力している。丸の内エリアの商業化や、アウトレットモール(グループ会社の三菱地所・サイモンが「プレミアム・アウトレット」のブランド名で展開)の開発も積極的に進めているほか、2012年には大型ショッピングセンターの新たな基幹ブランド名称「MARK IS(マークイズ)」を策定し[17]、その第一弾として2013年4月にMARK IS 静岡(静岡市葵区)が、続けて同年6月にはMARK IS みなとみらい(横浜市西区)が開業した。さらに、「大阪最後の一等地」と称される大阪駅北地区(通称「うめきた」)の先行開発区域(グランフロント大阪)を代表事業者として落札し、2013年4月に街開きを迎えた(2018年7月にはうめきた2期の代表事業者にも選ばれている)。今後は商業施設の「コロワ(Corowa)」ブランドも展開予定で、2018年4月にコロワ甲子園が開業した。この他にも、高級ホテルチェーンであるロイヤルパークホテルズなどの運営を手掛けている。 三菱地所は主にまちづくりや環境への配慮に重点をおき地道なCSR活動を展開。具体的な取り組みとしては丸の内エリア周辺でのコミュニティ形成のための取り組みや小中学校での環境教育、東日本大震災復興支援、都市と農山村をつなぐプロジェクト『空と土プロジェクト』[18]などがある。 『空と土プロジェクト』は2008年4月に策定した「三菱地所グループ社会貢献活動基本方針」に基づき、「村・人・時代づくり」を行う目的で設立されたNPO法人えがおつなげて 大阪アメニティパーク(OAP)の分譲マンション販売に際して、土壌汚染の事実を顧客に告げずに販売していた問題が発覚。2005年に宅地建物取引業法違反(重要事実の不告知)の容疑で、共同事業者の三菱マテリアル、大林組などと共に書類送検され、当時の代表取締役社長であった木茂が引責辞任した。その後、社外有識者から客観的な視点に基づく再発防止に向けたコンプライアンス体制のチェックと強化、改善の提言を行い、あわせて企業体質の改善に関する提言を行うことを目的とするコンプライアンス委員会が設置された。
CSR
コンプライアンス
沿革「三菱地所を、見に行こう。」の赤いバス
1937年(昭和12年) - 三菱合資会社の不動産部門・建築部門が分社して発足。
1952年(昭和27年) - 「新丸ノ内ビルヂング(新丸ビル)」竣工。
1953年(昭和28年) - 陽和不動産株式会社、開東不動産株式会社を合併[注釈 3]。
1958年(昭和33年) - 「大手町ビルヂング」竣工。
1965年(昭和40年) - 「大名古屋ビルヂング」竣工。
1968年(昭和43年) - 三菱東9号館(三菱一号館)解体。
1969年(昭和44年) - 「赤坂パークハウス」竣工(分譲マンション事業開始)。
1972年(昭和47年) - 「泉パークタウン」第一期起工。
1981年(昭和56年) - 「日比谷シティ(日比谷国際ビル)」竣工。
1986年(昭和61年) - 「広尾ガーデンヒルズ」竣工。
1989年(平成元年) - アメリカ・ニューヨークのロックフェラー・センターを買収。
1990年(平成2年) - アメリカ・ロックフェラーグループに資本参加。
1993年(平成5年) - 横浜みなとみらい21地区の「横浜ランドマークタワー」竣工、「パークハウス多摩川」全棟竣工。