三線軌条
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出典検索?: "三線軌条" ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2012年8月)

日本での三線軌条および四線軌条は、1912年7月1日に、博多電気軌道(のちの西鉄福岡市内線、1435mm)が貨物輸送を目的として、一部の区間に1067mmの軌道を併設して貨物列車の運行を開始した事例があり[6]、この営業運行は次に述べる京都市内の例よりも早かった。京都市内の京都市電京都電気鉄道の共用区間では、同年4月19日に京都市が内務省から三線軌条敷設の許可を受け、同年12月25日に三線軌条の最初の区間が営業を開始した。

1913年には東海道本線膳所駅(当時は馬場駅) - 大津駅(後の浜大津駅)間で、東海道本線(貨物線)に大津電車軌道(現在の京阪電気鉄道石山坂本線)が乗り入れるため三線軌条となった。軌道ではない鉄道が関係するものはこれが最初である。

純粋な鉄道のみのものとしては1917年横浜線原町田駅 - 橋本駅間で、標準軌化の実地試験として使用されたのが始まりである(日本の改軌論争も参照)。

鉄道車両工場の構内で三線軌条となっているケースもある。例えば、JR東海浜松工場には狭軌・標準軌共用の三線軌条が多い。なお、ここでは営業線上以外のものは割愛する。

三線軌条の乗越分岐器(箱根登山鉄道〈現:小田急箱根〉 風祭駅、どちらも三線で分岐、2006年廃止)

三線軌条の分岐器(小田急電鉄・箱根登山鉄道〈現:小田急箱根〉 小田原駅、片方だけ三線で分岐、2006年廃止)

三線軌条の移線器(逗子線六浦駅

現存するもの

海峡線の湯の里知内信号場付近に敷設された三線軌条


北海道旅客鉄道 北海道新幹線海峡線新中小国信号場 - 木古内駅2016年(平成28年)3月26日共用開始。

北海道新幹線車両(定期旅客列車) = 標準軌

在来線車両(貨物列車・臨時旅客列車)= 狭軌(1,067 mm軌間・三六軌間)

この区間の中間駅である奥津軽いまべつ駅では本線・ホーム側待避線は標準軌、駅外側の待避線は狭軌のみ。湯の里知内信号場では本線は標準軌・狭軌の三線軌条、待避線は狭軌のみ。

この区間は架線電圧が25,000 Vのため、新幹線車両の他は、複電圧対応車両EH800形TRAIN SUITE 四季島)だけが自走可能で、従来の在来線(20,000 V)用電車電気機関車の自走は不可能[7]。在来線定期旅客列車は2016年3月21日の運行をもって全廃された[8]


奥羽本線,秋田新幹線の三線軌条(2011年8月10日刈和野駅

東日本旅客鉄道 奥羽本線秋田新幹線神宮寺駅 - 峰吉川駅(複線の一方が狭軌と併用)[9][10]

新幹線直通車両 = 標準軌

在来線車両 = 狭軌(1067mm軌間・三六軌間)

架線電圧は20000Vの共有でATSは標準軌がATS-P・狭軌はATS-SNを併設[11]



小田急箱根 鉄道線入生田駅 - 箱根湯本駅:入生田車庫出入庫車両(かつては小田原駅 - 箱根湯本駅の営業用だった。)

小田急箱根の車両 = 標準軌

小田急電鉄の車両 = 狭軌(1067mm軌間・三六軌間)

この区間は架線電圧が1500Vなので小田急箱根車両が複電圧車でATSは小田急電鉄仕様(OM-ATS)で両社共通になっている。



京浜急行電鉄 逗子線金沢八景駅 - 神武寺駅総合車両製作所横浜事業所入出場車両(複線の一方が狭軌と併用)

京急線の車両 = 標準軌

その他の車両 = 狭軌(1067mm軌間・三六軌間)、使用中は線路閉鎖して列車の運行を止める必要がある[12]


かつて存在したもの

奥羽本線(山形線)の山形駅-蔵王駅間に敷設されていた三線軌条の跡。現在は地上の固定子のみが残る


京都市電:四条西洞院 - 四条堀川など

京都市敷設路線=標準軌

京都電気鉄道敷設路線(N電)= 狭軌(1,067 mm軌間・三六軌間)

最も多いときには上記の他に烏丸通・丸太町通・七条通に合計4箇所存在したが、徐々に標準軌に統合され、戦後まで残ったのは上記四条通の区間のみ。1961年(昭和36年)8月1日、狭軌路線廃止。残った標準軌線(四条線)も1972年廃止された。


西鉄福岡市内線:三角駅 - 博多築港駅

吉塚線・循環線 = 標準軌

築港線 = 狭軌(1,067 mm軌間・三六軌間)

築港線が吉塚線・循環線と重複する区間が該当。貨物輸送をおこなう築港線のために三線軌条となっていた。1944年(昭和19年)12月3日に吉塚線の三角駅 - 吉塚駅前駅間が廃止となり、1,435 mmのレールを撤去。残った区間も1961年(昭和36年)2月11日に築港線の運行を休止、1963年(昭和38年)9月1日に築港線全線が廃止され、吉塚線・循環線は1,435 mmのみとなった。


京阪石山坂本線東海道本線江若鉄道膳所駅 - 浜大津駅(片側線のみ)

京阪電気鉄道車両 = 標準軌

その他の車両 = 狭軌(1,067 mm軌間・三六軌間)

上記3社の共用(重複)区間。国鉄は貨物のみの運行だった(戦後、米軍の輸送を行った時期あり)。江若鉄道は1947年(昭和22年)から1965年(昭和40年)まで旅客列車を運行した。1969年(昭和44年)11月1日狭軌車両の運行廃止。廃止後も1976年(昭和51年)まで三本目の線路は残されていた。


九州水力電気(のちの西鉄福岡市内線):今川橋駅 - 姪ノ浜駅

電車車両 = 標準軌

貨物列車 = 狭軌(914 mm軌間)

914 mm軌間の上記区間を1922年大正11年)7月26日に1,435 mmに改軌・電化した際に、姪ノ浜駅以西の区間( - 加布里駅)との間で貨車直通させるために三線としたもの。1928年(昭和3年)6月1日に姪ノ浜以西が廃止となり、914 mmの線路は撤去された。


大阪電気軌道(現・近畿日本鉄道吉野線:(旧)橿原神宮前駅 - 久米寺駅

久米寺駅は現・橿原神宮前駅付近。

大阪電気軌道畝傍線(現・近鉄橿原線)車両 = 標準軌


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