宮本福助によるコミカライズ版が『COMIC BRIDGE(ComicWalker内)』(KADOKAWA)にて、2023年4月26日から連載中[11]。 川崎宿の旅籠の娘・おちかは、とある事情から江戸で袋物屋「三島屋」を営む叔父夫妻の元へ行儀見習いとして身を寄せている。叔父の伊兵衛は、実家に帰れないおちかに花嫁修業をさせて嫁に出すつもりでいたが、おちかは女中として忙しく働くことで自らの過去を頭の隅へと追いやろうとしていた。 ある日、伊兵衛が急な所用のため、訪問が予定されていた客への対応をおちかに任せて外出してしまう。他人に心を閉ざしているおちかは不安に駆られるが、自分を信用してくれた叔父のためにも、客に非礼があってはならないと覚悟を決める。客は、庭に咲く曼珠沙華に恐れおののくが、おちかに対して自分の過去にまつわる怪をぽつり、ぽつりと話し始める。帰宅後、おちかから事の顛末を聞いた伊兵衛は、江戸中から不思議な話を集めるとして、おちかにその聞き役を務めるよう言い渡す。 最初の客・藤吉と二人目の客・おたかの不思議な話の聞き役を務めたおちかは、次におちか自らが三人目として、おしまを聞き手に悲しい過去を話し始めるのだった。 やがて、一度に語り手は一人だけが黒白の間(こくびゃくのま)に招かれ、聞き手はおちか一人だけの「変わり百物語」は三島屋の看板となる。 おちかが19歳の時、富次郎が三島屋に帰って来て、ともに聞き手を務めたりしていたが、おちかが勘一の元に嫁いでからは、富次郎が聞き手を引き継ぐ[6]。 『おそろし?三島屋変調百物語』のタイトルで、シリーズ第1作『おそろし』を原作に、NHK BSプレミアム「ザ・プレミアム」にて2014年8月30日から9月27日まで放送された。主演は波瑠[17]。全5回。
宮本福助(漫画)・宮部みゆき(原作)『三島屋変調百物語』KADOKAWA〈BRIDGE COMICS〉、既刊2巻(2024年1月6日現在)
2023年6月7日発売[12]、ISBN 978-4-04-682619-0
2024年1月6日発売[13]、ISBN 978-4-04-683257-3
あらすじ
登場人物
おちか
川崎宿の旅籠・丸千(まるせん)の一人娘。ある事件を境に他人に心を閉ざす。江戸で袋物屋を営む叔父夫妻を頼り、行儀見習いの名目で身を寄せている。ある客の話し相手をしたことを機に、伊兵衛が市井の人々が持ち込む不思議な話を百集めるという計画を立て、17歳のおちかは客の聞き手となる。三島屋に身を寄せてから3年後の、第5作に収録の「金目の猫」で勘一と祝言を挙げる。
富次郎(とみじろう)
「三島屋」の次男。兄・伊一郎と同じく修行のため木綿問屋「恵比寿屋(えびすや)」に奉公に出ていたが、奉公人同士の揉め事に巻き込まれて大怪我を負い帰って来る。お勝とともに黒白の間の次の間に座ったり、おちかとともに百物語の聞き手となる。絵が得意。第4作に収録の「おくらさま」から登場し、第6作に収録の「泣きぼくろ」から聞き手を引き継ぐ[6]。兄が跡継ぎの「若旦那」なので、自分は「小旦那」だと称する。第7作に収録の「火?太鼓」の時点で22歳[14]、第9作に収録の「青瓜不動」の時点で23歳[15]。
伊兵衛(いへえ)
おちかの叔父。神田三島町の袋物屋「三島屋」の主人。振り売りから一代で店を築いた。袋物の名店として知られる、斬新な意匠が売りの「越川(えちかわ)」と、おっとりと風雅を愛でる柄が売りの「丸角(まるかく)」の、どちらにもありそうでない柄の品物を妻と共に作り、職人を雇えるまでに成長し、 池之端仲町の越川と、本町二丁目の丸角の中間地点(少し丸角寄り)に店を構えた。商いが軌道に乗ると、三島屋を知らぬなら数奇者にあらずとまで評されるまでになった。住み込みと通いの職人が増え、頼れる番頭も得て、2人の息子が跡取りとして立派に育つと、碁に親しむようになり、かつて作業場に使っていた座敷を「黒白(こくびゃく)の間」と名付け、碁敵を招くようになった。
お民(おたみ)
伊兵衛の妻。
伊一郎(いいちろう)
「三島屋」の跡継ぎの長男。16歳から修行のため十年年季で小物商「菱谷(ひしや)」に奉公に出ている。第4作に収録の「おくらさま」から登場し、第8作に収録の「よって件のごとし」の終盤で三島屋に帰ってくる。第7作に収録の「魂手形」の時点で24歳[16]、第9作に収録の「青瓜不動」の時点で25歳[15]。
おしま
三島屋の古参女中。
お勝(おかつ)
三島屋の女中。顔や身体に痘痕がたくさんあり、霊感が強いので守り役として黒白の間の次の間に控えて魔除けの役割も担う。
八十助(やそすけ)
三島屋の番頭。
新太(しんた)
三島屋の丁稚。
青野利一郎
「深考塾」の若先生。
勘一(かんいち)
貸本屋「瓢箪古堂」の若旦那。旨い物好きの富次郎とよく気が合う。第4作に収録の「おくらさま」から登場し、第5作に収録の「金目の猫」でおちかと祝言を挙げる。
灯庵(とうあん)
三島屋に出入りしている口入れ屋の主人。変わり百物語の語り手の斡旋を引き受けている。おちかや三島屋の奉公人たちは、陰で「蝦蟇仙人(がませんにん)」と呼んでいる。
テレビドラマ
キャスト
おちか - 波瑠(幼少期:平澤宏々路)
三島屋伊兵衛 - 佐野史郎
お民 - かとうかず子
おしま(三島屋女中頭) - 宮崎美子
松太郎 - 満島真之介(幼少期:久住健斗)
八十助(三島屋番頭) - 阿南健治
お世津(三島屋女中) - 小林きな子
お春(三島屋女中) - 花井瑠美
新太(三島屋丁稚) - 鏑木海智
謎の男 - 村上淳
灯庵 / 語り - 麿赤兒
ゲスト
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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