三畳紀
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絶滅の原因としては、直径3.3 - 7.8km程度の隕石の落下[15]あるいは、中央大西洋マグマ分布域(Central Atlantic Magmatic Province)における火山活動との関連が指摘されている[16][17][18]。こうした環境の変化を経る中で、獣弓類は生態系の脇役へと姿を変え、かつて覇権を誇ったクルロタルシ類は姿を消していった。そして敏捷で呼吸効率の良い恐竜が生態系の主役を担うようになる[19]。なお恐竜の先駆けとして登場したシレサウルス類もまた、子孫筋にニッチを明け渡していた。
三畳紀の地層

三畳紀の地層を三畳系という。

三畳紀には大規模な海進はなかったとみられており、そのため、安定陸塊においては陸成層や台地玄武岩が卓越し、海成層の分布はほとんどみられない[2]。一方、テチス海域だった地域および大洋周囲の変動帯ないし準安定地域だった地域には、しばしば珊瑚礁由来の石灰岩や層状チャートをふくんだ三畳系海成層もみられる[2]
三畳紀の日本

日本の三畳系は、ふるくは分布範囲はきわめて狭小であるとみなされてきたが、一時期古生代に属すと考えられてきた外帯(太平洋側)のチャート層や石炭岩からコノドント化石が見つかり、これによって三畳紀の地史が大きく解明された。すなわち、従来古生代後期の地層とされてきた海洋性の石灰岩やチャート、また、海底火山岩のうちのかなりの部分が三畳紀に形成された地層であるとみなされるようになった[2]。一方、内帯(日本海側)および外帯一部には、三畳紀にすでに付加された古生代の地層と三畳紀前後に形成された花崗岩および広域変成岩が分布して、これらを基盤として三畳紀後期における陸棚性・瀕海性の厚い堆積物が比較的小範囲に点在する。その多くは炭層をふくみ、産出化石はシベリア方面の種との共通性を示している[2]
皿貝動物群

北上山地南部の太平洋沿岸にある宮城県南三陸町皿海集落には三畳系後期ノリアン階の貝化石産地があり、集落名を採って「皿貝動物群」あるいは「皿貝化石群」と称される。ここでは、モノティスと称される翼形二枚貝の検出が特徴的である[3]
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 速水格は約2億4200万年前から約2億800万年前までの約3400万年間を想定しているが、重慶自然博物館(中華人民共和国)製作の図録『掘りたて恐竜展 展覧会図録』では2億4800万年前から2億600万年前までと説明している。なお、約2億5100万年前に始まり、約1億9960万年前までとしているのは仲田崇志である。
^ 大量絶滅については、氷河作用、隕石の衝突、巨大大陸パンゲアの出現、海退、大陸棚の激減などさまざまな説明がなされるが、いずれも決定的な証拠を欠いている。寒冷化や一種の毒素の蔓延などを仮説として説明しようとする立場もあり、また、これら諸要因が複合したのではないかとみる立場もある。フォーティ(2003)pp.305-312
^ オーストリア共和国チロル州のセント・カシンは、キダリスと称されるウニ化石の産地として著名である。
^ 「ユリ型をしたウミユリ」という意味。

出典^ “ ⇒International Chronostratigraphic Chart(国際年代層序表)”. 日本地質学会. 2020年4月17日閲覧。
^ a b c d e f g h i j k l m n 速水(2004)
^ a b c d e f g h i 浜田・益富(1966)pp.77-83
^ a b c d e f g h i クルテン(1983)pp.95-99
^ “ ⇒INTERNATIONAL CHRONOSTRATIGRAPHIC CHART(国際年代層序表)”. 日本地質学会. 2021年3月10日閲覧。
^ パウエル(2001)


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